これまでさんざん佐賀を馬鹿にしてきたわけだが、そういうことは普通のことだからすいません。でもですね、僕は実は佐賀のことはやはり嫌いではないのである。あんまり積極性は見られないかもしれないけど、佐賀というのはそれなりに偉大なところいう印象はある。
単純に長崎と比べた印象では、あんがい佐賀には偉人が多いのではないかという感じがある。大隈重信の存在も大きいが、全部は知らないにせよ、佐賀の七賢人といわれる偉い人を輩出している。長崎にもたぶん偉い人はいるが、スケール感で負けていると思う。
田舎の人は芸能人の出身ということで暗に自慢するというケースがあるが、これは別に出身であっても育ちが違ったり、そもそも活躍の場がここではないという悲しさがあって、やめた方がいいようにも思ったりする。で、佐賀も長崎も同じように少ないが全国区の人はいる。長崎だと三輪明宏が偉大だが、佐賀には江頭2:50という布陣で遜色はない。
スポーツの世界だと、なぜか普段はそんなに強くないくせに高校野球では佐賀は二度全国制覇している。佐賀の知人に聞くと、二度ともまぐれだったがゆえにすごい、と言っていた。認識もすごいが、本当ならさらにすごいことだ。
長崎ならサッカーなのだが、なんだかもう強かった、という表現になりつつあって悲しい。
佐賀の特産品の話になると少し長崎より地味に感じられることが多いのだが、しかし当然有名なものはそれなりにある。佐賀の肉は旨いし、ここをルーツにした牛も多い。呼子のイカも有名だし、魚介類のほとんどは福岡に出す(これは長崎も同じだ)のだろうけれど、なかなかの産地であることに変わりはない。海苔もとれるし、少ないがタイラギのようなものもある。竹崎のカニという手もある。みやげ物で、菓子類が弱いと感じるが、まあ、羊羹など無いではない。コメどころなので、当然酒も旨い。近くにそういう場所がある恩恵でいえば個人的にもありがたい。お茶も有名だし、イチゴやミカンもあんがい旨い。僕が市場などで仕入れるときに値段にも感心するが、玉ねぎに関しては少しランクが違う。たぶん有名だとも思う。
また、やはり焼き物の里としては有田をはじめとする全国区である。間違いなく歴史的にも伝統が深く、内容も一流である。
長崎のような派手さや観光客が寄るようなところが少ないということはあるのだが、やはりそれなりの多様性もあるし、豊かなところであるというのは間違いがない。これは印象的なことで正確には知らないが、長崎より蔵のある古い建物が多いようにも感じられる。もちろん古いものが残っているのは戦災の影響もあるから、長崎に無いのは仕方のないことかもしれないが…。