元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

工房楔イベント開催しています

2016-09-25 | 仕事について

 

本日18時まで、工房楔のイベントを開催しています。

イベントに出品しているもののほんの一部をご紹介いたします。

今回のイベントの目玉とも言える、コンプロット1たくさん製作しておりますので、まだまだ在庫ございます。

 

ローズウッドこぶ杢はさすがに迫力があります。

ミニブロッターは今回も人気があります。実用性が高くおすすめです。

 

今回の目玉素材、白バラこぶ杢。大変美しいものだと思っています。

コンプロットも4ロング、4ミニ、10などあります。アウトレットもまだ残っています。

 

昨日はたくさんのお客様にご来店いただきましたが、日曜日は毎回ゆっくり。どうぞご来店下さい。


工房楔イベント案内

2016-09-20 | お店からのお知らせ

いよいよ今週末になりました。9月24日(土)25日(日)、工房楔のイベントを当店にて開催いたします。

当店の開店時間11時~19時まで工房楔の永田篤史さんが在店し、自作品の販売をいたします。(25日は18時まで)

通常当店で扱っている楔の木製品は、ラインナップのうちの一部です。このイベントのために永田さんは作品を作りためて、持って来ることができる限りの作品を持って来てくれます。

イベントに来て下さっておられるお客様方は、いつもこのイベントを楽しんでいただけているようです。
どうぞ、ご来店下さい。

 

工房楔の作品などを見ていてよく思うことは、自然のものというのは中途半端な人間の作為を凌駕するということです。

中には自然を超えてしまうすごいモノもあるかもしれないけれど、それは稀で大量生産されたものは自然のものにはかなわない。

それらの模様は自然が作り出したものなので、それには文句のつけようがない美しさがあります。

素材が木など自然のものであれば、誰をも黙らせる力を持つと思う時があります。

そんな中でも最も希少で、美しい様々な模様を見せる杢にこだわった作品を永田篤史さんは作っています。

杢の出ている部分を使えばきれいに決まっているけれど、それを加工するのは大変な技術を要し、普通は使い切れないと聞いたことがあります。

様々な模様のものがあって、どれを選べばいいか分からないと言われることがたまにあります。
私などはさすがに数を見ているので自分の好きなものが分かっているけれど、そう思われる方も多いかもしれません。

すべて自然のもので美しいに決まっている。直感的に自分が良いと思うものを選んで欲しいと思いますが、代わりにお選びすることも喜んでさせていただきます。

 


模様替え

2016-09-18 | 実生活

岡山へ日帰り旅行に行った時、ショッピングモールに入り口の正面に大将が仁王立ちしているお寿司屋さんがあって、この店にはお客さんは入りにくいだろうなと思って、自分の店について考えました。

当店も入り口の正面に私がいる。さすがに仁王立ちはしていないけれど、ドアのガラス越しに私がいるのが見えるので、元々入りにくい店と言われることが多いけれど、人によっては余計に入りにくいと思われるようにしているのではないかと、レイアウトを替えてみました。

当店はあまりギチギチと家具を置いていないし、それぞれの家具がそれほど大きなものではないので、簡単にレイアウトを変えることができます。それでも欅の大きなガラスケースは難しいけれど。

スタッフMが入ってから、店が始まる前などに二人でササッと入れ替えやすくなりました。

店のレイアウトなど、余程ひどいものでない限り、あるいは余程客数の多い店でない限り大勢に影響ないと思いますが、たまには気分が変わっていいかと思っています。

今の私の席は店の端から店内全体を見渡せる場所で気に入っているし、24日(土)25日(日)と開催する工房楔のイベントや、10月27日(木)~11月10日(木)のSkyWindさんのイベントでもこのレイアウトにしようと思っていました。


私の仕事のひとつに手帳作りがあります。

オリジナルダイアリーをいつも良くしたいと思っているし、システム手帳ももっと深くやっていきたいとずっと思っているので、いろんな手帳を使ってみて、それらの良いところを吸収したい。

