その距離5mの女

2008-02-14 00:00:07 | 市民A
本当は、毎日の仕事が終われば、さっさと自宅に戻って、趣味のブログ書きでもしたいのだが、一応、年商数百億円の三流会社の部長などやっていると、つきあいとかあり、安酒場にいくことがある。そして、「じゃあ、またよろしく。」のあと、自宅へ帰る電車の中のこと。

ふだん使っている東急田園都市線(最初は半蔵門線)は、都心から二子玉川までが地下。その先が地上である。かなり満員状態だったので、電車の乗って、すぐに立っていたのだが、何気なくガラスに反射して5メートル先の隣のドア付近を見ると、ある見知らぬ女性と視線が合ってしまった。0.1秒くらいか。しかし、視線が合ったというだけではなく、もっと脳の中まで視線が届いたような嫌な病疾的な感じがあった。

もちろん、知らない人とガラスに反射した視線が合ったというだけでは、何もないはずで、そのまま、読みかけの「江戸管理社会反骨者列伝」なる文庫本を読みふける。大久保長安、堀主水、丸橋忠弥など非業の死を遂げた話が次々と無神経に並べられている。そして、ふと窓ガラスを見ると・・・

先ほどの女性の視線が、レーザービームのように私を捕らえているわけだ。さっきから30分たっているのに・・。実際、そういう異常な視線を浴びると、怖い。あらかじめ言っておくが、『その女性は、私の小学校の時の同級生であった』ということではまったくない、見覚えのない人物。

何気なく視線をはずす。そして郊外のひなびたある駅で降り、曲がりくねった道をとぼとぼ歩いて自宅へ向かう途中、私とまったく同じリズムの足音を背後に聞く。

何気なく振り返ると、10メートルの距離に、その女性がいることを確認。


実際、一昔前なら、別に気にすることもなかっただろう。一応、格闘技の何種類かは経験があるし、護身術だって知っている(教えてくれた先生は、後に婦女暴行で逮捕される)。しかし、現代は不確実性の時代。いずれの方法も飛び道具には無力だし、刃物類に対しても自信はない。なんとか、まいてしまいたい。

そして、ある大きなお屋敷の角を曲がる時に、開放型の車庫の中に隠れてしまったのだ。

しかし、こちらの足音が消えれば、追っ手の足音も消える。ここを我慢と息を詰める。かれこれ10分。こういうシチュエーション、今まで何度かあったわけだ。まあ、作戦成功。


ところで、妙な人が増えているといえば、先日、朝の通勤の時に、駅に向かう途中、歩道を猛スピードで歩くオジサンに追い抜かれた。どうってことない話なのだが、私を追い抜いていったオジサンは本を読みながら歩いているわけだ(二宮金次郎風)。オジサンらしく目と本の距離を長くとるため、駅弁ポーズで腰の位置で両手で本を拡げて読みながら歩いているのだが、きわめて違和感があるのはある理由からだ。

その時、雨がバシバシと降っていたのだ。

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