カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

雲仙紀行

2020-01-31 | 散歩
 今回は丙午会懇親会。なんで僕がこの会会員なのかはちょっと秘密ですが、U郷ちゃんだっているので、それでいいのだ。何を言っているのか不明でしょうけど、それでもお話は続けてしまいます。
 僕らは先発組で先にきてまして、露天風呂に入って先にビール飲んでました。
 後発組は仕事なんで仕方ないことですが、まだまだ遅れるということで、もうやっぱり先に食って飲んでおくことになりました。


 小雨は降っているようでしたが、外は暗いだけでなく、霧も出ていたようで、道を間違ってしまったらしい。いわゆるプチ遭難してたそうです。
 19時半ごろにやっと合流して飲み続けましたよ。もう大盛り上がり。その後も部屋飲みでかっぱえびせんとかつまみにして飲んでました。カップ麺食ったような気も…。いかんですね、いかんです。






 これは朝ごはん。旅館らしいビュッフェだが、僕らが食堂に来たと同時に爆発的に客が増えた。僕らが食堂に来たのは7時50分頃で、おそらくだが、多くの宿泊の皆さんが8時をめどに食事をしようとしたと考えられる。こんなに泊ってる人がいたんだな、と驚いてしまいました。まあ、商売繁盛はいいことですけどね。


 その後朝風呂隊などと別れ、僕はブログとかなぞなぞ出題とか忙しくしてました。ほんとはゴロゴロしてただけですが…。
 さて、そのまま帰るのではなく、何とビードロ美術館というところで、ステンドグラス風写真立てづくりをしたのです。中年オヤジが6人そろってやることですか! って、当人たちが一番感じてたはずだけど、楽しく工作いたしました。





 出来上がりはこんな感じになりました。僕はめんどくさいのと、不器用さもあって、曲線がない型紙を選んだのです。僕なりに悪戦苦闘しましたが、何とかなって満足です。作っている間も結構楽しかったんですよね。こういうのは案外いい体験型の遊びではないでしょうか。


 もういつの間にか昼時は過ぎていて、さて昼飯どうすっかな、ということになりました。小浜に下ってちゃんぽんという手もあったんですが、甲殻類アレルギーの方がいるということで断念。何しろ海鮮ちゃんぽんが売りですからね、小浜は。
 すぐ近所にいい雰囲気のところがあるってんで、そのまま歩いてたどり着いたところは…。


 雲仙観光ホテルでした。ここは昭和10年からということで、すでに85年の歴史のある日本にある有数の洋風建築であるということでした。いやまあ、それは素晴らしいものですよ。圧巻でかっこよくて僕は感激いたしました。
 泊るのはお金をためてからということで、今回はとにかく食事をいただくことになったのです。


 食事も素晴らしかったですよ。まあ、それなりのお値段かもしれませんが、これはもうそうだろうな、と思います。博物館や美術館には入場料が必要ですから、さらに時間をどう過ごすということにも料金は発生するでしょう。ともかく、そういう料金なんじゃないかな、と妙に納得できる場所と食事でありました。






 近くのトイレは改装中ということで、長い廊下を伝ってトイレに行きました。しかしこれがまたなかなか素晴らしいのでした。図書館なんかもあるんですよね。

 そして窓から見える風景。ほとんど絵画ですよ。







 ロビーはこんな感じ。かっちょええ。


 バーだそうです。


 外観はこんな感じ。素晴らしいなあ。





 ということで、かなり贅沢な時間を楽しんで、地獄も見ていこうということになりました。




 小雨降る中、地獄のお散歩。キリシタン迫害のお話などしながら、あれはやっぱり究極のいじめなんだろうな、などと思うのでした。まあ、たまらんでしょうな。






 お湯が吹き出す場所でもいろんな音が違ってて、地球って生きてるんだな、って感じでしょうか。






 温泉猫。猫おじさんも追いかけて激写されておりました。


 温泉卵もいただきました。ありがとうございました。


 ニュースにもなってたらしいんですが、噴気が広がって陥没した駐車場。立ち入り禁止になってるんですが、民間ジャーナリスト・インスタ映えスポットになってました。


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まあ、善良さは分かるんだけど   ヴィンセントが教えてくれたこと