手帳研究と言うと聞こえは良いけれど、趣味と実益を兼ねた、どちらかというと趣味寄りの考えで数か月フランクリンプランナーを使ってみました。

さすがよくできたレイアウトで、ToDoも、予定も、覚書も完璧に書くことができて、これはどこに書けばいいのだろうという仕事で使うにおいては漏れのないダイアリーでした。

しかし、手帳も元々使っていた正方形ダイアリーに戻そうと思い、移し替えをしています。

シーズン中の手帳の移し替えは面倒だけど、いろんなことを見直すことができて、仕事においても良いことなのではないかと都合よく解釈しています。これも好きで、楽しくしていることだけど

店の模様替え、手帳の移し替えなど、しっかりとした人はそんな必要がないのかもしれないけれど、私はガラリと変えて、気分を変えることも時には必要なことだと思っています。


商売の勝敗

2016-09-13 | 仕事について

10年も同じ仕事の仕方が通用するとは思っていない。仕事の賞味期限は私たちが若い頃よりも短くなっています。
それに気付いたことは良かったけれど、ある意味不幸なのかもしれません。

長く続いてくることができたからといって、軌道に乗ったとか、安泰だと思えることは絶対にないからです。

キャリアが長くなればなるほど、自分の古い考えや思い込みと、時流との距離ができてきます。

長く続けられる人というのは今まで自分がやってきたことを全て捨て去ることができる人、完璧に容赦ない自己否定ができる人ではないか、そして冷静に世の中を見て時流を読める人ではないかと思います。

だからと言って、世の中の状況、多くの人の好む方向にその都度流れたり、自分のやりたくないことをするのは面白くない。

やりたいと思っていることを時流に合わせてコーディネートしていくことが、小さな商店の経営者に求められることなのかもしれない。

私たちはどうしても齢をとります。

20代、30代で吸収したものを40代でテクニックを駆使して、姿形を変えてアウトプットするけれど、それが時代と合わなくなってくる。

だから世代交代したり、第一線を退いて管理職になったりするしかない。
管理職の人は自分が時代遅れだと自覚しないと、いつまでも古い考えや思い込みを部下に言ってしまい混乱させたりするということになります。

個人経営のお店などは、店主が年老いていくのと一緒に朽ち果てていくのかもしれません。

それを乗り越えることができるのは、新しい考えに入れ替えることができる人だったり、若い人の考えを取り入れることができる人なのだと思います。

当店ももうすぐ9周年を迎えようとしています。9年も経ってまだ同じところでウロウロしていることに少し恥ずかしい気はするけれど、まだ立っている。

商売の勝敗は一瞬の業績や評価などではなく、最後まで立っていた方が勝ちだと思っていたけれど、そこに自分らしくという言葉を付け加え得ることを最近忘れていました。

自分らしくありながら、考えは新しくしていかないといけないのは大変だけど、自分らしく立ち続けるためにも、たまには考えを新しく更新していかないといけないのだと思っています。

 

 


岡山

2016-09-11 | 実生活

夏季休業の1日、岡山方面に行きました。

息子も大学4年生なので家族3人で出掛けるのもあとは年末の旅行だけかもしれない。

そう書くと寂し気に聞こえるけれど、そういうものだという、時の流れを静かな心で受け入れるような感覚です。

まず以前から行ってみたいと思っていた備前長船にある刀剣博物館に行きました。

家がポツポツと点在するのどかな田園地帯の中に刀剣博物館はあって、数々の名刀を世に出した備前長船のイメージとは違っていました。

作刀にはストイックなイメージがあって、もちろんその仕事は激しく肉体と精神を酷使するものだけど、厳しい自然環境の中で行われているものと勝手に思っていました。

考えてみると岡山南部は、神戸と同じくらい気候の温暖なところでした。

私たちが訪ねた時は、ゲーム~アニメの薄桜鬼とのコラボレーション展をしていて、幕末の英雄たちの刀を展示していました。

今若い人たちの間で刀が人気あると息子から聞いて驚きましたが、たしかに若い女性のお客様が次々と博物館を訪れていました。

刀の歴史的な価値にも惹かれますが、それよりも刀身の形や光りなどの美しさに惹かれました。

ペン先もこのように美しく仕上げるように心掛けたいと思いました。

刀剣博物館を訪れたいと思ってのは、自分がしている仕事のひとつペン先調整は刀を磨き上げることと感覚的に近いのではないかと思ったからです。

仕事をしていて、それが必要か必要でないかを抜きにペン先をルーペで見た時に、美しいと思えるようにすることに一番興味を持っていて、これからも追究していきたいと思っています。


