のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は、ちょっと有名ながら一般的にはほとんど知られていないだろう、仏像界の悲劇なヒロイン「吉祥天(きしょうてん/きちじょうてん)」について、です。
いまいちメジャーではないんですよねー。
実は超人気グループ「七福神」のメンバーであった時期もあるんですが、知ってますか?
街頭インタビューとかした場合、果たして何名の方が名前言えるかなぁ…。
さて、そんな「吉祥天」さま。
梵名は「シュリーマハーデーヴィー」、あるいは「マハーシュリー」…って、こちらは最近流行りの短縮系?
(※ちがいます)
その「シュリーマハーデーヴィー」を音訳して、「室利摩訶提毘(しりまかだいび)」
「マハーシュリー」を音訳すると「摩訶室利(まかしり)」
で、これらを漢訳すると「吉祥天女(きっしょう・てんにょ)」とか、「吉祥功徳天(きっしょう・くどくてん)」となるようです。
古代インド神話では、「ヴィシュヌ神」の妃で福徳を司る「ラクシュミー」
また、愛欲神の美男子「カーマ」の母であるとも言われていますが…「カーマ」は「ヴィシュヌ神」の子であるようなので、結果的には同じ?
よく分かんないけど、とにかんくそんなん(笑)
かなり早い時期から仏教に取り入られ、美・福徳を司る女神として信仰を集めています。
多くの経典にも説かれているんだって。
日本では、奈良時代から登場。
”罪悪を懺悔して災禍を祓い、福徳と五穀豊穣を祈願する”という「吉祥悔過会(きっしょう・けかえ)」の本尊として、盛んに信仰されたそうなのです。
この「吉祥悔過会」というのは国家レベルの行事らしく、よく分かりませんが…だいたいのイメージ的に、歌謡曲の歌手が国家イベントで歌う、みたいなイメージなのでしょう。(たぶん)
美人さんなので個人レベルでも信仰を集めており、吉祥天を信仰していた修行者があまりの美しさに欲情をおさえられず~なんて、えっちな伝承もあるようです。
美の女神たる面目躍如というところでしょう。
有名な「弁才天」よりも美しいとされる女神なんですよ。
”ヴィシュヌ神の妃”というのがどうやら”毘沙門天の妃”と転じた様子で、実は人妻キャラな彼女。
ちなみに、父親は竜王「徳叉迦(とくしゃか)」、母親は「鬼子母神」となぜだか詳細に家族構成が決められているのも特徴です。
(※一説には、「毘沙門天」の妹なんていうのもあり、当時から恰好の妄想ネタになっていたみたい。わはは)
そのため「毘沙門天」の脇侍とされることもあるほか、「毘沙門天」、「ぜんにし童子」、そして「吉祥天」という”家族セット”みたいな組み合わせもあるのでした。
さらに、前述したように七福神の一人として数えられていた時期もあるのです。
現代ではほとんど見かけませんが、「福禄寿」・「寿老人」を一体に集め、彼女とか「猿田彦神」が入るパターンもあったそうです。
なにも老人二人とせず、最近の戦隊モノみたいに女性二人だったのが見栄え良いのに…。
靴に画びょうを入れられるなどの嫌がらせをうけ、「弁才天」との”ヒロイン枠争い”に敗れた彼女は、日陰な生活を送ることとなったのでした。
まぁ、やっぱり人妻イメージがついて回ったのが問題だったのではないかなぁ(笑)
…画びょうのあたりからうそですが。
長くなりましたが、見分け方について。
頭に宝冠をかぶり、唐の貴婦人な衣装の立像です。
左手には「如意宝珠」を持ち、右手は手の平を正面に向ける「施無畏印(せむいいん)」です。
よく「釈迦如来」が「やあ」とやっているのの、ちょうど天地逆になったパターンですね。
女性らしく(?)、アンダースローなのですよ。
こう考えると、覚えやすいでしょ?
京都「浄瑠璃寺」の吉祥天像は超有名な美形像です。
鎌倉時代の重文。
木彫りでよく彩色が残っており、当時からの艶やかな面影が伺えます。
なにしろ、むかしその美しさに魅せられた僧が”けしからぬ振る舞い”をした…(そんなんばっかし)という話も伝わっているほどなのでした。
うん、なるほど。
確かに豊かなスタイルの美人さんです。
一定期間のみ公開の秘仏なので、「よし、ちょっくら出かけようか!」と息巻いた人はご注意を。
(※公開は正月から春、秋と比較的パカパカ開いてますが。元日~15日、3月21日~5月20日、10月1日~11月30日という期間)
災厄から逃れ、大富豪になるという真言は、
「おん、まかしりやえい、そわか」
一万本以上蓮華の花が咲いている池で左手に香炉を持ち、それを一本づつ摘み取りながら唱える(要するに一万回ほど唱える)と願いが叶うそうです。
だれか、チャレンジして報告してー。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_love.gif)
[関連記事] 【天部、その他】
⇒ 仏像の種類 (お父さんのための仏像講座) [前編] [後編]
⇒ 梵天 (仏像・天部)
⇒ 毘沙門天 (仏像・天部) 前編 後編
⇒ 兜跋毘沙門天
⇒ 大黒天 (仏像・天部) 仏像編 信仰編 拳印大黒天(滋賀・石山寺)
⇒ 布袋尊 (七福神)
⇒ 荼吉尼天
⇒ 摩利支天
⇒ 韋駄天
⇒ 十二神将 (仏像・天部)
⇒ 阿修羅 (八部衆)
⇒ 大天狗像
⇒ 執金剛神・仁王像
⇒ 訶梨帝母[鬼子母神](仏像)
⇒ 五百羅漢 (仏像・仏弟子)
石仏・五百羅漢像 千二百羅漢像 びんずるさま
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※そんな訳で、美人の冠が似合う「吉永小百合」さんです。
イメージ的にはこんな感じかなぁ。
本日は、ちょっと有名ながら一般的にはほとんど知られていないだろう、仏像界の悲劇なヒロイン「吉祥天(きしょうてん/きちじょうてん)」について、です。
いまいちメジャーではないんですよねー。
実は超人気グループ「七福神」のメンバーであった時期もあるんですが、知ってますか?