2020-01-30 | 映画

ヴィンセントが教えてくれたこと/セオドア・メルフィ監督

 酒飲みでギャンブル好きの住む老人宅の隣に、シングルマザーの少年が越してくる。学校でいじめられるような、ひ弱そうな少年である。いわゆる不良老人とこの少年が一緒に行動を共にするようになって、友情というか、まあ、そんな感じのことに発展していく物語である。
 いわゆるいい映画的な雰囲気はある。しかしながら最初に断っておくと、まあ、ありがちで、ビル・マーレイの演技も、実にそれらしくて、分かりやすい。ノレると、感動的な話なのかもしれない。
 あちらの人は、いわゆるデェケンズのクリスマスキャロル的なものが好きなのではないか。そう思わせる内容ではないか。少年の成長物語だが、不良中年も救われるのである。いわゆる社会的には底辺の人かもしれないが、根本はそんなに変りようがないかもしれないが、良心くらいはちょっとくらいはある。そういうものが分かりにくくなっているだけで、人間には根本には、そういう善良さが、美徳としてあるわけだ。そう信じたいだけかもしれないけど、人間賛歌の中に、そういう思想のようなものがあるのだろう。
 ということで、僕の考えとは違うだけのことなのだろう。面白くないわけではないが、もういいかな、と思ったのだった。
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雑司ヶ谷霊園

2020-01-29 | 散歩
 ここにはですね。樹齢700年といわれる巨木のイチョウが有名なんですよ。


 どどーん、って感じっすか。



 振り返ってみても、風情あるところですね。


 この辺りはいわゆる寺町みたいで、神社仏閣が密集しているようです。

 ここは恵比寿寺って寺だったんじゃなかろうか。


 すぐに線路があって、都電荒川線だったようです。近代的な池袋駅そばにこんなにのどかな街が広がってるんですね。


 なんか見えるな、曲がっていこう。

 清立院ってお寺だったようです。その後わきの坂道を抜けて歩いてみました。


 そしたらもう墓だらけ。あたり一帯墓だらけ。それも結構古い墓も点在している様子でした。この辺りを雑司ヶ谷霊園というそうです。まるで日暮里あたりの風景みたい。




 後で調べて知ったんですが、すぐそばに漱石の墓があったんですね。うーん、探せばよかったな、残念。


 さて、霊園抜けてすぐ行くとラーメン屋さん。大村のターキーは閉店なんだよな、寂しいな。ま、ラーメン屋さんとは何の関係もありませんが。


 蔵のある古い家もあるな。


 都内にも数少ないといわれる明治期に建てられた木造の洋館、雑司ヶ谷旧宣教師館です。見学無料でさらに素晴らしいです。


 中に入るとさすがに床がギシギシ軋む音がしたりしますが、部屋の周りを廊下が囲んでいたり、不思議な設計になってました。やっぱり文化の違いって面白いもんですね。



 このあたりの住宅街は、細い路地が曲がりくねってなかなかの風情です。


 そういう中にたまに近代的な建築が混ざってます。



 やっと表通りに出て地下鉄駅探そうかな。


 でもですね、これも方向真逆で間違ってたんですよ。歩きながら携帯見ると、時々ひどく勘違いするんですよね。おかしいと思ったら立ち止まるべきです(教訓)。


 ということで、元来た道を戻って護国寺あたりに来ました。間違わなければ護国寺も少し見ることができたと思いますが、時間切れです。飛行場まで一時間前には着きたいですもんね。


 あの奥が護国寺だろうな。


 ということで、地下鉄に乗りました。


 乗り換えは有楽町。



 帰りはJAL便でした。五十分前着。ちょうどいい。お疲れさまでした。





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池袋、カレー。

2020-01-28 | 散歩
 ということでちゃんと会議やりました。議論は白熱して時間延長。すっかり日が暮れてました。


 今日はいくとこあるんだな。


 いいところまで南北線、有楽町線で行きます。外は寒いけど電車はちょうどラッシュでありまして、ぎゅうぎゅう詰めで苦しくなって、途中一回下車して少しすいた電車に乗り換えましたよ。和光まで行って東武東上線で一駅。朝霞に参りました。なんか久しぶりだな。


