単純なようだけど、忘れちゃいけないようなことは、赤ペンで書くと忘れにくくなるという。おそらくこれは、ふだんは黒で書くのに、重要だから赤に変えたという特殊性もあるし、やはり赤という色と、重要というサインとの結びつきが、それなりに強固に実感を伴うためであると考えられる。
実際に色と感情というのは、かなり強力に左右されるようだ。陶器なども青っぽいと冷たさを感じるし、肉の赤などは、それだけで食欲が増進したりする。
自分なりに気に入った色で何かを飾ると、それだけで気分が高揚するというのは、だから理にかなったことかもしれない。何もかも、それらしい色にすることは無いとは思うが、特に勝負事などには、色でそれなりに結果に違いが出てしまうかもしれない。
僕は三色ボールペンが好きで常用しているけど、インクの色が均一に無くなるように、三色均一に使うようなことをしていることがある。自分で使うノートに何色で書くかなんて自由だから、特に重要でなくても赤で書いたりする。でも時々困るのは、何が重要だったか、ノートを見返して分からなくなることがあることだ。もともと書いた字が読めないということもあるのに、さらに何が重要なのかもわからないなんて、なんとなく損なような気がして、普通に黒を多く使うように習慣を改めた。そうして数か月たつのだけれど、黒で書いた文字が多いと、やはり青や赤はそれなりに目立つ。そうしてやはり重要なのは赤が多くて、ちょっとした疑問や気付きなどが青になっていることが多くなった。これは最初から自分でルール化したことでは無かったけど、自然にそういう書き分けをしているということのようだった。感情が色であらわされるようになったということだろうか。
でもまあ残念ながら、赤で書いたところで、忘れることは忘れる。こればっかりは基本的な記憶力の弱さということなのかもしれない。