お寺さんぽ Ver.03

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飯縄権現 (本地垂迹・権現)

2010年09月26日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は「飯縄権現(いずなごんげん)」です。

なんとなくでも、名前を聞いたことないでしょうか。
こちらの神様は色々なご利益がありますが、特に戦勝の神として知られています。
そんな訳で、戦国時代に流行したんですね。
軍神として有名な「上杉謙信」は、兜の前立に「飯縄権現」を添えていました。
彼の強さから、そのご利益が本当であると分かるでしょう。



乱れた世の衆生を哀れんだ「大日如来」が、「大天狗(迦楼羅天)」の身を現した~とか、「霊狐(れいこ)」を使う「飯縄法」の本尊とも言われる「飯縄権現」
だいたいは中世頃に流行った様子ですが、諸説あっていまいちハッキリとしてません。

南北朝時代のこと。
後に高尾山薬王院の僧となる「俊源(しゅんげん)」
修法(密教の法ですね)を終え、疲れを感じた彼はそのまま寝てしまいました。
その夢枕に立った神様こそ、今回の主役である「飯縄権現」さまだったのです。

記憶にない、奇異な姿に驚く「俊源」
その姿は…
頭上に蛇を冠としており、憤怒相で鳥のようなくちばし。
白狐に騎乗し、片手には剣。
法衣のようなものを着ており、背中には翼が生え、火炎を背負っていました。
「不動明王」、「迦楼羅天(かるらてん)」、「茶吉尼天(だきにてん)」、「歓喜天」、「宇賀神」の五体合体な神様と言われているそうです。
最強超獣「ジャンボキング」のような神様なんですね。
なお、同じく狐を眷属としている「茶吉尼天」と混同されることもあるようです。

さて、「俊源」は夢に現れたその神様を像に彫ろうとしましたが、異形な姿に困惑したこともあり、作業は困難を極めました。
そんな彼に声を掛けたという異人。
一週間ほどで夢に現れた「飯縄権現」そのものという彫刻を完成させ、いつの間にか姿を消していたそうです。
完成した像は凄まじいオーラを放つもので、祀られた近隣の住はそのご利益を得たのでした。
めでたし、めでたし。



異人は当時の情勢から、中国人ではないかと書かれています。
ただ、夢での姿を形にするくだり、完成した神々しい像、いつの間にかいなくなる…という事柄から察するに、それこそが「飯縄権現」さまっぽいですね。

ある時は「摩利支天」、またある時は「不動明王」、ほか「荒神」、「宇賀神」、「勝軍地蔵(しょうぐん・じぞう)」などなど、必要に応じて変現。
人々の願いをもれなく叶えるというそうです。
(ご利益は”十三大誓願”と呼ばれる)
真言は「おん、ちらちらや、そわか」
なお、戦勝のほか”馬が竜馬のように素晴らしくなる”という利益もあるそうです。
戦時に流行るのも納得。
平和な時代になると、火伏せの霊験によって人気集めることとなるのでした。



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※ちゃんとありました。
 これが「ジャンボキング」です。(右上)

土浦城址 (茨城)

2010年09月19日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は茨城県土浦市は県指定史跡「土浦城」です。

「亀城(きじょう)」とも呼ばれるこちら。
こないだ「牛久大仏」へ行った際に行ってきました。
完全に平城でしたね。



※そんな訳で亀。

室町時代に完成したという土浦城。
若泉氏が築いたとされています。
戦国時代までここを居城としていた若泉氏でしたが、永正十三年(1516)に周辺を支配していた常陸・小田氏方の代官「菅谷勝貞」が攻め落としていました。
城主「若泉五郎左衛門」はここで敗死。
一時期は小田氏の「信太範貞」が守備をしていましたが、後に奪った勝貞はここを居城として上杉・佐竹ら周辺大名と戦っていたようです。

なお、主君「小田氏治」はたびたび佐竹氏に敗れていますが、勝貞の子「菅谷政貞」、その子「菅谷範政」はそのたびごとに氏治を土浦城へと迎え入れています。
氏治と共に小田城を奪還しているところから察するに、なかなかの武将であったようです。
後に佐竹氏、徳川氏と降り、特に範政は小田氏への忠節を賞され、徳川家の旗本に取り立てられています。
(※最終的には幕末まで存続)



こうした時代の変化の間に「結城秀康」の支城となったこともありましたが、江戸時代では「松平信一」に与えられ、土浦藩の初代藩主となりました。
最終的には土屋氏(※武田氏に仕えていた土屋氏です)が入封。
明治維新まで代々城主となるのでした。

9万五千石というこちらは、常陸国(茨城県)では水戸藩に次ぐという大きな領土の中心地。
明治三十一年(1898)に土浦へと寄贈され、亀城公園として整備されることとなるのです。
現在の土浦城は櫓や門などが復元されています。
東櫓では資料の展示があり、すぐ隣には私立博物館がありましたが、ぶっちゃけちょっとした程度もの。



周辺には旧水戸街道沿いに古い商家、歴史あるお寺もあったりするんですが…あまり観光っぽくはされていません。
街並みとか風情あっていいんですが、もう少しなんとかならないかなーって印象でした。
お城も歴史あるものなんですが、小田氏が…ねぇ。




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※やっぱり旅行へ行ったら「蕎麦」ですよね。
 ラーメンとはまた違った良さがあると思います。

甲斐善光寺 (山梨)

2010年09月12日 | お寺
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は山梨県です。
こないだ先に「信玄アイス」なんてやりました、甲府市の「甲斐善光寺」です。


