まもなく始まる(2)

2010-10-05 00:00:01 | 映画・演劇・Video
まもなく始まる、の第二弾は、映画「レオニー」。

聞いたことがない人のために書くと、世界的造形芸術化のイサム・ノグチの母である。あるいは、詩人ヨネ・ノグチの夫。レオニー・ギルモアのこともイサム・ノグチのこともヨネ・ノグチのことも知らない人は、弊「イサム・ノグチ少年にこだわる(中)」などに詳しいが、たまたま、19世紀と20世紀の継ぎ目の頃に、海外に飛び出した日本人野口米次郎がたどたどしい英語で書いた詩が米国詩壇で話題になり、ジャーナリスト志望の年上の才媛であるレオニーと知り合う。

この後、俗に落ちるのだが、ヨネは結婚の空手形を切ってレオニーを妊娠させるが、一方で別の美人ジャーナリストに言い寄るものも、レオニーとの関係がばれて破たん。さらに、こどもが産まれる直前に、日本に逃げ帰ってしまうわけだ。

reony

結局、レオニーは一人で男子を産むが、当時の保守的な米国では東洋系の混血を社会で受け入れる寛容さはなく、母子は海を渡って日本に来るのだが、そこには既に別の女性と結婚したヨネがいたわけだ。

実際のイサム・ノグチ伝は、その後、レオニーの「愛と涙の子育て物語」になるのだが、今回の映画がどこで終わるのかはよくわからない。

結局、母子は一旦、日米に離別することになったりして、イサムが世界に飛び立ち始めた頃、レオニーはニューヨークの病院で亡くなる。

その後、世界を代表する彫刻家となってから、再度イサムは来日し、大女優山口淑子と結婚し、離婚。最後は母の亡くなった病院のすぐ近くの病院で人生を終える。

今回の映画の監督は、松井久子氏。どうも女性が創るので、米次郎の身勝手さを強調したのではないかと推測。どうも女性の敵みたいな男だったのは事実で、伝記の多くは女性作家が敵意を持って書いている。まあ、映画だからどうでもいいが。

キャスト的な問題点は、実物のレオニーやヨネよりもブサイクな役者が演じていることで、特に米次郎役の中村獅童って大根だったんじゃないかとか、大きな懸念あり。