お寺さんぽ Ver.03

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縁起達磨 (縁起物・仏像)

2011年07月31日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日はこないだ行った「少林山達磨寺」が発祥地という「縁起達磨」についてです。

誰もが一度は目にしたことがあるだろう、達磨さまの置きもの。
実在の人物がモデルだってーのは、皆さん知ってますよね。
意外と知られてないかな、どうかな。


中国禅宗の開祖。
もともとはインドの王族です。
後に出家して洛陽に入り、そちらにて禅の思想を広めたのでした。
伝えられるアレコレ伝説はぶっちゃけ怪しいようですが、仏教を信仰する梁・武帝との問答、「嵩山少林寺(すうざん・しょうりんじ)」では壁に向かって九年もの間座禅したとか…ともかく凄い方なのです。

禅宗が日本に伝わったのは室町時代の頃。
「達磨大師」を重要視することから、掛け軸・お札には達磨さまが描かれているのです。
やっぱりイメージ的に座禅らしく、先の「少林山達磨寺」にて「一了居士(いちりょう・こじ)」の彫った「達磨大師」も座禅のポーズでした。

天明二年(1782)
江戸時代中期頃に「天明の大飢饉」が発生しました。
「達磨寺」では”一筆だるま”という、お正月に配布する一筆書きの「達磨大師」のお札があったんですが、九代「東嶽和尚」はその図を手本に立体化。
木型に和紙を張ったそれを救済のため祭で販売したところ、これまたえらく評判が良かったのでした。
作るうち次第に繭の形に似てきて、「繭型だるま」となって農家・商家に広まり…それがだんだん丸くなっていき、現在の形になったのでした。
「達磨大師」の七転八起な不屈の精神も受けたみたい。


※「少林山達磨寺」で買った達磨です。
 大きさ分かるよう、コーヒー缶を置いてみました。

考えてみると。
コトの発端は「一了さん」の夢(※少林山達磨寺の記事参照)なんですが…
私の姿を彫りなさい
そう告げたらしい「達磨大師」さまさまですねー。


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※こんなんもあるんですね。
 ミュージアムには入っていくんでしょうか。

超オススメ”天下の霊場”洞窟観音 (群馬県高崎市)

2011年07月10日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は群馬県高崎市のオススメスポット「洞窟観音」です。

高崎市と言えば、やはりすらりと背の高い「白衣大観音」でしょう。
良かったです。
やっぱり大きいってのはいいもんですね。
ただ、実はそちらよりひでるさんに刺さったのは、その前に行った「洞窟観音」でした。


①洞窟内です。入ってすぐはこうした感じ。


正式には「洞窟観音・山徳記念館」ですかね。
「白衣大観音」まで向かう途中、同じ観音山にあるこちらの施設。

ことの起こりは昭和二年のこと。
呉服店の豪商「山田徳蔵」さんは信仰心深く、ある日観音霊場の建設を思い立ちました。
これが三十歳くらいというのだから、凄いですね。
それから私財と情熱を傾け、八十歳で亡くなるまで工事をすすめていたようです。


②洞窟内です。進むとこうした感じになってます。


一人の情熱が作りだした そこは心の深淵。

そんな言葉がパンフレットにありました。
かっちょえーですね。
豪商とか工事という言葉で惑わされますが、当時はまだ土木機械などない時代。
そんな訳で、ツルハシ・スコップを駆使するという、かなり地道で大変な作業だったようです。


③奥へ進むとこうした感じのところもありました。雰囲気たっぷりです。

洞窟内は所々に照明があり、ローソクなどを片手に進むタイプではありません。
あたり見渡せる程度で、基本的には薄暗い感じ。
その中に彫刻された観音像が安置されています。

洞窟内には百体ほどの石仏がおられるんだとか。
一体づつおられるコーナー(全部で三十六体)ほか、最奥の「観音滝」などジオラマっぽく岩の中に安置されているパターンもあり。
ぞくぞくっとするほど、神秘的な雰囲気がありました。

