定額給付金が馬鹿げた政策であることは論をまたないわけだが、実行されることは決定したのだから、使い道を考えるということの方が重要になったとシフトして考えるべきではないか。どうせ沈没するのだから、船の上で宴会でもやろうじゃないか、という理屈にはすぎないが…。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090126-OYT1T01013.htm
笑ってしまうにしろ、これは一番ふさわしい使われ方に感じないでもないところがツボではある。
しかし僕は医師会だって圧力団体(彼らの立場ではやっていいとは認めるが)だということを考えると、将来的な国民のためにはならないような気がするので、必ずしもこのような形で賛同はしていない。
前にも書いたが、ホリエモンのような人がファンドとして集めて運用するというのが一番合理的だとは思う。経済的にはそのような選択と集中こそ効率よく伸びると考えられるからだ。もちろんこの給付金が経済政策だと素直に認めるならば、ということに対する正しい使われ方としてである。
しかし、やはり給付金を手にした人がどうするかという行動は、貯金と答える人が多いことからも分かるように、素直に消費に回されることは少ないのかもしれない。この機会に家電や車の買い替えなどと、でかい気持ちにならないという意味であろう。しかし、仮にそうであっても、貯金額が少しでも増えるというのは、家計的には余裕を生むことになるので、財布の紐が緩くなりやすいということは言えるだろう。銀行預金が増えることで、銀行の融資が緩むことがあるとすれば、中小企業にも吉と出る可能性はある。
当初の目的対象である低所得層は、もともと所得税を納めていないので給付金になったことを理解しているし、もらえることを素直に喜ぶとすれば給付金はきちんと消費に使われるだろう。しかし低所得層は日本の多数ではないし、将来の税金の納付も見込めないことから、その分日本の財政は早く危機的になるということにもつながりそうで、なんだか暗くなってきた。
給付金への怒りがおさまらない人向けには、寄付先の案内を手掛けることなども必要になってくるかもしれない。せっかくだから一番必要とされているようなところで有効に使ってもらいたいという人が、それなりに存在することは間違いあるまい。しかしくれぐれも詐欺にご注意ということも含めて、寄付しっぱなしで自己満足になっても有害とは言える。
英国Amazonでのお買い物が危険すぎる
http://www.excite.co.jp/News/column/20090128/Getnews_4200.html
という記事にもあるとおり、円高を活かして英国や韓国の商品を買いまくるという方法もある。しかしこれは個人にとってハッピーにしろ、結果的に日本のためにはならないところがチト苦しい。まあ、僕は正直にいって心動かされたけれど…。
給付金をこんなことに使いました、という報告会をするのも案外効果的かもしれない。へえ、あなたはそうしたの、とか俺だったらこうするよ、というような日本人的な相乗効果が見込めるかもしれない。マスコミが自民降ろしにうつつを抜かしているにせよ、節操は無いのだからできそうなものである。スポンサーだって自分のところで有効に楽しんで使ってくれ、というのは本音でもあろう。内需というのは気分で相当な動きが見込めるので、一大キャンペーンで浪費が美徳になれば、しめたものだ。まあ、品格はないのであるが…。
日本の金持ちである高齢者の心を打つような使い道があれば、少しは効果が見込めるかもしれない。とげぬき地蔵ツアーとかポックリ名所大宴会とか…。うーん、お馬鹿なアイデアしか思い浮かばないが、とにかく何でもいいから心を打つような使い道が見つかると、定額給付金が活きてこよう。
ばらまかれたものを使うことに抵抗を感じる(それも将来とられる自分の金だし)のは人間的に正直かもしれないが、もらったものを楽しく使うのは精神衛生上悪いことではない。それももらえることが決定した今となっては、使うことに専念することで少しでも日本のためになるというような変な状況を楽しむことも必要だろう。そしてそのことで選挙に影響があるとしたら買収されたことになるということを理解してさえいれば、少しは日本にとってプラスになったといえるだろう。
追伸: そういえば以前「マネーの虎」というような番組があった。ああいう方式で資金を欲しい人を公開で審査して投資するという方法があってもいいかもしれない。何しろ使い道の分からないと考えている資金は、給付金によって我々の手にもたらされたのだ。もちろん上手くいかないかもしれない。しかし一種の投資なのだから、これは効果が見込めそうだ。