元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

ミニ5穴システム手帳

2019-05-27 | 2019出張販売案内

今年の当店のニュースは、ミニ5穴システム手帳を扱い始めたことです。

スマホを誰もが使う時代に、全て1冊の手帳に何もかも書いて収めておくという手帳/システム手帳の時代ではなくなっています。

でも趣味的なものとして、手帳は持っておきたい。

そんな今の時代の手帳のあり方にミニ5穴システム手帳は合っていると思いました。
たくさんは書き込まないけれど、持っていてスケジュールを確認したり、ちょっと書き込んだりするためのもの。
そして何よりも持っているだけで嬉しい。

必要だから使うのではなく、持ちたいから持つ趣味の心で使うもの。
そんな存在のものが、ミニ5穴システム手帳なのかもしれません。

当店のミニ5穴システム手帳は、上質な革をカンダミサコさんの丁寧な仕事によって作られた、持っていて嬉しいものになっている思っています。


発色が良くてカラーバリエーション豊富なシュランケンカーフの色合わせは絶妙で、女性にも使っていただけるものです。



今年限定の革としているアルラン社ゴートヌバックは滑らかな手触りが素晴らしい。傷もつきにくいことも特長です。



使い込むと驚くような艶の出るダグラス革を使ったコンチネンタルミニ5穴システム手帳と同じコンセプトで新しく作ってもらったコンチネンタル1本差しペンシース。


コンチネンタルミニ5穴システム手帳は、趣味としての手帳/ミニ5穴システム手帳を象徴するものだと思っています。

システム手帳はいかに薄く、たくさんの枚数を収容できるか、いかに開きやすいか、閉じやすくするかが追究されてきたけれど、革をあえて分厚く使っているので、ピタッとは閉じず、コロンとしたフォルムをしている、こんな形のシステム手帳があれば可愛くて持ちたくなるのではないかと思いました。

このコンチネンタルシステム手帳、現在品切れしていて、予約受付中ですが、各出張販売分は確保して、持っていきます。
アルランゴートヌバックも品切れ中で、7月完成予定ですが、少しだけ福岡にも持っていきます。

ミニ5穴システム手帳のリフィルも持って行きます。

よろしくお願いいたします。


 

[出張販売スケジュール]
・6月8日(土)11時~18時 9日(日)11時~16時 工房楔との共同開催
福岡 ギャラリートミナガ 福岡市中央区大名2-10-1

 

・7月18日(木)14時~20時 19日(金)12時~20時 20日(土)12時~20時
東京・代官山 ギャラリー懐美館 東京都渋谷区恵比寿西1-31-14グリーンマンション1F

 

・8月24日(土)25日(日) 10時~18時
札幌 ギャルリノワール/ブラン 札幌市中央区南2条西6-5-3住友狸小路プラザハウス2F

 

・10月5日(土)10時~17時 6日(日)10時~16時
東京インターナショナルペンショー 東京都立産業貿易センター台東館 東京都台東区花川戸2-6-5





ペン先研ぎ見本

2019-05-26 | 2019出張販売案内

研ぎ見本の万年筆を4本用意しました。コンプロット4ミニに入れて、出張販売に持って出るつもりです。

ペン先調整はやり過ぎないようにしたいといつも思っています。

なるべく削らないようにしたい。
私が機械を回す時は、細く削る時か、筆記角度に合わせてスイートスポットをチョコンと作る時だけです。
食い違いを直して、寄りを調整して、ペン芯とペン先を合せて、筆記角度を合せる。通常のペン先調整はそれで充分だと思っています。

調整士の中には、ペンポイントを自分の形にしないと気が済まない人がいるかもしれないけれど、それは自分の万年筆でやるべきで、お客様の万年筆でやることではない。なるべく削らずに、削るとして最小限に削って問題解決する方法を考えるべきだと思っています。

私のペン先調整の心得は、何もしていないように見せるために、最大限の努力をするというものです。

普段からそういうふうに心掛けているけれど、研ぎ見本では、遠慮せずにそれぞれのペンポイントの形で一番良いと思える状態になるまでやってみました。

出張販売に行くたびに、何か研いで持って行って、それを良いと思ってくれた人がいたら、その個体を買ってもらうということができたらいいなと思っています。

[出張販売スケジュール]
・6月8日(土)11時~18時 9日(日)11時~16時 工房楔との共同開催
福岡 ギャラリートミナガ 福岡市中央区大名2-10-1

・7月18日(木)14時~20時 19日(金)12時~20時 20日(土)12時~20時
東京・代官山 ギャラリー懐美館 東京都渋谷区恵比寿西1-31-14グリーンマンション1F

