カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

アクション活劇娯楽のむつかしさ   リボルバー・リリー

2024-07-04 | 映画

リボルバー・リリー/行定勲監督

 舞台は大正末期。元敏腕スパイで、多くの人の暗殺に関わったとされる百合という女性がいて、今は花街でカフェのような店のおかみをしている。過去にかかわりのある家で惨殺事件が起こり、そこから逃げてきた少年と関わることで、日本の陸軍と海軍の暗躍に巻き込まれていくことになるのだった。
 はっきり言ってバカ映画に仕上がっている。アクション映画なので、多少の荒唐無稽があってもいいと思うのだが、その度合いが中途半端な抜け方をしている所為で、何かそのスリルも抜けているし、リアルももちろん無い。緊張感が無いというか……。いろいろと正義の制約があるようで、相手を打ち抜いても、急所を外してあるから大丈夫だとか、妙なこだわりがある。しかし撃たれた相手は即時に動けなくなっているわけで、急所を外されて死なずにいる撃たれた人間なら、その痛みに耐えかねずのたうち回ることだろう。また相手の軍人の部隊に対峙して、装飾品の多いスカートのいでたちでアクションを展開する。海外だとセクシーなどの露出があるという感じが多いが、日本の女優だと、そういう感じより線の細さのようなところが出てしまって、今一つという感じかもしれない。ギャップこそ驚きに通じて、本来はカッコいいのだが、かっこよさに突き抜けない何か引っかかりを残しているのである。助け出された少年も、なんとなくいつまでも馬鹿だし、イライラさせられる。お前の為なんだから真剣になんなさい、と説教したくなるのである。
 まあ、いろいろある訳だが、要するに合わない映画を観てしまったのだろう。でもまあ、最初の陸軍の残酷な感じと、その後の秘密めいた謎解きは、期待感はあったのである。これは大変なことになるぞ、って感じですかね。もちろん大変なことにはなっていくが、それは日本陸軍の戦闘能力の低さゆえなのだから、なんとなく悲しいというか空しいというか、という事なのである。言いたいことは、そういう惜しい感じだったのである。娯楽作は、もう少し何も考えなくても突き抜ける感じ、のようなものが必要なのでは無いだろうか。まあ、この種のハードボイルドが難しいのは、そういうあたりの勘どころなのではあるが……。
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