 ということで、チングの岩ちゃんと合流して飲みました。ちょっと予定と遅れちゃって、すいません。いろいろあったけど、じっくり話しできてほんとによかったです。こういう話って実に久しぶりだったよな。友達も死んじゃったりしてしんみりもしたし、いわゆる病気の話なんかも結構出て、やっぱり僕らも年なんだよな~。ぼちぼち頑張りましょう。音楽の話も面白かったな。

 翌日は雨でした。チェックアウト後散歩ついでに膝折目指してみました。



 朝霞市役所。


 バーバーもありました。


 歩いてて気づかなかったのだけどラインと電話もらってて、電話したら迎えに来てもらってたみたい。改めてピザドミノ前で待ち合わせて合流いたしました。

 家でしばらくまた犬とか音楽の話して、いつの間にか昼になってて、ミーちゃんが食べたいというカレーを食べに行くことにしました。

 向かったのは池袋。


 スープカレーの店なんだそうです。


 シャンティってお店で、野菜とチキンたっぷり、なぜか岩海苔トッピングで美味しくいただきました。タイの魚醤の味がポイントかな。ごちそうさまでした。


 ここで岩ちゃんたちとは別れたんですが、飛行機まではまだちょっとあるかな。雨だけど歩いてみよう。


 駅くぐって東口のほうに出てみよう。



 出てみると、ちょっと方角がわからんな。どっちかな。



 まあ、こっちでよさそうだ。


 やってきたのは鬼子母神堂。安産の神様らしいね。





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国会議事堂廻り。憲政記念館

2020-01-27 | 散歩
 永田町方面坂道上ります。


 石垣は赤坂見附跡。


 東京女学館発祥の地らしい。


 向かいの標識にはいたずらが。


 ここは参議院議長公邸になっております。


 旧永田町小学校跡地らしい。


 右手が国会議事堂、左手が国会図書館。


 ぐるっと回ってみよう。


 左手が憲法記念館。


 ひときわは目立つ時計塔は、憲政記念館、三権分立の時計塔というそうです。ふーん。


 地味だけどきれいに整備された公園になってます。


 高台から望む皇居。



 そうしてあれが桜田門。ということは、前には警視庁。


 振り返ってみると、ちょっとかすんでますが国会議事堂であります。


 加藤清正が掘ったという桜の井。東京名水なんだそう。加藤清正邸もこのあたりにあったらしい。


 国会前の道を渡ります。



 外務省と財務省の間を行きます。


 霞ヶ関駅こえて日比谷方面。


 時間的にやっと会場に向かおうかな、と思いだしたところでした。





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虎ノ門から赤坂

2020-01-26 | 散歩
 以前は、この右手の奥の愛宕山あたりを散歩したものです。杉田玄白の墓なんかもあるんですよね。


 ここいらで昼めし食ったこともあったな。


 そういうのも、いつの間にか二十年以上前のことなんだよな。


 で、現在行きなれた場所にすぐつながってるんです。もう目的地すぐそばだな。まだ時間つぶさなくちゃ。





 赤坂方面回ってみます。



 地下鉄溜池山王あたり。


 ちょっと上って。


 また下って。


 変なホテルがあって。


 繁華街の方。




 このあたりで怪しい政治家と飲んだことあったな。
 永田町政治って、このあたりで結構いろいろあるんではないでしょうか。



 赤坂見附駅。


 紀尾井町方面。


 左がエクセルホテル東急。


 左手が青山方面です。


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飯倉、神谷町から虎ノ門

2020-01-25 | 散歩
 九州なんかではあんまり見なくなったほっかほっか亭がありました。ま、それだけなんですけどね。Tきちゃんコングロマリットなどの席巻で、我が町で見なくなっただけなんだけど、懐かしいです。オレンジが薄かったんだな。


 ちっこい神社は、伏見三寳稲荷神社というそうです。


 ここは赤羽橋ってところです。ちょっと先に確かに川があって、都市高速などがかぶさって複雑になってます。駅もあるようで交通の要衝になってる感じです。日本橋なんかもそうだけど、道路の下には地下鉄で川の上には道路という具合に東京は街を整備していった歴史があるようですね。権利の問題なんかもあるのかもしれません。一定の深さの土地は、公共の整備に使えるように法律を整備したほうがいいんじゃないでしょうかね。まあ、面倒なんで誰も手を付けないだけなんでしょうけど。