・8月24日(土)25日(日) 10時~18時
札幌 ギャルリノワール/ブラン 札幌市中央区南2条西6-5-3住友狸小路プラザハウス2F

・10月5日(土)10時~17時 6日(日)10時~16時
東京インターナショナルペンショー 東京都立産業貿易センター台東館 東京都台東区花川戸2-6-5


6/8(土)9(日)福岡での出張販売 (Pen and 楔 福岡展)

2019-05-21 | 2019出張販売案内

6月8日(土)9日(日)11時~18時 福岡明治通り中央区役所向かいのギャラリートミナガで、出張販売を工房楔の永田さんと共同開催いたします。

永田さんは銘木の杢という遊びを、私も万年筆という遊びを提案してます。

万年筆を使う生き方とか、書くことを大切にするライフスタイルとか、深刻ぶっているけれど、結局万年筆で書くことに関する遊びを追究しているだけなのだと、最近は開き直ったような気持ちでいます。

福岡にもそれに関するものをお持ちいたします。

今年の当店のニュースは、神戸の革職人カンダミサコさんが作るミニ5穴システム手帳です。
A7というリフィルサイズで、ポケットに入る小さなものです。ポケットに入るっというのは手帳の原点であり、小さいだけに仕事以外でも使いやすいものだと思っています。

それを上質な革で作ってもらいました。

 

定番品のシュランケンカーフは、スマートで扱いやすい、カラーバリエーションの多い革。カンダさん独特のおしゃれな色の組み合わせで作っています。

 

当店の要望で作ってもらっているコンチネンタルは素材感のあるダグラス革をできるだけ厚く使ってもらい、革の質感を楽しめる仕様です。

 

今年の限定革としてフランスアルラン社ゴートヌバック革でも作ってもらっています。

好評で品切れしているものもありますが、福岡で販売するものは確保しています。

バイブルサイズもちゃんと持っていきます。

 

オリジナリティのある経線のバイブルサイズリフィル筆文葉もお持ちしますし、アシュフォードのミニ5穴用リフィルもお持ちしますので、システム手帳を使い始めたいという方もぜひ見に来ていただけたら嬉しいです。


早めの休暇

2019-05-19 | 実生活

12年営業してきて、ゴールデンウィーク明けは割と店がヒマになることが分かっていましたので、夏の終わりにとっていた休暇を今年は早めにとりました。

休んだのは私だけで、店は営業していて、私が遊んでいる間も店は動いていると思えるのは、変わっていると思われるかもしれないけれど、安心感のようなものがありました。 不在にしても、店を任せることができるスタッフがいるからこういうことができる。

私の理想は私がいなくても店が変わらずに回っていくということなので、それに近付いた気がして嬉しかった。

休みの間、まず金沢に行きました。

行った先で良い時期に来ましたねと言われましたので ゴールデンウィークはきっとすごい人出だったのだと想像できました。 ブラブラ歩いたり、バスに乗ったりして観光名所を訪れたり、お店を訪ねて過ごしました。 やるべきことのない普段とは違う土地に身を置いて、のんびりした気分を味わうことができました。

 旅は、行き先がたくさんあるとなかなかのんびりすることができないので、あまり詰め込み過ぎない方がいいということに気付いたのは45過ぎてからかもしれません。 旅で訪れるような地方都市は観光地であることが多く、観光客で賑わっている。最近では外国人の観光客の方が多く感じられるようになりました。

 2000年代一桁くらいまでだろうか、私たちが若かった頃、壊滅状態だった日本の観光地は、外国人観光客のおかげで完全に息を吹き返している。 金沢も以前訪れた5年前とも違っていて、観光地区には活気がありました。

地方都市に行っていつも一番気になる物販、商店、特に商店街は観光と同じようには行っていないような気がします。 考えてみれば当然で、観光によって潤う店は土産物店か飲食店で、物販のお店が観光客によって賑わうことは考えにくい。 観光によって潤った地元の人が、地元商店での購入額が増えるという間接的な効果はあるかもしれないけれど、その効果が表れるには時間がかかりますし、地方の商店街が衰退したのには様々な理由があると思いますので、地方の商店街などに活気を戻すのは難しい。 でも行く先々で寂れた商店街を見るのは辛い。

私たちは公立の観光地ではないので、採算を取らなくては生きていくことができない。今日お客様に来てもらわないと困るけれど、10年後にもお客様に来てもらわないといけない。 日本の多くの商店街がなぜ廃れていったのか、ひとつずつ考えることは、自分の店が長く続くことにつながるのか分からないけれど、考えずにはいられません。

