元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

M1000考

2008-01-31 | 仕事について
ペリカンのM1000はモンブラン149と並ぶオーバーサイズの万年筆の名作として、多くの人の憧れの万年筆だと思います。
実用性を突き詰めたM800に対して、M1000の余裕はただの万年筆という筆記具を超えた存在感と官能的な書き味を持っているところです。
それは実用ペンを定番ラインにしているペリカンの中にあって、とても異質な存在です。
M1000の最大の特長は大きなペン先による柔らかい書き味です。
その柔らかい書き味は、豊かなインク量にも助けられていますが、とても気持ちよく、このペンを使い出してしまうと、他のペンに持ち替えた時、そのフィーリングの乏しさに物足りなさを感じてしまうほどです。

ペリカンM1000で書くという嗜好。そんな感じがします。

Kの作品

2008-01-29 | 仕事について

少しずつしか商品が載っていなかったホームページですが、最近のスタッフKの頑張りによって、かなり商品点数が増えてきました。

私が写真を撮っていた時は、ただ撮っているだけといった感じでしたが、Kが撮るようになって、写真ひとつひとつにシーンを連想させる仕掛けができ、見ているだけで楽しめるようになっていると思っています。

Kの仕事振りを見ていると、とても楽しそうです。

それはホームページの画面にも表れていて、写真やコメントに彼女らしい工夫を加えています。

店でお渡ししている「雑記から」の4コマ漫画やコーヒーに続いて彼女の隠れた才能を知り、驚いています。ホームページのKの作品、ぜひご覧ください。(http://www.p-n-m.net/


W先生登場

2008-01-29 | 万年筆
私はすごく恵まれていて、様々な分野に先生と呼べるお手本となる人がいますが、その中の一人で、デザインや物の考え方について強い影響を私に与えた人がオープン直後に激励の電話はいただいていましたが、オープン4ヶ月にして、初めて来ました。
企業のブランディングや意匠などを手掛けていて、その道では有名な人で、名前を言えば知っている人もたくさんいると思います。
聞くと何度か来たけれど、お客さんがいたので入らなかったとのことでした。
なぜかずっと私のことを気にしてくれていて、6,7年前、先生の家に遊びに行った時、シンプルで素材感のある物のあり方について強烈な印象を受けましたし、その後もいろんなことを教えてくれました。
とても型破りな人で、会社にいた頃昼休みに連れ出されて、お構いなしにビールを飲まされたこともありました。
私がよく行くビアレストランに行ったときには、こんな場所に来たのは初めてだと、とても喜ぶような仙人のような人です。
私のシンプルで素材感のあるもの、伝統工芸への傾倒も先生からの影響に他ならず、とても懐かしく再会しました。

セーラーの定番品入荷

2008-01-28 | お店からのお知らせ
今まで海外のメーカーのものばかりの品揃えでしたが、セーラーの定番品の万年筆も充実させてみました。
国産の万年筆は21,000円で書く道具としては完璧だと思っていて、セーラーのこのクラスプロフィット21は21金のとても柔らかいペン先と持ちやすい太目の軸が特長です。
書いていて、とても楽しい万年筆です。

分度器ドットコム 谷本氏来店

2008-01-28 | 仕事について
久しぶりに分度器ドットコムの谷本さんが来てくれました。
いつも来てもらうばかりで、申し訳なく思っていますが、谷本さんは忙しいにも関わらず、フットワーク軽くいつも来てくれて、いろんな話をしています。
当店では、分度器ドットコムのオリジナル商品のツバメメモ、セルロイドペンシルエクステンダーやデビット・ヘイワードなどを取り扱わせていただき、開業当初から提携関係にある仲間です。仕事のことなど困っていることもよく話し合います。
谷本さんが分度器ドットコムを始めてもう3年になり、始まったばかりの当店とは成長期の子供と生まれたばかりの赤ちゃんほどの違いがあります。
今年の抱負を言い合ったりして、目指す売り上げや仕事の規模の大きさに圧倒されてしまいますが、いつも目標を高く持って、大きな仕事に向かう谷本さんの力に少しでもなりたいと、身の程も知らずに思いますが、今のところ私の方が助けてもらうことが多いです。
谷本さんは近々発売予定の帆布のロールペンケースの試作品を持ってきていて、居合わせたお客様ご夫妻に見てもらっていましたが、谷本さんらしいカジュアルでなかなかセンスのいいものになっていました。
小さな会社同士ですが、協力することによって、とてもユニークな活動ができると思っています。
今年も分度器ドットコムとPen and message.の関係はさらに強くなっていくと思いますし、このネットワークをもっと広げていくことができればと思っています。