右手が芝公園。左へ行くと麻布ってかんじですか。


 このあたりは二十代に初めて一人での出張の時に道に迷ってぐるぐる歩いた経験があります。東京ってあんがい坂が多いなあ、って思ったことを思い出しましたよ。通りがこんなだったかまでは、はっきり覚えてませんが。まあ、東京タワーが見えるんでそれを中心にして適当に歩いただけのことですけどね。



 飯倉熊野神社。田舎にある熊野って言ったら、たいてい山ん中にあるんですけどね。


 飯倉の交差点。坂の上の向こうが麻布、六本木方面。


 なんか機動隊とか警官が多かったんですが、ロシア大使館なんかもあるようで、そういう方面の警備だったんでしょうかね。


 妙な黒っぽい建物に近づきます。


 霊友会釈迦殿というそうです。どういう宗教団体なんでしょうね。建物は立派です。


 屋根なし観光バス。この日は結構寒いので、頑張ってるな~って感じしました。


 奥に西久保八幡神社があるそうです。


 以前はですね。この神谷町駅そばで、ある会議が行われてたんですよ。僕は間違って反対方向に歩いて行って道に迷ったというわけです。しかし今回久しぶりに来てみて、本当に驚きました。再開発ですね。見事に以前の大きな建物が、根こそぎ変わってました。ほんとにびっくり。ここまで別のまちになってるなんて、まったく知らなかったよ(いや、遠目には工事やってんな、って知ってたんですが)。


 このあたりの狭い店で先輩と飲んだこともあったな。


 何しろ虎ノ門パストラルそのものが、まったくなくなってるんですよね。東京凄いな~。




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三田とかね

2020-01-24 | 散歩
 今回の飛行機は少し余裕のある便にしてもらいました。まあ、遅めというやつですね。トイレの関係もあるんで、僕には優しい出張です。


 でもね、ちょっとだけじゃなく、やっぱりいつもと違うんですよ。いつも通りはするんだけど、降りたことないかもしれない駅に降りてみよう、ってことで。


 降りたの三田なんですよ。厳密にいうと降りたことないことないとは思うんですが、多分二十数年前に一度来たことあるかな、って程度なんですよね。




 方向が肝心ですよね。こっちでいいんだろうか。携帯の地図アプリ見て,確認しながら歩きます。



 あったあった、これだな。この間逃げたゴーンさんがよく行っていた焼き鳥屋さんとして、スッカリ有名になったところを見たかったんですよ。ただそれだけなんですけど、もの好きなんですいません。さらに飲みにも行かないのにね。
 でも満足ですよ。ここなんだな~。


 店には入れないけど、この二階の串若です。けっこう人気店らしいですよ。繁盛していいですね。


 後で自分でも気づいたんだけど、実はラーメン二郎の本店もみようと思ってたんですよね。近いはずなんだけど、今回は知らずにパスしてしまいました。まあ、ラーメン食うつもりもないし、いいんですけどね。



 それというのも慶応大学なんですよ。学校の名前は当然知ってはいるけど、ここなんですよね(キャンパスは複数でしょうけど)。まあ、縁は全くないんですが、見るだけならいいじゃないでしょうか。親戚一同縁は今後ともなさそうだけど(それが幸せだとも思いますが)、よろしくお願いします。



 すぐ隣に神社があるんですね。まあ、雑多なところが東京の魅力ですが。


 この桜田通りは、正面にずっと東京タワーがみえるところが素晴らしいんですよね。位置関係で、タワーが道の中心の正面に立っているんですよ。




 やっぱり東京タワー美しいです。もう登ろうとは思わないけど、こういう存在は素晴らしいですよね。
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コメディ(僕が昨年見たお勧め映画5)

