すべての希望が地上に現れた後は、

2010-10-14 00:00:17 | 市民A
チリの銅鉱山の落盤事故から2ヶ月と少し経過し、地下700メートルから33名の鉱山労働者の地上への救出が始まった。地上のテント村は「エスペランセ(希望)」と名付けられ、また、地上に残された妻の一人が出産し、娘にエスペランセと名付けた。

救助された者は、まず、家族等の「1名のみ」と面会し、その後、ヘリで50キロ離れた病院に運ばれ、最低2日間、入院することになっている。

弊9月14日号「次の非常事態」で紹介した。ヨニ・バリオスさん(50)は、地上に56歳の妻マルタ・サルナスさん(56)と愛人のスサーナ・ヴァレンズエラさん(年齢不詳)が待っていて地上戦を展開していたのだが、どちらが「1名のみ」の面会権を手にしたのだろうか。

不確かな情報だが、救出順番は33名中21番目らしい。推定時刻は現地時間で14日午前0時頃か。日本時間は14日正午頃。私の推測では、面会権1名枠は妻が獲得したとして、ヘリで病院へ搬送された後、そこで直ちに、愛人と脱走、ということになるのではないだろうか。すでに映画化が決まっているようなので、何か、そういう小ネタがあると都合がいいわけだ。

ところで、地下に残されている希望(エスペランセ)から連想できるのが、ギリシア神話の「パンドラの箱」。天上界から火を盗んで人間に与えたプロメテウスと人間たちを懲らしめるためにゼウスがプロメテウスに届けたのが「パンドラの箱」。翻訳者の誤りで、本当は箱ではなく壺だった。運悪く、プロメテウスが留守の間に宅急便で壺が届いたため、注意散漫な弟であるエピメテウスが壺の蓋をあけてしまう。

そうすると、戦争や犯罪や好色や病気といった、ありとあらゆる邪悪が、一瞬にして壺から噴き出して、人間界にふりそそいだわけだ。そして、あわてて蓋をした時に、唯一、壺の底に残っていたのは、「希望」だったわけだ。

パンドラの呪いが解けるということだろうか。