谷崎潤一郎賞も受賞している作品。ゆっくりと流れる恋模様というらしい。
主役で登場するのは、ツキコさんとセンセイ(松本春綱)。年齢は37、8歳の女性と70歳の男性。犯罪的だ。さらにセンセイはとっくに先生を辞めているが、高校の国語教師の時の教え子がツキコさん。さらに犯罪的だ。
ふとしたきっかけで20年ぶりに再会した二人は、行きつけの居酒屋の飲み友達の関係から、少しずつ近づいていく。
こういう小説の常套手段だが、ツキコさんには同級生男子が近付いてくるし、センセイの方には元同僚の女性教師が近づいて来る。さらにセンセイの元妻は男性と出奔した後、全国を放浪し、とある島で、交通事故で亡くなっていた。こともあろうにセンセイはツキコさんと一緒に島の墓地へ墓参りに行く。
こうなると、ハラハラするのは当事者の二人だけでなく、読者の方になる。このまま、ツキコさんが癇癪を起こして二人の関係を永久に消滅させてしまうと、まったくつまらない小説となる。
小説の読み方は人さまざまだが、読者の希望としては。一番人気は二人で反社会的行為を働き刑務所行きとか、立て籠もって爆死するとか、いわゆる「明日に向かって撃て」のようなコースだろうか。二番人気は、お互いに誤解が始まって、仲違い方向に進むが、結局、誤解は解けるのだが運命の悪戯で双方ともに悲劇が訪れる「ロメオとジュリエット」コース。三番人気は「このまま恋が成就して二軒分の住宅費が一軒分に合理化される」コース。
心の動きを書くというのが上手いのは夏目漱石を代表とするのだろうが、川上弘美氏もなかなかのものかもしれない。
二人の関係は、おおむね三番人気のコースにしたがって進むのだが、新たな関係はセンセイにとって体力を酷使するものだったのかもしれず、愛用の鞄がツキコさんへの遺品として残されることになり小説は完結する。
しかし、その時にツキコさんはまだ40代の前半。中途半端の関係になったままの同級生男子の携帯電話番号を連絡帳で探すことになりそうである。
主役で登場するのは、ツキコさんとセンセイ(松本春綱)。年齢は37、8歳の女性と70歳の男性。犯罪的だ。さらにセンセイはとっくに先生を辞めているが、高校の国語教師の時の教え子がツキコさん。さらに犯罪的だ。
ふとしたきっかけで20年ぶりに再会した二人は、行きつけの居酒屋の飲み友達の関係から、少しずつ近づいていく。
こういう小説の常套手段だが、ツキコさんには同級生男子が近付いてくるし、センセイの方には元同僚の女性教師が近づいて来る。さらにセンセイの元妻は男性と出奔した後、全国を放浪し、とある島で、交通事故で亡くなっていた。こともあろうにセンセイはツキコさんと一緒に島の墓地へ墓参りに行く。
こうなると、ハラハラするのは当事者の二人だけでなく、読者の方になる。このまま、ツキコさんが癇癪を起こして二人の関係を永久に消滅させてしまうと、まったくつまらない小説となる。
小説の読み方は人さまざまだが、読者の希望としては。一番人気は二人で反社会的行為を働き刑務所行きとか、立て籠もって爆死するとか、いわゆる「明日に向かって撃て」のようなコースだろうか。二番人気は、お互いに誤解が始まって、仲違い方向に進むが、結局、誤解は解けるのだが運命の悪戯で双方ともに悲劇が訪れる「ロメオとジュリエット」コース。三番人気は「このまま恋が成就して二軒分の住宅費が一軒分に合理化される」コース。
心の動きを書くというのが上手いのは夏目漱石を代表とするのだろうが、川上弘美氏もなかなかのものかもしれない。
二人の関係は、おおむね三番人気のコースにしたがって進むのだが、新たな関係はセンセイにとって体力を酷使するものだったのかもしれず、愛用の鞄がツキコさんへの遺品として残されることになり小説は完結する。
しかし、その時にツキコさんはまだ40代の前半。中途半端の関係になったままの同級生男子の携帯電話番号を連絡帳で探すことになりそうである。
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