2020-01-23 | なんでもランキング

 おすすめ映画最後を飾るのは、コメディ作品。これが面白いと思うのも、実はそんなに共通項ではない可能性がある。でも面白いと思うんだけどな。

未成年だけどコドモじゃない/英勉監督
 原作は漫画で、映画も漫画的だ。それも少女漫画だ。気恥ずかしいけど、これが娯楽の王道ではないだろうか。

パターソン/ジム・ジャームッシュ監督
 不思議な味わいで、ジワリ来る面白さというのがある。それがこの作品だ。意味が分かるようで、実際僕が理解できているのかさえ怪しい。その怪しさも含めて、いい作品なんであります。
 
マジック・イン・ムーンライト/ウディ・アレン監督
 もうこれは、好きだから傑作だと断言してしまう作品。こういうミステリ仕立てで、しかし男女の機微を描くというのが、実際の感情として恋に落ちる様を見事に表しているのではないか。まったくウディ・アレンは素晴らしい監督であります。


 ということで、こういう作品があるからコツコツ映画は観るよりほかにありません。今年も楽しみは終わらないのです。
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セザンヌとゾラの友情   セザンヌと過ごした時間

2020-01-22 | 映画

セザンヌと過ごした時間/ダニエル・トンプソン監督

 子供のころから同じ学校に通い仲の良かった画家のセザンヌと、作家のゾラとを描いた一種の伝記映画。金持ちのセザンヌは、画家としてはなかなか芽が出ず生活も荒れていくが、ゾラの方は作家として大成功を収めていく。そういう中小説のネタが原因で仲たがいしてしまう。しかし、映画としては、その後も付き合いは続いていたとして物語が構築されていく。
 フランス人にはわがままな人が多いようだが、セザンヌのそれが、ちょっと度が過ぎている。というか、単なる癇癪持ちのようで、荒れ狂ってキャンパスを破り捨てて、ほとんどバカみたいである。そういう馬鹿なやつに対して、成功したゾラは、それなりに根気よく付き合っている。こどものころにいじめられたのを助けられたエピソードもあって、恩義を感じているのだろうか。付き合う女性もあてがわれたようだし。
 昔のヨーロッパの画家は、不遇な時代を生きた人が、有名な人でもそれなりに多いと感じる。その時代の人には理解されにくい人が、後世では大きく認められることが多いということか。もっとも絵画は、人物に対する付加価値も絵の価格に反映されるきらいがあって、要するに著名だからこそ後の成功者なのである。では最初から芸能人のような人が絵を描くのが一番のようだが、しかしそういうだけでも成功しない。絵もそれなりのものでなくちゃ、やっぱりいけないのだろう。さらに不遇だともっといいのだろう。
 ということも感じるが、それは僕が絵に興味が無いからだろう。セザンヌの絵の価値などまるで分らないが、こんな人なら成功しなくてよかったのではないかとさえ思った。まあ、偏屈おやじなんで、可哀そうなところは無いではないが、ゾラの方がなんだかもっと可哀そうではないか(成功しているけど)。
 まあしかし、伝記映画なのでそれなりの教養にはなる。少なくとも昔のフランス人は、お金持ちであってもちょっと野蛮である。もっとも今のフランス人さえ正確には知らないので、比較できるものかどうかは分からない。女の人は昔から強いというのは変わらないような気もするのだが…。
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もう脱げない絶望感   もうぬげない

2020-01-21 | 読書

もうぬげない/ヨシタケシンスケ著(ブロンズ新社)

 子供向け絵本。著者をテレビで見て、面白い人だな、と思って購入。この人の絵本は、様々な国でも翻訳出版されているという。もちろん日本でも絶大な人気を誇っているようだ。知らない方面のお話とはいえ、凄いです。
 題名の通り、子供が風呂にはいれと言われて服を脱いでいる最中に、服が引っ掛かってどうしようもなくなる。それで、もうこのままでもいいや、って感じになったりするいきさつが、演繹法で描かれる。服が途中で引っかかって困ってしまう子供たちは世界中にいると思われるが、これが絵本として描かれたのは、たぶんこれが初ではないか、と評価されているらしい。まったく人は、なんに感心するんだか、分からないものだ。そうして確かにその通りで、ものすごく斬新な視点である。そうして当然お話も絵も素晴らしい。
 子供のころに買ってもらったり、学校の図書館なんかで見ていた絵本とは、かなり様相が違う。漫画チックな感じも無いではないが、しかしやはり漫画ではない。かといってアニメなどのキャラクターものとは明らかに違う。現代風とまではいかないまでも、なんだか僕らのころとはだいぶ違うのかもしれないな、と感じる。そうして、いわゆるアイディアとして、確かに面白い。こどもも面白いが、きっと親も楽しめるからこそ支持される物語ではないだろうか。もっと手に取って違うのを読んでみたい。そういう楽しい絵本である。
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真実を残したいからこそ落とし穴がある   未来からの遺言

2020-01-20 | 読書

未来からの遺言/伊藤明彦著(岩波書店)

 副題は「ある被爆者体験の伝記」。著者は千人を超える原爆被害者の、生の声を録音記録して歩いたという。そういう中にあって、特に長崎で被爆した吉野さん(仮名)という人の証言に心打たれる。しかしながら、その証言の中には、よくできていると思われる謎も含まれていたのだった。
 被爆者の声を後世に残すということの意義は、たいへんに重たく深く、そうして貴重なものである。多くの人がその時に犠牲になり、実際に語ることが許されていない中、後遺症などに苦しみながらも生き永らえ、戦後も生活苦にあえぎながら生きてきた人たちの証言は、ドキュメンタリーとしてだけでなく、人間の生きる根源的なものを考えることにつながっている。そういう貴重な作業を、まさに自分の生活をなげうってまでも果たそうする著者が、吉野さんという、ある意味で被爆の肉声を語るにふさわしい逸材を発掘したというところから、そのミステリアスな現実が隠されている事に気づかされ、そうしてさらに深く苦悩の底に沈んでいくようになってしまう。被爆者の個人の声というだけでなく、その総体としての声を伝えることと、より正確な記録としての、資料としての残し方やあり方について、幾重にも悩み続けながら取り組んでいくのである。結果的に人間的なあり方としての考え方に行きつくわけだが、これだけの苦悩の上に壮絶な記録が残されたということにこそ、大変な価値があると思うとともに、やはりその残酷さの中に、非常に難しい人間のサガのようなことをも考えざるを得ないのである。
 この記録の中には、著者の素直な心情が語られている中に、おそらくそういうことを支えてきた思想というものも含まれていると考えられる。ジャーナリストとして、誰かを糾弾するためにやっているわけでもない中で、しかし、おそらく個人を著しく辱め、苦しめることになるだろうことに躊躇し悩みぬくのである。そこには、本来は必要である検証を、あえて阻む人間的な情緒があると思われる。だからこそ著者は人間的ではあるのだが、同時に吉野さんという人間の闇を、生きている間には覗き見ることに、あえて失敗してしまっているように見える。しかし、そうであっても、それが戦争の被害であることは確かなのである。
 なんという記録が残されていたことか。僕は長崎にいながらこのようなことはまったく知らなかった。多くの人が犠牲になり苦しんだことで、そのことを本当に伝えたいからこそ難しい問題に突き当たってしまう。もちろん、もう一人の僕は、それではいけないものがあるとは思うものの、そういう人間としての残忍さが、やはり反戦の思想の中にも必要ではないかと思うのである。そうして、実際に戦争を語る上では知っておくべき態度なのではないだろうか。
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ドラマ(僕が昨年見たお勧め映画4)

2020-01-19 | なんでもランキング

万引き家族/是枝裕和監督
 これは樹木希林の追悼と、リリーフランキーの情けなさに一票、というところ。さらに奥田瑛二の娘(安藤サクラ)が素晴らしい。確かに社会風刺かもしれないが、そういうことよりドラマ自体の力が上だと思いますね。

アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル/クレイグ・グレスピー監督
 これは本当はコメディだろう。笑えない喜劇だが。こういう馬鹿な人が、可哀そうなことに同情されない社会がアメリカである。いや、たぶん日本もだけど。実話なんだから困っちゃうよ。

ブルックリン/ジョン・クローリー監督
 同じくらい好きな人が二人いたとして、結局どちらを選ぶことになるか、という女心を描いたもの。僕は男だから、かなりホラーな内容だともいえる。そうして、なるほどなあ、と感心してしまった。そりゃあ、そうかもしれません。なかなかの面白さで、お勧めです。

