テレビで不法投棄の問題についてのリポートを見た。
実を言うと僕の職場の周りは不法投棄の名所がたくさんあって、あちこちにテレビや洗濯機やタイヤや瓶缶などが散乱している。道路を走っているとあちらこちらに不法投棄に対する警告の看板が立っているが、その看板の周りはゴミだらけという感じである。ゴミが捨てられているから看板が立ち、看板が立ったところを目印にゴミが捨てられているんじゃないかと思えるほどだ。自然豊かな里山の風景と、このゴミ捨て場という社会問題は、密接に絡んでいると言うことなのかもしれない。
僕も個人的に山林を持っているんだけど、時々役場から電話が掛かってくる。お宅の山林にゴミが捨てられているので処分してほしい、と言うことらしい。この間見に行ったら、大きな犬小屋と、なにやら柵に使われるような金属棒のようなものがまとめて捨てられていた。実に腹立たしく悲しいことだが、捨てた人が見つからない以上、捨てられた土地の人の負担でゴミを処理しなければならないのだそうだ。処分しなければ新たなゴミの投棄を誘発することにつながり、地域住民に迷惑が掛かるので何とかしてくれ、などと脅されたりする。まさに泣きっ面に蜂である。
一度職場のスタッフが、不法投棄の現場を発見したことがあるらしい。その方は実は職場のご近所の人だった。やかましく叱ったそうだが、あれは常習に違いなかろう、と話したことだった。
実はその方が体調を崩し長期入院を余儀なくされて車の運転ができなくなってしまった。そうすると、ある一部の場所の新規のゴミは増えなくなった。
ゴミを捨てるような人は、実は多数と言うわけではなさそうだ。一部の心無い人が常習的にゴミを捨ててしまうのだろう。一度捨ててしまうような行為が成功(見つからなかった)すると、おそらく罪の意識もそんなに感じることも無く、捨て続けるということになるのではあるまいか。
それと山間部の不法投棄に限って言えば、車で移動すると言うことも大きな原因とも思われる。窓からポイっと山林に投げてしまえば、ほとんど見つけるのは不可能だろう。
電化製品の製造番号から持ち主を割り出すこともある程度は可能かもしれないが、実際上そこまでして犯人を割り出しているとは考えにくい。過疎の進む里山のゴミが減ることは今後も考えにくいようである。