凄いです。

ちょっぴり怖いくらい。
中はヒンヤリと涼しく、特に夏などはいいでしょう。


④石仏群です。かっちょえーですよー。

日本庭園「徳明園」や風俗・風刺原画の「山徳記念館」も付近にあります。
高崎駅からはそこそこあるので、やはりバスかタクシーがオススメ。


[住所]
洞窟観音 群馬県高崎市石原町2857

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※地下っていいですよね。
 タモリ倶楽部とかでもたまに紹介されてますが、プチ”あなたの知らない世界”みたいな。



高崎白衣大観音・慈眼院 (群馬県高崎市)

2011年06月26日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日はすらりと背の高い「高崎白衣大観音」さまで有名な「慈眼院(じげんいん)」です。

関東八十八ヵ所霊場の札所で、東国花の寺でもあるこちら「慈眼院」
起こりは鎌倉時代の中期。
鎌倉幕府の執権「北条泰時」の三男、六波羅探題の責任者であった「北条重時」の創建と言われています。
もともとは高野山の学問寺。
元禄頃(1688~1703)の火災で古文書などを焼失していますが、明治までとして栄えておりました。
現在の場所には、昭和十六年に”高野山別院”として、観音山へ移転されたのでした。
なお本尊の「聖観音」は、もともと鎌倉の漁師が網で引っかけたものだとか。


※観音様です。足元の人に注目下さい。

メインの「高崎白衣大観音」は昭和11年(1936)のこと。
実業家の「井上保三郎」という方が、昔から観音にゆかりのあった観音山に建立されたのだとか。
「混迷した世の中に一つの光明を照らす~」
なんて考えだったみたい。
そうした訳で、コンクリート造りの高さ四十メートル以上という大観音が完成したのでした。
こないだ紹介しております、「白衣観音」ですね。
七十年ほど経過した今ではすっかり高崎のシンボルとして定着。
ひでるさんが行った際にも、多くの人で賑わっていました。
九階からなる各階には、合わせて二〇体ほどの仏像が。
ちょぴりユルめでしたが(笑)楽しめると思います。
なお、胎内拝観は300円です。


※観音さまからの景色です。

地図で駅からみると近そうなんですが…。
ちょっとした山頂にあり、徒歩で行こうとすると激しく後悔すると思います。たぶん。
車ではだいたい10分程度。
タクシーがいいでしょう。


また、付近の店で販売している観音最中がオススメです。
治したい部位から食べるんだってー。


[住所]
 高崎白衣大観音 慈眼院 高崎市石原町2710-1

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※パズルにもなっている「白衣観音」さまです。
 かっちょえーですね。

閻魔大王 (天部・仏像)

2011年06月12日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日はこないだヘタくそな絵でやりましたレア仏「閻魔天」でなく、皆さんがぱっと想像できるだろう、メジャーな「閻魔大王」です。

人間の死後三十五日目に冥府は閻魔王庁で罪業の審判を下す、十名ほどの神様の中心に位置する方。
(※十三というのもありました)
左右の魔神が善徳、悪行を記録した閻魔帳、いかなる隠しごともできない生前の行いを映しだすという浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)を細かく点検し、人の善悪を判別するのです。

その誕生は、中国が唐であった時代。
こないだ紹介しました、密教十二天の一人「閻魔天」に「地蔵十王経」、「預修十王生七経」などの思想が加わって作られたもののようです。
中国では「地蔵菩薩」と同体であり、その「地蔵菩薩」が地獄にて救いの手を差し伸べる~という考えの普及と共に、信仰が盛んになったようです。
梵名は「ヤマラージャ」
「閻魔王」、「閻羅王(えんらおう)」とも呼ばれます。



日本では平安末期から高まった「地蔵菩薩」の信仰と共に、認知されることとなりました。
そんな訳で、「閻魔天」の信仰は平安時代でしたが、こちらの「閻魔大王」は鎌倉時代から。
浄土教の広がりと共に、地獄・極楽のイメージも流行。
特に、あまり現実味ない(かもしれない)極楽よりインパクトのある地獄は当時の日本人にて大流行し、八大地獄・八寒地獄・孤独地獄…などが多く語られるようになりました。
(※ちなみに八大地獄:1等活、2黒縄(こくじょう)、3衆合(しゅうごう)、4叫喚、5大叫喚、6焦熱、7大焦熱、8阿鼻、ほか百三十六もの地獄があります)
その地獄界の王、「閻魔大王」は中世から近世にかけて地獄絵の解説をした「絵解き」から、庶民の間でも”死後をゆだねる存在”として畏れられるようになったのでした。
舌を抜かれる
など伝わっている言葉のだいたいは、もともとの仏教からではなくて、世俗的なものであるようです。