 こういうのは、個人的な考え方として当たり外れあると思うんだけど、しかしどうして僕がこれを選んでしまったか、というミステリも含めて考えて欲しい気もする。まあ、分からないかもしれませんけどね。出来たら議論したいところですね。
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周辺だから見えるようになるものもある   ミカドの肖像

2020-01-18 | 読書

ミカドの肖像/猪瀬直樹著(小学館文庫)

 西武グループのコクドが旧皇室の土地を次々と買い取りプリンスホテルを建てていく物語から、皇室を読み解いていく。中心だか周辺だか分からない距離感で、日本人の潜在的に持っている皇室観が浮き上がっていく。そういえば確かになんでプリンスホテルという名称なのか考えたことも無かったが、皇太子にちなんでいたとは知らなかった。
 また、外国にはミカドという家庭で楽しむゲームがあることも、歌劇MIKDOというのが世界的に大ヒットしていたというのも、どういうわけか日本人の多くは知らなかったことではないか。また、アメリカにもミカドという町があるなんて。
 明治天皇の御真影はイタリア人が書いた絵だったなんてことも知らなかった。そういう中で日本の心風景は、いつの間にか京都から、富士山をはじめとする絵柄に変化してしまうのだ。銭湯では会社や医院の広告を載せていたものに、サービスで絵を描くようになるのだが、絵葉書の風景をヒントに描かれるようになったのだという。それが富士などの風景画だったのだ。
 また、万歳三唱が欧米をまねて作られた風習だったことも知らなかった。確かに時代劇では万歳はやらないようだ。
 文庫とはいえ900ページ近い分厚い本で、ずっしり重たい。行間も狭く、ぎっしり文字が詰まっている感じで、おそらく読むのに20時間くらいはかかってしまった。よくもまあ、調べにしらべ、さらに世界一周するような取材を重ねて、このような本を作ったものである。面白いのでそれでいいが、ほとんど執念ではないか。
 しかしながら、このように周辺を照らしながら語りを構築しないことには、天皇というのは、やはりよく分からないのである。今のようなイメージや象徴というものは、天皇の歴史から考えると極めて近代的で最近のものであるということは分かるのだが、そうではあるが、もっと近い今の目から見ると、もうすでにかすんで見えなくなってしまったものがいかに多いものか。そうではあるが、何度も再編されながら天皇観は様々な権力に利用され、そうしてその不自由さもありながら、日本の近代と切っても切れない関係となっていったのであろう。
 というわけで、簡単には読めない本だが、これはもう必読書だろう。ふーっと息を吹いて、読後の感慨に浸ってみるのはいかがだろうか。
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アクションバイオレンス(僕が昨年見たお勧め映画3)

2020-01-17 | なんでもランキング

 まあ、娯楽の王道ですね、この分野は。だからよく考えると馬鹿っぽいのだが、そういうことを含めて漫画的に面白いわけです。確かに日本の漫画的な要素が結構あって、ネタとして使われている場合もあるんではなかろうか。

ザ・コンサルタント/ギャビン・オコナー監督
 いわゆる虐待と発達障害の疑いのある主人公が、それ故に超人であるというお話。素直にバイオレンスが面白い。こういうヒーローが好きなのかもしれない。

孤狼の血/白石和彌監督
 日本の古典的なヤクザバイオレンスを踏襲しながら、それなりに新しい作品になっているのではないか。ヤクザな考え方の中に、やっぱり人間仁義の考え方のスジ道があるわけで、そういうものにカタギの人がどれくらい思い入れができるかがカギである。だから任侠ものが作られなくなっているのではないかと、僕は疑っているのだが。
 
ディーパンの戦い/ジャック・オーディアール監督
 移民問題を正面から捉えて、しかし解決がバイオレンスという衝撃作。まあ、なんとなくカタルシスがあって面白いので、それでいいか!

 分類がこれでいいのかは、よくわかりません。いやな人もいるかもしれないけど、こういうのがあんがい娯楽になるからこそ、人間は奥深いのであります。
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