白いさつまいも、きびだんご

2011-02-10 00:00:46 | あじ
さつまいもと言っても鹿児島の話じゃなく、岡山の話。



先日、岡山駅の売店で、時間切迫の中で、あわてて買ったもの。店頭で試食したマドレーヌ風の「白いさつまいも製」の手土産を買ったのだが、「上下を変えないで下さい」と言われたので、慎重に持ち帰って、箱を開けると・・

全然、マドレーヌ状ではないものが現れる。見かけは白い赤福。たぶん、試食した土産の隣の山から買ってしまったのだろう。

白い団子の上に、白い芋餡が塗られている。「白福」と名付けたいが、それではギャグ食品となる。岡山県の農家が白いサツマイモ栽培に情熱を燃やしているのだろう。味は見かけから想像する通り。

そして、問題は、餡の下に隠れた団子。

どうも、食感は、岡山名物「きびだんご」。もちもち感がありながら、前歯で噛み切れる微妙な固さと弾力性である。

が、

ほんの若干、味が違うのである。

つまり、黍(きび)の味がしないわけだ。まあ、当然というか、それでは芋黍団子になって主役があいまいになってしまうのだろう。黍抜きの団子と白芋ということになる。

ところが、

ここで新たな問題が頭に浮かんだわけだ。

そもそも、きびだんごというのは、黍団子なのだろうかということ。岡山の古来の名前は「吉備の国」ではないだろうか。吉備団子なのではないだろうか。

そこで、色々と調べ始めたのだが、こんなに簡単な問題が、簡単にはわからないわけだ。しかも、誰もたいして気にしていないようなのだ。さらに、きび団子といえば、桃太郎ということだが、桃太郎のモデルの一人と言われる吉備津彦命を祀った吉備津神社が岡山県にあるが、伝承として、吉備津彦命の家来には犬養という一族がいたそうで、515事件の犠牲になった犬養毅は、その末裔ということだそうだ。鬼の怨念。

いままで、桃太郎伝説は、単に、半島からきて在来日本人を東北地方に追放したり、瀬戸内海の島に立て篭もって抵抗した先住民を殺戮した一種の凱旋記だろうと思っていたのだが、さっぱりわからなくなる。

黍団子なのか吉備団子なのか?桃太郎とその家来の役回りは?グルグルと堂々巡りの愚念が渦巻くのである。