そのお姿は一目瞭然。
冠をかぶり、笏(しゃく)を持った中国的な道服のお姿。
激しい怒りの表情がポイントです。
物凄く見つけやすいと思います。
眷属として、「泰山府君(たいざんふくん)」、「五道冥官(ごどうめいかん)」、「司命(しめい)」、「司録(しろく)」などと一緒だったりしますね。
有名な京都は「六波羅光寺」、「六道珍皇寺」ほか、結構あちこち寺院で見掛けると思います。

ちなみに、死後七日目渡るのが、三途の川。
これを渡って、閻魔王庁へと向かうんですねー。




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よくわかる「魔界・地獄の住人」事典―サタン、ハデスから、死神、閻魔大王まで (廣済堂文庫)
幻想世界を研究する会
廣済堂出版

※そんな訳でこうした本を。
 過去に流行したそうですが、やっぱり天国よりも興味深い感じですよね。

白衣観音 (仏像・観音)

2011年05月22日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は”マリア観音”なんて別名もある、宗派を越えてしまいそうな「白衣観音(びゃくえ・かんのん)」です。

なんとなくですが、けっこう見覚えあるのではないかなぁ。
例えば、群馬県高崎市にある大観音、通称「高崎観音」はこちらの「白衣観音」です。
大船駅から見える「大船観音寺」の観音様、京都の隠れスポット「霊山観音(↑上写真)」などもそうですね。
独特なお姿(↓後述します)で印象に残り易いというのもあるかと思いますが、石仏・ブロンズとかをちらほら見掛けているような気がします。

もともとの成立はインドから。
梵名は…本にあった「Pandara-vasini」のカナがなかったのでどう読むのかよく分かんないですが、ネット検索したところ「パーウヌヅラヴーシニー」な様子。
これが「白衣観自在母(びゃくえかん・じざいも)」、「白住処(びゃくじゅうしょ)」とも訳されています。

単独での信仰があったほか、人々を救済するため「観音菩薩」さまが三十三の姿に変えたという「三十三観音」のメンバーの一人。
そちらでは白い着衣をまとって、清楚な姿であらわされるため…”白衣観音”と呼ばれているそうです。
あるいは、「白」が菩提心を意味しているとか、常に白蓮華に座っているためとか言われていました。

図像では宝冠の上から最大の特徴である白衣をかぶることあります。
これがそのまま「マリア様」っぽく、”マリア観音”と呼ばれる要因となっています。
画像で描く場合、特にこちらの姿が好まれているんだとか。

「胎蔵界曼荼羅(たいぞうかい・まんだら)」では、蓮華部の西北隅(左上)に位置。
こちらの場合は、赤色の蓮華座で左手に蓮華、右手は与願印(よがんいん)がいちおうメジャーなお姿。
この場合、特に白衣は描かれていません。



※こちらも「白衣観音」さまです。


ほか、右手に如意宝珠を持つ、念珠(ねんじゅ:数珠)を持つ、左手に羂索(けんさく:縄のようなもの)を持つ…などお姿は様々にあり、一定ではないみたい。
要するに、何かとハッキリしてない方なんですねー。

この「白衣観音」さまは、
”念ずる者の一切の不吉事を、吉祥に転ずる”
というすさまじい効力があり、息災延命の修法などでは本尊にされるようです。




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閻魔天 (天部・仏像)

2011年04月17日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は「閻魔天(えんまてん)」です。
皆さんお馴染みな、おっかない顔の「閻魔大王」とはちょっと違います。
…というか、そっちをやりたいので、その原点であるこちらをやることとしました。
なお、この方はほとんど見掛けず、資料もないため、↑イメージはひでるさんが描いてます。
大雑把にはあんな感じよ。