お寺ではありますが、どちらかと言うと歴史ファンにオススメなお寺になってます。
開山はあの「武田晴信」なのです。
山梨県と言えば、やはり彼ですねー。

時代は戦国、永禄元年(1558)のこと。
ちなみに、あと二年後くらいが「織田信長」の名が日本に轟くこととなる、「桶狭間合戦」の年です。
だいたいそんな頃。

信濃(長野県)では、「上杉謙信」との争いで有名な「川中島合戦」が行われていました。(※三/五回戦)
ちょうど信濃・善光寺付近が戦場となっており、焼失を恐れた晴信は、寺宝の移動を決意。
本尊「善光寺如来(阿弥陀さまね)」ほか、諸仏などをこの付近まで避難させたのでした…。
こうした切っ掛けで、「甲斐善光寺」が誕生したようです。



正式名称は「定額山浄智院善光寺(じょうがくざん・じょうちいん・ぜんこうじ)」
江戸時代にも徳川氏との交流から”本坊三院十五庵”という大寺院として発展。
東日本最大級と言われるほどの大勢力になったのでした。

当時の伽藍は一度焼失しており、現在の金堂、山門などは寛政八年(1796)に再建されたもの。
また本尊の「善光寺如来」こと「阿弥陀三尊像」は、武田氏滅亡後に各地を転々としていましたが、無事に信濃・善光寺へ戻りました。

こちらの金堂にある同仏像は、鎌倉時代に僧「定尊」が前立仏として造った重文です。
さらに宝物館には、半丈六という平安時代の重文「阿弥陀三尊像」、最古と言われる木造「源頼朝坐像」・「源実朝坐像」など多くの文化財がありました。


※なんと、お線香は自販機です。

そのほか、境内には戦国武将「加藤光泰」の墓があったほか、金堂の天上には鳴き龍、そして…なんて言うんだろ。
東京(世田谷区)の「玉川大師」にあった”地下遍照金剛殿”のミニチュア版のような施設までありました。
ただ、途中に明るい箇所はなく、出口までずっと真っ暗なの。
だいたい三分程度の暗闇が続くんですが、やっぱりこれが楽しいまでオススメ。

ちなみに…ひでるさんらの入った後には、たぶん中学生くらいな修学旅行の男女三名づつがチャレンジしていました。
暗闇からきゃーきゃーと女子の声が響いて、実に楽しそうでしたよ(本当)

ちょっと本気で羨ましかったです。
…いいよね、若いって(笑)
山梨に修学旅行予定がある男子は、要チェックだ!



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※こんなん見つけました。
 ちょっと欲しい感じ。

東本願寺「牛久大仏」 (茨城)

2010年09月05日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は茨城県は牛久市の「本山東本願寺」のメイン「牛久大仏」についてです。

行ってきました茨城県。
ちらほらと噂に聞いていた、名高い「牛久大仏」を拝見してきました。
でかかったですよー!

なんと、あの「自由の女神」よりも大きいそうです。
(※自由の女神[台座からたいまつまで]:40m、牛久大仏[台座から頭上まで]:120m)




牛久駅の東口から、タクシーに乗って15分ほど。
運転手さんに指差されて見ると、木々の間からその巨大なお姿が。

で、でかい。 

まさにその一言につきます。
付近にはコレという建造物なく、仏像だけが”どでーん”と、おわしているのです。
スゲェ。
もし、茨城に「ゴジラ」が上陸したなら、確実にターゲットになるでしょう。
…というより、あの神々しいお姿を例えるなら「ウルトラマン」ですか。
デカイのが好きな人は、大満足でしょう。



「牛久大仏」は「阿弥陀如来」ですね。
ブロンズ製の立像。
やっぱり胎内拝観があり、ちょうど大仏をぐるりと回って後方から入場です。

入り口のスペースは区切られており、ある程度のタイミング毎に入ることとなります。
入口を閉じられ、にわかに周囲を暗くされると説明。
その後に手前の扉が開き、中へ入ると…電飾バリバリ、虹色に輝く空間が!!
暗闇の後なので、なかなか圧巻。
こちらが、一階「光の世界」
通路は円になっているため、まるで円盤の中にいるみたいでした。



ただ、ぶっ飛んだ演出はこれまで。
大仏製作過程、仏画、写経スペースがあるくらいで、仏像がズラリ並んでいるとか、派手な電飾があるとか、電動な仕掛けがあるとかは特になく、なんだか尻窄み

最上階、胸あたりからの景色はさぞよさげに感じるかもしれませんが…スリット状で、隙間から覗くような感覚。
全方位ガラス張りというのも落ち着かないですが、これはこれでやや面白味薄め。
高さの感覚で言えば、こないだの栃木県は「平和観音」のがありました。



その大きさにはかなり圧倒されましたが、正直なところ今一歩、二歩。
これで仏像が居並ぶ宝物館とかあれば良かったんですけどねぇー。

なお、他の施設としては、土産物店や飲食店。
広い庭園があるほか、子供向けのミニ動物園もありました。
ちなみに、時期をはずしていたためか、動物園はまさに閑古鳥が鳴くような状態。
ウサギが隅っこに固まってましたよ。
なお、寺領にはお墓の分譲がされており、お盆時期になると車が長蛇の列をつくるそうでした。
観光時期には、くれぐれもご注意下さい。


[住所]
 本山東本願寺[牛久大仏] 茨城県牛久市久野町2083

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※ひでるさんイメージはこんなん。
 神々しいですよ。