冬枯れインク、再入荷しました。

2008-01-26 | お店からのお知らせ
発売直後に品切れしてしまい、一部の方にご迷惑をお掛けし、私も大いに慌てたオリジナルインク冬枯れが再入荷しました。
黒で文字を書きたいけれど、既成の黒さを目指した黒インクではあまりに強すぎる。もう少しあっさりとさせたいと思っておられる方にお勧めのインクです。
ラベルに雑記用と記した通り、ノートや手帳などに書き込んだ時に黒々しすぎない、後からでも見やすい、目に優しい色です。
ぜひ使ってみてください。

昨年末、ファーバーカステルの万年筆を手に入れてから、インクとペンの相性について色々考えるようになりました。
ファーバーカステルは良くも悪くもインクによって、その性質が大きく違うペンです。
メーカー純正のインクを使えば快適に使うことができますが、ついつい違う色のインクを入れてみたくなります。
本日ご来店いただいたM先生の全く同じペンはモンブランのインクを入れても非常に快適に書くことができましたので、カステルの万年筆全てがそうだというわけではなさそうです。
万年筆屋の私物なので、書きにくいままにはできません。理想の書き味を目指して、調整を続けます。
皆様の万年筆も理想の書き味に近づけるためということなら、調整の相談に乗りますよ。

ドイツ シュナイダーの万年筆

2008-01-25 | お店からのお知らせ
開店したばかりの頃、サファリとかペリカーノなどの万年筆が全く売れないのがとても不思議でした。
今までそれらの万年筆は売れ筋で、何もしなくても売れるものだと思っていましたが、当店に来られるお客様はそういったものを求めているのではないということもすぐに分かりました。
でも、例えば彼が万年筆を欲しいと思ってカップルで来られた時に、その彼女にもペリカーノを調整してお勧めすると、とても書きやすいと言って、使うようになってくれることが最近増えてきました。
それに気を良くして、関西では当店が最初だというとても珍しいシュナイダーの万年筆を当店をいつも気にしてくれる近所のステーショナリー輸入会社のS氏から仕入れました。
通常ダブルカートリッジサイズのボディですが、ミニペンにもなるショートサイズのボディも付属されています。
ペン先は大きめのポイントで書きやすいですが、もちろん必要に応じて調整しています。(2,520円です。)

from kobe 大丸出店

2008-01-24 | 仕事について
本日から1月29日まで神戸大丸8階催し物会場にて、神戸の選りすぐりのものを集めたKOBE SLECTIONが開催されています。
その中に大和出版印刷さんもブースを設けて万年筆用ノート、ル・ボナーのペンケースとバックを販売していますので、ぜひ皆様遊びに行ってみてください。
私は今朝店のオープン前に冷やかしに行って来ました。
大和出版印刷のブースはなかなか落ち着いた良い雰囲気で、万年筆用ノートの紙も試し書きできるように用意されていました。
周りの食品関連のブースでは試食もかなり積極的にしていて、少しいただけでかなりたくさんのものを食べさせてもらいました。
なかなか楽しめますよ。

ご連絡

2008-01-22 | 仕事について
ホームページにル・ボナーのペンケース3本差しにデルタドルチェビータパピヨンが入るかどうかお問い合わせいただきましたW様。
メールを返信させていたきましたが、届かずに戻ってきてしまいますので、ここでお返事させていただきます。
3本差しペンケースにパピヨンは入りますので、よろしくお願いいたします。

机禅オリジナル“図面竹ペンケース”

2008-01-22 | お店からのお知らせ
昨年の夏頃、京都の竹製品製造、卸の公長齋小菅さんと出会い、営業でご長男の達之氏を介し、社長の八郎氏に店作りの相談に乗ってもらいました。
店内の装飾など竹の設えは、八郎社長のプロデュースによるもので、当店の個性を決定付ける、とても効果的なものになっていると思っています。
その公長齋小菅さんとの共同作業による図面竹のペンケースが出来上がりました。
とてもシンプルな作りで図面竹の模様を生かした表面に漆を塗っただけのものですが、使っていくとピカピカの光沢が出来てきます。
工作精度もかなりのもので、ふたは密着し勝手に開いてしまうということもありませんので、大切なペンを入れていただいても大丈夫です。
鞄やポケットからこのペンケースを取り出し、職場のデスクに置いて使う。
そんな使い方をイメージしています。
中に入るペンが黒一色のシンプルなものでも、そのペンに表情を与えてくれる。
そんなペンケースだと思っています。
素材感とシンプルなデザイン、優れた実用性をテーマに作っていく当店のオリジナルブランド、机禅のペンケースです。
中に入るペンで確認できたものは、ペリカンM800以下、ペリカンM620ナイアガラ、サハラ、アウロラオプティマ、88、デルタドルチェビータミディアム、ドルチェビータミニ、パイロットカスタム742、74、セーラープロフィット、プロフェッショナルギア、ヴィスコンティヴァン・ゴッホ、シェーファーレガシー、ファーバーカステル伯爵コレクションなどです。
(ふし有り、ふし無しがあり、それぞれ7,500円です。)