カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

終わらない夏

2013-08-17 | 雑記

 今年の夏は暑い。これはもう事実として暑い。いやになるほど暑いわけだが、これが人と会うたび適当な挨拶になる。みな暑いのは一緒だから、暑い暑いと言って会話になる。誰それが具合が悪くなった、先日はめまいがして危なかった、熱中症になったかと思った、それぞれの暑さのせいでひどい目にあったことを自慢しあう。これが面白いのかどうかというと、面白がっているわけではなかろう。それでもすさまじくひどい体験をしたというのは、人に伝えたくなる情報ということなのであろう。
 日中に外出するにはまったく話にならないほどの暑さだ。そんなことをするような人間は酔狂にもほどがある。しかしながら夏だといっても、人というのはやはり日中に会うというような約束がある。会議室に冷房があればそれなりに安楽だけれど、そういう部屋に入る前が難儀である。階段を登ってたどり着くような場所もある。座る前に汗を拭いて、肌についたシャツをバタバタする。挨拶をかわしながらそういう動作が忙しい。節電もあるからなかなか冷房を強められない事情もあるらしい。しかしたまに冷房が効きすぎると、今度はなんだか調子が狂う。寒いんだか暑いんだかよく分からない。女性などが混ざる会では、話し合いの途中で冷房を弱めてくれという声が上がる。ひざ掛けを準備しているご婦人もいる。温度の適温というのは個人差が大きいようだ。また、座る場所によって風の当たり具合にも違いがあるのだろう。
 温められたり冷やされたりすると、それだけで疲れるらしい。やっと家に帰ってビールを飲むと、なるほどしあわせな美味しさである。それは確かに幸福なのだが、やはり疲れのせいなのか、焼酎に替わるころにはもう眠くなってくる。頑張って飲んでいるが、つい横になってしまう。テレビを見ているつもりでウトウトしている。映画ならば何度も同じ場面を戻してみている。あきらめて寝てしまったらもう朝だ。朝といってもすぐに暑い。
 今年は夏が終わらないという噂がある。もちろんそんなことはあるまいが、盆も過ぎたが勢いが衰えていない。まったく今日も暑いの話題は尽きないのである。
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音楽家はつらいよ   黒のエチュード・刑事コロンボ

2013-08-17 | コロンボ

黒のエチュード・刑事コロンボ/ニコラス・コラサント監督

 犯人役のジョン・カサベテスは、リアルでもピーター・フォークの親友ということで、まさに友情出演。骨のある演出をする監督さんの演技やいかに、という感じはするが、嫌な犯人役を好演していると思います。まあ、こんなもんか、という程度だけど。
 車の修理トリックなど大仰なものと、胸に刺した花という小道具を取り繕うことによる齟齬があって、犯人は自ら罠にはまっていくという感じもする。彼のおかれている背景もそれなりに分かるようになっており、大きなリスクがありながら殺人に至る動機も理解できるような気がする。人間の地位を確保しようとするあさましい心情というのは、本当に恐ろしいものがありそうである。
 音楽家は優雅な雰囲気を持っている事とは裏腹に、やはり食っていくにはそれなりに大変だということはいまだによく聞く事である。エンターティメントに対してそれなりに上手く行きそうなアメリカでさえ、やはりパトロン無しにこのような芸術とは育ちえないのかもしれない。本人にもある程度の実力がありそうでありながら、そういう資金源を身家(自分のカミサンの家族)から確保せざるを得ないという立場が、結果的に破滅の構図になっているということである。音楽家を志すことは、本当に一握りの優れたタレント性で生きるか、パトロンをつけるか、別の本業や副業で食いつなぎながらやっていくか、などの限られた選択肢くらいしか無いのかもしれない。
 さらにこの人は浮気相手が邪魔になったということもある。音楽家は実際モテそうな感じもあるから、実際にモテたとしても、実行に移すのがあんがいリスキーだということかもしれない(まあ、ほかでもリスキーではある訳だが)。このあたりが実業家よりも浮気が破滅の原因となりやすくなると言えるかもしれない。モテるのにそのモテている状況を利用できないとしたら、それなりに不幸な精神状況と言えないだろうか。もちろん彼は自分に忠実であったわけだが、そのために破綻する。音楽家はつらい立場の人たちかもしれないな、と思わせられるお話なのであった。
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