つくられた縄文時代(山田康弘著)

2024-04-23 00:00:08 | 書評
『つくられた縄文時代(山田康弘著)』は2015年の発行。約10年前。縄文時代論のさきがけの様な本と言えるかもしれない。


縄文時代の名前の由来は、縄文式土器にある。世界を見渡すと、土器文明というのはレアで、普通は石器時代の中に含まれるそうだ。石器時代となると文明もなく火打石で火をおこし、いのししの肉を食べるイメージだが、縄文時代というのも、それほど生きにくい世界ではなかったのではないだろうか。

日本の縄文時代の生活や社会構造について、本書では詳しい。発掘される住宅の広さから言うと一軒に5人位が最大だったらしい。つまり家族。そして建物が数軒しかない部落や集団で生活している部落もあり千差万別といったところだ。

意外に思ったのが関東の縄文時代と関西の縄文時代の差。

東日本の縄文時代の方がコロニーが大きく、西日本の方は、場合によっては一軒単独住宅もある。

縄文時代のことについて、書いてあることは大部分理解できるが、それではどういう時代なのか。その世界を頭の中に復元することは難しい。もうよくわからないのだろうと思う。

ところで、あとがきを読むと、著者は鶴見川の周辺に居を構えていることがわかった。となると、広めにいえば私の住所とあまり離れていないことになる。著者は縄文時代がご専門ということだが、このあたりの古代の謎は弥生時代の初期の遺跡が皆無らしいこと。海の底だったのだろうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