思えば様子が変だった株主総会

2017-10-26 00:00:21 | 市民A
N自動車の手抜き検査の件だが、内部告発だったという話が流れている。また、発表された後も同様の手続きで出荷されていたというどうもよくわからない話だ。課長クラスと係長クラスの間のコミュニケーションが悪いということがあるようだが、誰だって発覚後にそのままやったら問題があることぐらいわかるわけだろう。

ということで、思い起こせば今年の華やかな株主総会の場で、従業員の一人が株主質問をしたときの妙な感じが蘇ってきた。従業員の一人(株主)が年休を取得してわざわざ総会でゴーン会長に質問したことは、

1. ルノーの子会社として日産社員をノルマで追い詰めるのは止めてほしい。

2. ガソリンエンジン車の研究はあまりしていないが、日産はガソリン車をやめるのだろうか。是非、今後も開発してほしい。

という2点だった。

これに対し、ゴーン会長は、「子会社扱いしていない。ルノー、日産、三菱の三社はそれぞれの独立した会社である。ガソリン車ではトヨタに大きく後れを取っているので、世界一になるには電気自動車に向かうのは当然で、テスラよりもすでに電気自動車の生産台数は上だ」という回答だった。

ただ、聞いていて感じたのは、「ノルマがきつい」という部分への回答はなかったので、それでいいのかということと、電気自動車への傾倒について、そういう世界一戦略があるのなら、なぜ従業員までそういう戦略(あるいは目標)を伝えないのかという疑問だった。

とはいえ、会場の株主のほとんどは、社員や子会社や系列ディーラーを絞り上げ、仕入れ先や銀行金利を叩き、利益を積み上げてもらってから、株主配当を増やして株価も上昇を期待するという自己中心的な考えなので、なんとなく気まずい空気が漂ったわけだ。


まあ、実際に出荷前の検査は重要なのだが、そこで不具合が見つかると、完成自動車そのものが無駄になる可能性があるため、途中段階では何度も検査しているので、まあお手軽検査でも大丈夫だろうという現場判断だったのだろう。

数十年前には完成車を一台ずつ船積するときに、アルバイトのドライバーが船積のための走行中に急ブレーキのテストしていたとも聞いていたのだが、今回はそれよりもずっと安全なのではないだろうか。