梵名「ヤマ」、あるいは「ヤーマ」を音写したものが「閻魔」です。
他に「夜摩(やま)」、「焔摩(えんま)」、「焔魔(えんま)」…といった表記もある様子。
また、それに「王」の意味がある梵名「ラージャ」をつけて「閻魔羅社(えんま・らしゃ)」、それを略して「閻魔羅」、「閻羅」というのもありました。
その「ヤマ」には”一対をなす”という意味があり、「双王」とも訳されます。
彼には「ヤーミー」という双子の妹がいたんだって
…どんな顔してるんだろ。

その「ヤマ」は、最初は天上の楽土に住んでいた光明神の一人。
それが人類最初の死者となって冥界へ行き、そのまま死後の世界の支配者となったのでした。
暗黒世界を主催する彼は地獄の王とされ、いつしか死者の生前の行為に従って、賞罰をつかさどる神となっていったのです。
インドの「ヴェーダ神話」、「マヌ法典」では、だいたいそんな感じの内容。
それらの性格が仏教にも取り入られ、さらに密教では十二天の一人として”南方を守る護法神”とされたのでした。

これが中国に伝わって…道教の冥界思想と融合した姿が…冒頭でちょろっと書いた「閻魔大王」です。
別にやりたいので、今回は詳細についてばっさり割愛しますね。
(※ただ、各本の記述はどっちだか曖昧なものもあり、よく分かりません。次の「閻魔大王」記事とセットで見ていただければ幸いです。…まだ書いてないけど)
日本では、密教と共に「閻魔天」が平安時代に、「閻魔大王」はやや遅れて鎌倉時代に伝わった様子。
十二天の一人として信仰されるほか単独の信仰もあり、天台密教「冥道供」では本尊とされます。

その姿は、叙事詩「マハーバーラタ」では王冠をかぶって片手に棍棒、片手に索を持ち、水牛に騎乗していました。
それが密教になると菩薩形。
片手に人頭をつけた半円月のステッキのような、”人頭幢(※)”を持っていて、水牛に半跏座で騎乗しています。
菩薩で水牛なら、ほぼ間違いなく「閻魔天」である筈。
仏像はほとんど見掛けませんが、京都「醍醐寺」には大きいものがありましたよー。
これは必見。

(※)人頭幢(じんとうどう):
儀式または軍隊の指揮などに用いた旗の一種。彩色した布で作り、竿の先につけたり、柱に懸けたりした。
人頭とあるので、先には人の頭がついている。

密教での「閻魔天」は亡者の救済、死すべき者の延命などのご利益があります。
なお、「地蔵菩薩」の化身とも言われています。


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※「えん魔くん」は閻魔大王の甥だそうです。
 なんかリニューアルのやつやってますね。

上野大仏 (東京・仏像)

2011年02月06日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は、東京は上野の隠れた名所「上野大仏」です。

仏像と言って皆さんがぱっと想像されるのが、やっぱり大仏ですよね。
大きいことはいいことだ、ってやつ。
奈良、鎌倉がメジャーですが、なんと東京は上野公園にも大仏がおわすのです。
…頭だけなんですが。
胴体がなく、”もう落ちることがない”ことから、現在では合格祈願として人気な「上野大仏」さま。
シーズンにはちらほら取り上げられることあるので、結構有名であると思います。



この場所は、もともとは越後は村上城「堀直寄(ほり・なおより)」の屋敷があった高台です。
名人として有名な「堀秀政」の従兄弟が「堀(奥田)直政」
彼は”天下の三陪臣”として「直江兼続」、「小早川隆景」らと名を連ねる名将ですが、直寄はその次男でした。

寛永八年(1631)
ここで、敵味方双方の冥福を祈るため、「釈迦如来像」を造らせたのが切っ掛けです。
「関ヶ原合戦」が慶長五年(1600)頃、大坂合戦が慶長二十年(1615)ですから、江戸時代に入って多少落ち着いたあたりですかね。
晩年は上野で過ごしていた直寄。
屋敷を構えていた大名家にはそれぞれ氏寺があったようですが、付近に徳川家の「寛永寺」が建立されると、直寄は色々と寄進をしています。
こちらの大仏も寄進の一つだったようです。
当時は、高さ五メートルという粘土製でした。