長船から少し足を伸ばすと岡山市内です。

岡山は大学生の時から何度も訪れている大好きな街。

何か目的があるわけではないですが、岡山の街の雰囲気を感じることが好きでよく訪れています。

城下町ということなのか、姫路と少し似ているところもあるけれど、岡山には路面電車が走っていて、それがこの街の特長のひとつになっている。

チェコに行った時、プラハにはトラムが走っていて、気軽に乗ることができました。

どこに向かうか分かりやすいからなのか、旅行者でも気軽に乗れるというのが路面電車の特長だと思います。

岡山駅前に車を止めたまま、路面電車に乗って柳川電停前にあるジャパンブルージーンズの直営店に行きました。

実は岡山行きの目的のひとつはこの店を訪ねることでした。

ここも以前から行きたいと思っていたお店で、買い物を大いに楽しみ、直営店限定販売のモデルのデニムパンツとデニムベストを買いました。

岡山県は見所が多い。神戸から車でも2時間くらいの距離なので、気軽に行くことができます。

3人ではないかもしれないけれど、きっとまた1年以内に岡山のどこかを訪れていると思います。

 


休暇

2016-09-04 | 実生活


備前長船の刀剣博物館にて。

 

5日間の夏季休暇は、特に旅行の計画はないと言いながら、宮津、奈良、岡山へ日帰りで出掛けて、それなりに充実した時間を過ごすことができました。

休みは良い仕事をするためにあるものだと、若い頃から思っていました。

休みの日にしかすることができない文章を書くという仕事をする前からそれは思っていて、休みの日は仕事のヒントを探すということと、良いサービスに触れることがやるべきことだと思ってきました。

自分の仕事と直接関係のないお店に入っても、参考にできるものを見出すことはできるし、反面教師であってもそうならないようにするためにはどうしたらいいかを考える機会になります。

これから世の中はどのようになって行くのだろうと考えて、自分の仕事の方策に盛り込むと考えると、そこらじゅうに見ないといけないものがある。

このブログを書くことも立派な仕事だと思っているけれど、ブログを書くようになって、夕方洗車をしていてふと感じた秋の気配さえもネタになります。

仕事のヒントを探すと言っても、何かを探しているとしか言いようがなく、自分でも分かっていないけれど、仕事の時と違う環境にいて、何らかの刺激を受けて、これだと思うものが自分の頭の中に生まれることを期待していることが、ヒントを探す行為なのかもしれません。

若い頃、良いサービス(接客)とは、高級店のようなところでしか受けられないものだと思っていました。そういうところでこそ、一流のサービスを受けることができると言われてきました。
しかし、良いサービスとは扱っているものが高級かどうかと関係がないと思うようになってきました。

齢をとったからそう思うようになったのかもしれないけれど、良いサービスとは型にはまったものではなく、顧客が構えたりする必要がなく、心地良いと思えるもので、それは顧客によって変わるものだと思っています。

ある程度の距離感を保って、求められていることを察知することが良いサービスの第一段階だと思っているけれど、これは高度なセンスのいるもので、当店もまだまだできていないけれど。

うっとおしく、くどくならず、冷たく、画一的にならないサービスをするには、日頃からセンスを磨いておかないといけない。

サービスとは、独立したものではなく、それだけでは成り立たない。それはそのお店が提供する商品を引き立てる、付加価値のようなものです。

しかし、付加価値のないものは売れなくなっていて、あって当たり前のものだと店の人間は覚えておかないといけない。


休日に経験した、気持ちいいと思ったサービスを忘れず、自分の店のサービスを良くするために、そして自分でも分からないものを探して、私はもっといろんなところに遊びに行きたいと思っています。