いぶろぐ

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日本へ

2010-07-17 14:28:00 | いぶたろう旅日記
FAAA国際空港を後にして、エアタヒチに乗り込みます。
来るときにはあんなに感動した風景が、
あんなにワクワクしながら乗り込んだ乗り物が、
どうして帰るときにはこんなにも寂しく感じられるのであろうか。
タラップを一段一段、後ろ髪を引かれながら登っていきます。
周りの風景を動画に収めながら。

すると、カメラに映り込む人影が。
「ビリー」と名乗る、めっちゃくちゃ陽気な外国人でした。
何人か聞くの忘れたけど、これからパリへ行くんだって言ってたなあ。
フランスなまりもなかったように思うけど、何人でしょうね。
とかく陽気で色々話しかけてくれて、座席まで案内してくれて(笑)。
座席が離れちゃったのが残念だったけど、
この後もロスの空港で僕の姿を見かけるや声をかけてくれて、
キゲンの悪そうな空港係員が早口の英語でまくし立てて、
どこへ行ったらいいのかよくわからんなー、
という時にも取り次いでくれました。
ありがとうビリ−。今頃パリにいるのかな。
まさかスイスの山には行ってないだろうな。
そして、やっぱり寒いエアタヒチ。
クーラーきかせすぎなのか、外気から守り切れてないのか(笑)。
機内はブルーとグリーンでまとめられてて、雰囲気はすごくいいんだけどねー。
寒い(笑)。
となりにいたフランス人はがたがた震えてました。
この人は英語ダメで、フランス語オンリーだったから、
コミュニケーションとれなかったんだよね。面白そうな人だったんだけど。

さて、いつでもどこでも寝られるのが僕の特技です。
というわけで寒い狭いエコノミーでも、僕はしっかり眠れます。
読みたい本を7~8冊持ってったんだけど、向こうではそんなの手に取りもしなくって、
もっぱら飛行機の中で読みました。
でも、読んでるウチに気づくと寝てるんだよね。
で、飛行機ってとにかく食べ物出してくるのね(笑)。
なんかずっと腹一杯だったような気がするよ。

てな感じで目覚めるとロサンゼルス。
行きはもう嬉しくって嬉しくって、着陸まで動画まわしてたくらいなんだけど、
もう飛行機もこれだけ乗ると、どうってことなくなりますね。
ロスの町にも出てみたかったんだけど、なんせ空港だからね。
周りには何があるってわけでもなし、時間もそんなにない(3時間って半端だね)、
てなわけで空港内散策です。

まずは本場のマクドナルド。
食べてみたかったんだけど機内食でお腹いっぱい(笑)。
でかいと噂のバーガーを見てみたかった。

そしてこんなコーナーも。
さすがに21世紀と言うべきか、そんなに誤解もなく、普通でした。
しかし、こういうの見ちゃうと普通に高速のサービスエリアだよね(笑)。

でっかいグリルで直火で焼いてます。
こういうの見せてくれるのがイイよね。

これは全日空かな。ジェットの吸気口にうずまき書いてあるのがおかしくて、一枚。
ショップを冷やかして、ドルをちびっと使う楽しみを味わって、
いよいよ帰国の途につきます。

行きと同じシンガポール航空です。
あとで旅慣れた人に聞いたら、評判のいい航空会社のようです。
実際、機内食も美味しかったし、添乗員も丁寧だったな。
制服が独特でキレイですね。

乗り込めば、また機内食が待ってる(笑)。
でもシンガポール航空のはうまいんだよね。完食しちゃった。
読んだり寝たり食べたりしているウチに、日本が近づいてきます。
帰ってしまえば、再び日常の怒濤が押し寄せてくる。
そう思うと退屈な飛行機の中の時間すら、いとおしく思えてしまう。

・・・さて、このまま帰っていいものだろうか。

こんな気持ちのまま帰って、僕は世知辛い日本のどこに身を置けばいいのだろうか。
「人間に主体がなく、時間に隷属するかのような」人生。
それはよく国語でも題材になるテーマだけども、このところ何となく感じていた部分。

この旅行ではっきりとした。
僕は、渇いている。

生きているという「感触」もなく生きている。
生きるために生きざるを得ず、やむにやまれず生きている。
やりたいこともやらずに、常に人の顔色を窺い、
「前年同期比」なんて冷たい数字に一喜一憂しながら、
他人の要求や無責任な期待に応えてばかりいる。
そしてそれが「オトナだね」なんて賞賛されてしまう、
そんな日本社会で送る人生とはいったい。
「スポンサーは絶対です」なんて、鬼の首とったような顔で下卑たことのたまう
(というかこれたぶん「クライアント」のまちがいだと思うんだけど)
歪んだ消費者主権意識に凝り固まった、
くっだらない連中の相手をしなければならない空虚感はどこに行けば逃れられるのか。
身にしみて感じる。

もっとも、人生なんて言ってみたところで、
その実、生まれてきてしまった存在の、死ぬまでのヒマつぶしに過ぎないわけで、
人生の意義がどうのこうのと考えるまもなく、
飢え、渇き、間引かれ、殺され、病に倒れ、他人の都合に巻き込まれ、
思いがけずに短い生を終えた人も多くいたわけで。
オンボロ戦闘機や魚雷に積まれて自爆させられた人だったりね。
あるいは、天寿を全う出来たとしても、
カチコチの男尊女卑社会にあって、一生を夫と子どもの世話に費やした女性とか。
平凡な人生の中に安心を見いだしたり、空虚を感じたり、
波瀾万丈の人生に後悔を残したり、充実感を抱いたり、
色々言い出したらきりがないのはわかってる。

でも、僕の人生なんだ。
誰との比較も意味がない。
1回しかない人生で、残りもせいぜい50年くらいだとすれば、
何も考えずに生きるよりは、何かを胸に秘めて生きていた方がいい。
それが許される時代だ。
自分に何ができるか、まだまだ考えてみたい。
夢とうつつの間をさまよっている間に、
飛行機は着実に現実社会へ僕を導いて、気がつくとそこは成田。
なんだかんだ言っても、こんな表示を見ると嬉しくなる。
そうか、もう一生懸命英語に置き換えなくてもいいんだ(笑)。
元気で帰ってきました。
帰りの空港リムジンバスから見る夕焼けです。
日本のそれも、棄てたもんじゃあ、ない。

素晴らしい旅行だった。
明日からはまた、日常だ。
とても幸せなことに、
僕には僕を待ってくれている家族がいて、仲間がいて、生徒たちがいる。
彼らがいる限り、僕の生きる意味も決して小さくはないのだろう。

人生至る所に青山あり、とか。
どこにだって苦しみがあり、楽しみがあるはずなんだ。
僕は世界というやつを垣間見た。
僕はまだまだ、日本でやっていないこともあるし、
世界で見なければならないこともたくさんある。
この気持ちを失いさえしなければ、どこにだって行ける。

こんなに大きな世界の中の、こんな小さな日本で、
何があったって、折れるものか。
生きていくんだ。
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