街頭インタビューとかした場合、果たして何名の方が名前言えるかなぁ…。
さて、そんな「吉祥天」さま。
梵名は「シュリーマハーデーヴィー」、あるいは「マハーシュリー」…って、こちらは最近流行りの短縮系?
(※ちがいます)
その「シュリーマハーデーヴィー」を音訳して、「室利摩訶提毘(しりまかだいび)」
「マハーシュリー」を音訳すると「摩訶室利(まかしり)」
で、これらを漢訳すると「吉祥天女(きっしょう・てんにょ)」とか、「吉祥功徳天(きっしょう・くどくてん)」となるようです。
古代インド神話では、「ヴィシュヌ神」の妃で福徳を司る「ラクシュミー」
また、愛欲神の美男子「カーマ」の母であるとも言われていますが…「カーマ」は「ヴィシュヌ神」の子であるようなので、結果的には同じ?
よく分かんないけど、とにかんくそんなん(笑)
かなり早い時期から仏教に取り入られ、美・福徳を司る女神として信仰を集めています。
多くの経典にも説かれているんだって。
日本では、奈良時代から登場。
”罪悪を懺悔して災禍を祓い、福徳と五穀豊穣を祈願する”という「吉祥悔過会(きっしょう・けかえ)」の本尊として、盛んに信仰されたそうなのです。
この「吉祥悔過会」というのは国家レベルの行事らしく、よく分かりませんが…だいたいのイメージ的に、歌謡曲の歌手が国家イベントで歌う、みたいなイメージなのでしょう。(たぶん)
美人さんなので個人レベルでも信仰を集めており、吉祥天を信仰していた修行者があまりの美しさに欲情をおさえられず~なんて、えっちな伝承もあるようです。
美の女神たる面目躍如というところでしょう。
有名な「弁才天」よりも美しいとされる女神なんですよ。
”ヴィシュヌ神の妃”というのがどうやら”毘沙門天の妃”と転じた様子で、実は人妻キャラな彼女。
ちなみに、父親は竜王「徳叉迦(とくしゃか)」、母親は「鬼子母神」となぜだか詳細に家族構成が決められているのも特徴です。
(※一説には、「毘沙門天」の妹なんていうのもあり、当時から恰好の妄想ネタになっていたみたい。わはは)
そのため「毘沙門天」の脇侍とされることもあるほか、「毘沙門天」、「ぜんにし童子」、そして「吉祥天」という”家族セット”みたいな組み合わせもあるのでした。
さらに、前述したように七福神の一人として数えられていた時期もあるのです。
現代ではほとんど見かけませんが、「福禄寿」・「寿老人」を一体に集め、彼女とか「猿田彦神」が入るパターンもあったそうです。
なにも老人二人とせず、最近の戦隊モノみたいに女性二人だったのが見栄え良いのに…。
靴に画びょうを入れられるなどの嫌がらせをうけ、「弁才天」との”ヒロイン枠争い”に敗れた彼女は、日陰な生活を送ることとなったのでした。
まぁ、やっぱり人妻イメージがついて回ったのが問題だったのではないかなぁ(笑)
…画びょうのあたりからうそですが。
長くなりましたが、見分け方について。
頭に宝冠をかぶり、唐の貴婦人な衣装の立像です。
左手には「如意宝珠」を持ち、右手は手の平を正面に向ける「施無畏印(せむいいん)」です。
よく「釈迦如来」が「やあ」とやっているのの、ちょうど天地逆になったパターンですね。
女性らしく(?)、アンダースローなのですよ。
こう考えると、覚えやすいでしょ?
京都「浄瑠璃寺」の吉祥天像は超有名な美形像です。
鎌倉時代の重文。
木彫りでよく彩色が残っており、当時からの艶やかな面影が伺えます。
なにしろ、むかしその美しさに魅せられた僧が”けしからぬ振る舞い”をした…(そんなんばっかし)という話も伝わっているほどなのでした。
うん、なるほど。
確かに豊かなスタイルの美人さんです。
一定期間のみ公開の秘仏なので、「よし、ちょっくら出かけようか!」と息巻いた人はご注意を。
(※公開は正月から春、秋と比較的パカパカ開いてますが。元日~15日、3月21日~5月20日、10月1日~11月30日という期間)
災厄から逃れ、大富豪になるという真言は、
「おん、まかしりやえい、そわか」
一万本以上蓮華の花が咲いている池で左手に香炉を持ち、それを一本づつ摘み取りながら唱える(要するに一万回ほど唱える)と願いが叶うそうです。
だれか、チャレンジして報告してー。
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[関連記事] 【天部、その他】
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⇒ 兜跋毘沙門天
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⇒ 荼吉尼天
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⇒ 執金剛神・仁王像
⇒ 訶梨帝母[鬼子母神](仏像)
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※そんな訳で、美人の冠が似合う「吉永小百合」さんです。
イメージ的にはこんな感じかなぁ。