正保四年(1647)の地震によって、なんと頭が落下。
それがため、明暦・万治(1655~1660)という間に寄付を募り、僧「浄雲」が青銅大仏に改めています。
木食僧とのことだったので、修行の托鉢で地道に集めたりしたのかな。
元禄十一年(1698)には仏殿が建立されています。
それまでは野ざらしだったんですねー。

天保十二年(1841)には、その仏殿からの火災によって焼失。
これを直寄から続く、越後村松藩の九代藩主「堀直央(ほり・なおひで)」が再建しています。
しかし不幸は続き、安政二年(1855)の大地震でも首が落下。
大正十二年(1923)の関東大震災でも三度頭が落ちてしまうのです。
その後に佛体は解体され、頭はとりあえず「寛永寺」に保管されていました。



地震などによって、合計四回も首が落下しているのです。
うーん…地震多い土地とはいえ、何が悪いんでしょう。
そう考えると、だいたい鎌倉時代からずっと残っている「鎌倉大仏」がどれだけ凄いか、って事ですかね。

この地に戻ったのは、昭和四十七年になってから。
もともとは約七メートルというサイズの大仏でしたが、現在は残った顔だけが奉納されているのでした。
新しい大仏を造る計画もあったようですけど…合格祈願スポットなってしまった今では難しいかなぁ。




[関連記事] 【如来のいろいろ】 
⇒ 仏像の種類 (お父さんのための仏像講座) [前編] [後編]
⇒ 如来 (お父さんのための仏像講座)
⇒ 仏の三十二相(お父さんのための仏像講座) 前編1-16 後編17-32
⇒ 座り方編 (お父さんのための仏像講座)
⇒ 印相編 (お父さんのための仏像講座)前編 後編
⇒ 木彫の技法について (お父さんのための仏像講座)
⇒  お寺で動物ウォッチング「鳥獣座について」(お父さんのための仏像講座)
⇒ 五智如来石像
⇒ お釈迦様・釈迦如来 (
⇒ 大日如来
⇒ 阿弥陀如来 鎌倉大仏 (胎内参拝) 
  五劫思惟阿弥陀如来 みかえり阿弥陀如来 うなずき阿弥陀
  中尊寺金色堂
⇒ 薬師如来 蛸薬師 飛鳥・薬師三尊像
⇒ 弥勒如来
⇒ 毘盧遮那如来
⇒ 四天王編 (お父さんのための仏像講座)


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日本のパワースポット案内 (SAKURA・MOOK 75)
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笠倉出版社

※あるいはこうした場所を順にいって見るのもアリかと。
 効果はあるんかな。



ガネーシャ (仏像・ヒンドゥー教)

2011年01月01日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
週一回更新となり、どうにか首の皮一枚という感じですが、そんな書き出しもいちおう五年目となりました。
ちらほら来て頂ける皆さま、本当にありがとうございます
現在は「沖田畷合戦」の真っ最中なんですが、やはり年明けということでそれに相応しい(かもしれない)ネタをお届けいたします。

去年は、ちょうど見つけていた「戦国武将バスボール」でした。
今回はモノ(写真参照)もあったので…
どうか景気が良くなりますように!
…そんな願いを込めて、神様としてみました。

そうした訳で、今年一回目はヒンドゥー教の人気者、「ガネーシャ」について書いていきます。
ただ、持ってる資料限定的で、さして詳しい訳でもないので、だいたいの触り程度で。


どうですかー、↓この独特なフォルム。



像の頭に太鼓腹。
牙のうち、片方が折れているのが特徴です。
もしヒーローモノに登場したなら、間違いなく敵役になってしまうだろうこの方。
本来はヒンドゥー教(昔は「婆羅門教」)の「シヴァ」神の息子さん。
「ガネシャ」、「誐那鉢底(がなはてい)」とも呼ばれるほか、本来は別の神(夜叉?)であった「毘那夜伽(びなやきゃ)」と同一視されているみたい。
そっち調べたけど、よく分かんなかったですが。
長い信仰の中で色々と尾ヒレがつき、名前とか伝承とかが様々になってしまった~というのが真相のようです。

