カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

過去を引きずるのはどんな人間か   ホリスター将軍のコレクション・刑事コロンボ

2013-08-03 | コロンボ

ホリスター将軍のコレクション・刑事コロンボ/ジャック・スマイト監督

 僕は自衛隊のまちにすんでいるので、比較的まちの人たちが軍服姿の人に敬意を表している環境にいる。例えば指令のようなえらい人だと、セレモニーの席などでも市長さん達とほぼ同列の偉い人の中の一人という感じは何となくする。けれども敗戦国の日本においては、軍服の人たちが必ずしもそのように思われているのかは疑問だ。まったく敬意が無い訳では無かろうが、少なくとも先の戦争の英雄なんてことはほとんどありえない訳で、さらに近年は戦争もしていないから尚更だろう。それがどうだということではないのだけれど、米国だと戦争の英雄というような将軍が居るらしいことが分かる。そういう人がたいそうな権力を持っているらしいことも改めて分かる。そうしてこの場合は犯人だから、さらにかなりの悪者なのである。人の上に立つことに慣れており、そうして自分中心に物事を考えても迷いが無い。戦場で活躍する資質でもありそうだけれど、それが本当の事なのかは僕には分からない。
 そういう昔のえらい将軍が、その特権を利用して不正を働く。そうしてそのことがバレそうになり、同じように秘密を握っている人間を始末する。尻尾を切る訳だ。ところがその殺人の現場を船の上から見ていた女がいた。彼女は警察に通報するが、殺したという証拠が無い。最初は見間違いかもしれないということから話が始まるが、将軍はその目撃した女に近づいて、口説き落として手なずけてしまう。そうこうしているうちに本当に死体があがってきて、犯行に使われた拳銃が見つかれば事件は解決するだろうという展開になる。
 初期の作品の中では何となく出来が今一つの感があるが、コロンボと将軍の駆け引きはそれなりに面白い。将軍に敬意をもって接しているようでいて、いつものようにじりじりいじめるように捜査を展開していく。船酔いしたりして調子がいま一つだったりすることもあるけれど、そういうやり取り自体はコロンボらしい作品と言えるだろう。
 もとの偉い人も過去の人。過去の栄光があるからえらい人というのは、過去をすんなり捨てきれないものかもしれない。もちろんそれがアダになるというのはなかなか上手いお話かもしれない。その結果何となく馬鹿にされるようなところもあって、ちょっと考えさせられてしまう訳だが…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする