今年になってからイタリアに目が向いていました。
その時々でいろんな土地に興味を持ちますが、イタリアについて知りたいと思っていました。
イタリアについて書かれた本を読み、イタリアの風景の写真を見て、イタリアのペンについて考える。
万年筆だけを見ていると華やかな部分しか見えてこず、明るい性質で、優れた美的感覚を持った国民性というふうに思うけれど、イタリア人も日本人と同様にジメジメした部分は持っている。
賄賂が行政サービスの潤滑油と言われるメチャクチャな行政、自分たちの生活を脅かすと思っている移民への差別、行政までも牛耳るマフィアの存在など日本同様多くの問題を抱えた国で、もしかしたら、私たちが憧れるほど、住みやすい国ではないのかもしれません。
イタリアは、安定していて、国民のために仕事をしてくれる政治が存在してこなかったため、国民の多く
は国を全く信じていない。
脱税や年金の詐取が多く行われ、税収不足から強引な課税を行い国民の心が離れていくという悪循環。
様々な脅威があって、呑気には暮らすことのできないイタリアにおいて、信じることができるのは自分の力しかない。
誰よりも美しいもの、良いものを作り出さないと、足を引っ張るものから逃れい生きていけないと、自分の力で生きていくと覚悟を決めた人は考えていて、それが製品に表れているのではないかと思うようになりました。
パッサールの岩田さん、阿曾さんとのご縁で、日本で最初にイタリアのグラフィックデザイナー グイード・リスポーリのカードを販売する店になれたことを誇りに思っている。
グイード、リスポーリに関して、今後もご案内を続けていきたいと思っています。
非常に当店らしい10周年を飾る企画のひとつだと思っています。