ヒンドゥー教三神のうち破壊を司る「シヴァ」、女神「パールヴァティー」の子供。
このうち「パールヴァティー」さんは「ウマー(烏摩)」という別名があり…そうです、「降三世明王」が踏みつけてるお二人なんですね。
その誕生話についてもいくつか説があるようですが…一般的と言われるものをひとつ。

旦那「シヴァ」の留守中に子供が欲しいと思った、妻「パールヴァティー」
自らの垢を集めて人形をつくり、そちらから子「ガネーシャ」が誕生しました。
彼を自分の部屋の見張り番として立たせていたところ、「シヴァ」が帰宅。

見張り番「ガネーシャ」は自らの役目を全うすべく、見知らぬ「シヴァ」を追い返そうとしました。
一方の「シヴァ」も、妻の部屋の前で仁王立ちしている、見知らぬ「ガネーシャ」に驚き…なんと、その首をすっぱーんとはねてしまったのです。
ひでえ。
さすがは破壊神。
勝手に子供を創っちゃったのもどうかと思いますが、ともかく子供の無残な姿を嘆き悲しんだ「パールヴァティー」がため、はねた頭を探して世界を飛びまわった「シヴァ」
しかし結局見つからず、最初に出会った像の頭を代わりとしたのでした。
そんな、適当な…。
もう、神様ってハチャメチャですね(笑)


※大きさはこれくらい。

「シヴァ」神の軍勢を統べる将神「ガネーシャ」
悲惨な誕生秘話を持っていた彼ですが、愛嬌ある外観と、知恵と文学、富と繁栄…など現実的なご利益から、庶民の間で大いに信仰を集めたのでした。
特に商売繁盛の神様として祀られております。

これが仏教にも取り入られ、「歓喜天」あるいは「聖天」として、最強クラスのパワーもつ存在になってます。
そのため、各地にある「聖天堂」はほぼ非公開・秘仏。
住職さんですら、お姿を見たことないということもあるようです。



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※人気者なので、当然ながらアイテムも多くありました。
 たとえばこんな感じ。


羅怙羅 (仏像・仏弟子)

2010年11月14日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は「黄檗山萬福寺(京都・宇治)」の回でも唯一大きく取り上げました「羅怙羅尊者(らごら・そんじゃ)」です。


様々に表現される仏像たち。
見ていくと、アフロ状態のもの(五劫思惟)、割れてるもの(西往寺「宝誌和尚立像」)、裸像(新薬師寺「おたま地蔵」)など、たまに驚くようなものが見られます。
こちらの「羅怙羅尊者」も、やはり様々に表現される方なんですが…その1つがやたら独特で、そういったラインアップに匹敵するものでした。

初見はどこぞのお寺にあったポスターです。
ぱっかーとお腹を開いたその姿に、思わず目を見張ったことを覚えています。
もう、その場で即座にお寺名を携帯に登録してましたからねー。

そんな訳で、本日は「釈迦」の高弟である十大弟子・十六羅漢の一人という「羅怙羅尊者」について。
まず、お名前の漢字のうち、「ご」の部分は色々とあるみたい。
いちおう、「黄檗山萬福寺(京都・宇治)」での表記に従っています。



「釈迦」が出家前に妃「耶輸陀羅(やしょーだらー)」との間にもうけたのが、この「羅怙羅さま」です。
ヤルことやってんじゃない。
もう、やだなぁ(笑)

…しかし、彼の名前「羅怙羅」・梵名「ラーフラ」は、インド神話に登場する悪魔「ラーフ」から付けられたとされています。
日食・月食を起こす悪魔なんだそうな。
奥さまの懐妊を知った当時十六歳の「釈迦」は、誕生を喜ぶどころか”障害である”と称したそうです。
現代では社会問題になりそうな、トンデモな旦那ですね。
人生について深く考えていた彼にとって、子の存在は出家の障害だと感じたのでしょう。
あるいは、それが出家の切っ掛けである、とも言われてます。
(※後に二十九歳で出家)

