【2013-08-30 記】 1年3か月経過した今でも検索からこの記事に入ってこられる読者がおられ、たまたま「和解」という検索語でのアクセスがありました。それをヒントに確認してみました。
以下は「大気計測器談合 提訴 和解」という検索語により短時間で確認できた事だけをメモしてあります。時間があるときに継続しますが、議会招集時に公開される議案を確認するのが効率的だとわかりました。
この問題は下に書いたように、2011年秋頃から2012年2月頃にかけて複数の自治体で訴訟が提起されました。山梨県では、知事記者会見 平成24-2012年2月13日 にある配付資料「平成24年2月定例県議会提出予定案件について」 に記載されています。
26 訴えの提起の件 平成17年度から平成19年度までの間の大気常時監視自動計測器の入札における談合により、県が被った損害の賠償金等の支払いを請求するため、訴訟を提起(和解を含む。)する。(製造販売業者 3社)PDFファイル(30/67 ページ)
2013年5月に複数の市で和解が成立して議会に図られていることが判りました。
◇ 四日市市(伊勢新聞 2013/5/30)
◇ 千葉市(議案紹介: 千葉市長:熊谷俊人の日記 2013年06月25日)
◇ 福岡市が談合企業と和解へ 大阪市の計測器納入業者(2013年06月29日 西日本新聞)から調べてみて、平成25年6月定例会 第5委員会 議案説明資料 PDFファイル 409 KBで詳しい内容が判りました。
◇ 堀場製作所-「過去の独占禁止法違反行為に関する損害賠償請求訴訟について」 pdf 1,665 KBとして、『当社では、2013年5月31日現在、33 の地方公共団体から損害賠償請求の訴えを提起されています。ここでは、こうした事情についてご説明します。』とのステークホルダー宛メッセージが検索ヒットしました。
この事案については、山梨県での結果確認をしておきたいので、備忘としてウェブページに大気汚染測定器談合訴訟メモを設定しました。
2012年5月8日、9日の山梨県内のニュースとして報じられました・・・山梨県 「でも」 の意味は以下の通り・・・
◇ 計測器装置めぐる訴訟で口頭弁論(5月8日、UTYニュース)
◇ 大気汚染測定器談合:損賠訴訟 請求棄却求め、3社が答弁書-第1回口頭弁論(毎日新聞山梨版 2012年05月09日)
◇ メーカー3社争う姿勢 測定器談合訴訟 県の請求 棄却求める(読売新聞山梨版 2012年5月9日)
私がこの事案について知ったのは、毎日新聞山梨版 2012年04月18日記事でした、損賠訴訟:測定器3社、県が提訴 談合で損害訴え
山梨県から提訴されたのは、東亜ディーケーケー(東京都新宿区)、堀場製作所(京都市南区)、紀本電子工業(大阪市天王寺区)の3社で、ここに堀場製作所の名前があったので注目したのです。
その時に調べて確認できたのは、大気常時監視自動計測器の入札談合に関する指名停止措置について(お知らせ)(環境省 報道発表資料 平成20-2008-年11月28日)でした。
本(2008)年11月12日、公正取引委員会は、東亜ディーケーケー(株)、(株)堀場製作所、紀本電子工業(株)及び(株)島津製作所について、国及び地方公共団体が発注する大気常時監視自動計測器の入札に関し談合があったと認定するとともに、(株)島津製作所を除く3社に対して排除措置命令及び課徴金納付命令を行いました。
◇ 2012年03月28日 滋賀県-大気常時監視自動計測器の入札談合に係る損害賠償請求訴訟の提起について、平成23年11月8日付けで3社に対して損害賠償を求めましたが、3社ともこれに応じないことから、損害賠償を求める訴えを提起しました。
◇ 2012年03月23日 愛知県-大気常時監視自動計測器の製造販売業者への損害賠償請求に係る訴えの提起について、平成23年10月20日:判明した損害に対し、メーカーに賠償金の支払いを請求(メーカー側は、満額支払いの意向なし) という経緯で3月の提訴になっています。--2012年03月27日 毎日新聞愛知版記事があります。
◇ 2012年02月24日 京都市-PDFファイル、訴えの提起について、市長からの議案提案文書
◇ 2012年02月06日 岡山県-県が談合2社と和解 1社は提訴へ 大気汚染測定装置の入札めぐり(山陽新聞記事)、紀本電子工業(大阪市)は和解交渉に応じないため提訴する方針
◇ 2011年10月22日 三重県-大気常時監視自動計測器の製造販売業者による独占禁止法違反に対する損害賠償請求について
◇ 2011年09月21日 栃木県議会-第18号議案 訴えの提起について
◇ 2011年03月01日 神奈川県-大気常時監視自動計測器の製造販売業者による独占禁止法違反事件に対する損害賠償請求について
これらの記事を見ていくと、2004年~2007年にこれら4社から公費調達した大気常時監視自動計測器について、2008年11月に公正取引委員会の談合認定があり、関係自治体は談合による損害額を算定して賠償を求めて来た、それが解決しないので提訴に踏み切ったという状況が読み取れます。
山梨県の場合も、2005年10月~2008年2月に3社から9台を約2921万円で購入したが、適正価格は約1016万円だったとして差額の賠償を求めている。(毎日新聞4月18日記事)というものです。
私は前述のように毎日新聞山梨版の記事に関心をもってざっと検索した結果が上記リストです。その後はフォローしていませんので、現状はわかりません。
私は島津製作所の名前は以前から知っていましたが、堀場製作所は3.11以後、放射線計メーカーとしてしばしば名前を見るので知りました。
今回の山梨県の提訴は全国版の一環だということです。毎日新聞山梨版4月記事が書いていたのと同じ内容を今回の読売新聞山梨版記事も報じています・・・『3社は官公庁の大気汚染測定器発注をめぐって談合を繰り返したとして、08年11月、公正取引委員会から独占禁止法違反で排除措置命令と課徴金納付命令を受けた。 次回の口頭弁論は7月10日の予定。』 しかし、この事案が全国版だということは記事からは読み取れませんでしたので、4月に調べたことをここに記録しておきます。
談合による損害の賠償請求とは時間がかかるものなのですね。上掲の自治体以外にもあるかも知れませんが、私が調べられた範囲では、神奈川県以外はなんとなくタイミングが一致して動いている。山梨県は3月提訴の自治体に少し遅れてレースに参加した。
放射線測定器の公的需要はこれからも益々増えていくと思います。提訴している相手の製品を自治体として選択するかどうかは、私にはわかりません。(関係自治体の後ろで指揮棒を振る人がいると思うほど、私はワルじゃ無いが)、 報道記事からだけでは、状況がシッカリ見えないように感じたので、こんなブログ記事を残す次第です。インターネットっていうのは、いつもながら素晴らしい情報道具だと思います。でも相変わらず私は放射線測定器については何も勉強せずに過ごしています。ひとつだけ私の脳内ではアルファ通信の問題が未解決なのです。それがあるんで「堀場製作所」の文字に反応したのかも・・・
参考-ハンディ測定器(PA-1000)の測定値は信頼できるのか?(2)(つくば市で機種比較のために実測したブログ)
参考-放射線測定器 HORIBA PA-1000 Radi を購入したので,使用感などをまとめてみました.、(パソコン新機種のテスト記事と似たような面白さがあります)
同じ筆者が測定比較した記録-放射線測定器・ガイガーカウンターの測定値比較(五反田、恵比寿方面)