 深刻ぶった内容になってしまったけれど、金沢からの帰り珍しくサンダーバードのグリーン車に乗って、寝てしまうのはもったいないと、ワクワクしながら帰ってきました。


出張販売の告知

2019-05-13 | お店からのお知らせ

 *出張販売の告知がありますので最新日付で掲載させていただきます(記事は4月11日更新分)

 

暖かくなってきました。そろそろ夏から秋にかけての出張販売について考えないといけない時期になってきました。

お持ちする商品に関しても当然ですが、飛行機、ホテルの手配もしておかないといけません。

私は新幹線も好きですが、なるべく飛行機を使いたいと思ってしまいます。空港の雰囲気が好きだし、乗っている間も眼下の地形を見たりして楽しい。

神戸空港は離陸よりも着陸の方が楽しい。飛行機は東から帰ってきても加古川辺りまで通り過ぎて、戻る時に大きく傾けて旋回します。

その時の感じをいつも楽しんでいます。

傾けるので、左側の席だと眼下の景色がよく見えます。

神戸空港に着くのは夜であることが多いですが、これがありますので明るいうちになるべく着きたいと思います。

福岡はイベントが終った時に翌年のホテルをとって帰ってきますし、東京は数が多いのでとれますが、札幌はホテルがとりにくくなっていることを実感します。

8月末というとてもいい季節で、海外からの観光客の方も多いのだと思います。

出張販売には、今年新たにミニ5穴システム手帳を持って行きたいと思っているし、銘木軸こしらえに使えるボールペンユニットも持って行こうと思っています。

いつも出張販売を念頭に置いてネタを考えている。

出張販売があるからいろいろ考えないといけないと思えて、怠け者の私にはとてもいい刺激ときっかけになっています。

 

Pen and message.出張販売/イベント予定

6月8日(土)9日(日) 福岡ギャラリートミナガ(工房楔との共同開催)

6月22日(土)23日(日) 当店開催ラマシオンハンドメイド時計イベント 

7月18日(木)19日(金)20日(土) 東京代官山ギャラリー懐美館

8月24日(土)25日(日) 札幌ギャルリノワールブラン

9月28日(土)29日(日) 当店開催工房楔イベント

10月5日(土)6日(日) 東京インターナショナルペンショー 浅草都立産業貿易センター台東館

 

 


素地

2019-05-03 | 実生活

 

どんなものでもそうだと思いますが、万年筆をたくさんの人に使ってもらおうと思っても、勧める相手に万年筆を受け容れる素地がないとそれは難しいと思います。

素地というのは、万年筆を面白いと思って、それを自分の暮らしに取り入れたいと思う心です。
素地のある人は万年筆を使いたいと思うから仕事や普段の暮らしの中で万年筆を使うようにする。

私たちの普段の生活において、万年筆を使おうと思ったら、いくらでも使うことはできると思っています。
「そんな書く仕事はしていない」「字が上手くないので万年筆などもったいない」とそれを使わない理由をあげることはできるけれど、使いたいと思って使おうとする人もいる。

自分はたくさんの人に万年筆を使ってもらいたいと思っているけれど、ある時から万年筆を使う素地があるのに、万年筆に出会えていない人が万年筆に出会えるようにしたいと思い始めました。

 

長く、万年筆を使う人を見てきました。

誰もが仕事の中で万年筆をどんどん使うというわけではない。
書くことが好きだという共通点はもちろんあるけれど、皆さん自分の仕事や暮らしを良くしたいという願望以上のものである向上心のようなものを持っている人たちなのだと最近思い当たりました。

それは何かを探して本を読むことに近いのかもしれないけれど、万年筆を使うことで、何か答えのようなものを見つけたいと思う。

万年筆を使うだけで、何か自分が求めている答えにたどりつけるはずがないと言う方もおられるかもしれない。
でも、何かを考える時に万年筆のキャップをあけて書き始める方が、コンピューターを立ち上げるよりもオリジナリティのあるアイデアにたどりつけることは私にも分かってきた。

オリジナリティとは、自分の頭で考えたこと。自分の求めている答えとは、自分のモヤモヤしたいろんな考えを統一して、ストンと頭の中のあるべきところに落としてくれるキーワードのようなものだと思います。そして、それらのアイデアや考えは自分独自のものでないと上手くいかない。

それらを探すのに、書くという行為が最も適しているのだと思います。
ボールペンは書き味が少し重くて、考えることを滞りなくさせてくれないし、シャープペンシルや鉛筆はいい線まで行っているけれど、ノックしたり、削ることが考えることを滞らせる。

考えを生み出すために書くということに最も適しているのが万年筆で、その考えを求めている人が万年筆に惹かれる素地を持っているのかもしれないと思っています。