成長した息子「羅怙羅さま」も父を慕い、後を追って出家することとなりました。
これには祖父の「浄飯王(じょうぼんのう)」も大いに悲しんだとされています。
まぁ、釈迦族の後継ぎが次々にいなくなるのだから、それも当然でしょう。
果たしてどこで育て方を間違ったのか…みたいな。



釈迦の実子ということで、彼は当然ながら人々から注目される存在でした。
「羅怙羅さま」もそれを認識し、人一倍の努力をしております。
(もっとも、小さいころは逆だったらしい)
決して驕ることなく、規律をよく守り、”戒行第一”と言われました。
人々の模範になったそうです。

ここからは仏像のお話。
十大弟子の像は単独というのがほぼなく、釈迦像の眷属としてつくられるのが一般的です。
また、それぞれ特に決まった形もありません。
ただし、前述したようにお腹開いた方がいれば、「羅怙羅尊者」で間違いないでしょう。たぶん。
修業によって得た真実の悟りの姿を見るように、と自らの腹を引き裂いてみせた姿だそうです。


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※カワイイ絵柄ですね。
 こうしたので見るのが、最も頭に入るだろうなぁ。

飯縄権現 (本地垂迹・権現)

2010年09月26日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は「飯縄権現(いずなごんげん)」です。

なんとなくでも、名前を聞いたことないでしょうか。
こちらの神様は色々なご利益がありますが、特に戦勝の神として知られています。
そんな訳で、戦国時代に流行したんですね。
軍神として有名な「上杉謙信」は、兜の前立に「飯縄権現」を添えていました。
彼の強さから、そのご利益が本当であると分かるでしょう。



乱れた世の衆生を哀れんだ「大日如来」が、「大天狗(迦楼羅天)」の身を現した~とか、「霊狐(れいこ)」を使う「飯縄法」の本尊とも言われる「飯縄権現」
だいたいは中世頃に流行った様子ですが、諸説あっていまいちハッキリとしてません。

南北朝時代のこと。
後に高尾山薬王院の僧となる「俊源(しゅんげん)」
修法(密教の法ですね)を終え、疲れを感じた彼はそのまま寝てしまいました。
その夢枕に立った神様こそ、今回の主役である「飯縄権現」さまだったのです。

記憶にない、奇異な姿に驚く「俊源」
その姿は…
頭上に蛇を冠としており、憤怒相で鳥のようなくちばし。
白狐に騎乗し、片手には剣。
法衣のようなものを着ており、背中には翼が生え、火炎を背負っていました。
「不動明王」、「迦楼羅天(かるらてん)」、「茶吉尼天(だきにてん)」、「歓喜天」、「宇賀神」の五体合体な神様と言われているそうです。
最強超獣「ジャンボキング」のような神様なんですね。
なお、同じく狐を眷属としている「茶吉尼天」と混同されることもあるようです。

さて、「俊源」は夢に現れたその神様を像に彫ろうとしましたが、異形な姿に困惑したこともあり、作業は困難を極めました。
そんな彼に声を掛けたという異人。
一週間ほどで夢に現れた「飯縄権現」そのものという彫刻を完成させ、いつの間にか姿を消していたそうです。
完成した像は凄まじいオーラを放つもので、祀られた近隣の住はそのご利益を得たのでした。
めでたし、めでたし。



異人は当時の情勢から、中国人ではないかと書かれています。
ただ、夢での姿を形にするくだり、完成した神々しい像、いつの間にかいなくなる…という事柄から察するに、それこそが「飯縄権現」さまっぽいですね。

ある時は「摩利支天」、またある時は「不動明王」、ほか「荒神」、「宇賀神」、「勝軍地蔵(しょうぐん・じぞう)」などなど、必要に応じて変現。
人々の願いをもれなく叶えるというそうです。
(ご利益は”十三大誓願”と呼ばれる)
真言は「おん、ちらちらや、そわか」
なお、戦勝のほか”馬が竜馬のように素晴らしくなる”という利益もあるそうです。
戦時に流行るのも納得。
平和な時代になると、火伏せの霊験によって人気集めることとなるのでした。



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※ちゃんとありました。
 これが「ジャンボキング」です。(右上)

東本願寺「牛久大仏」 (茨城)

2010年09月05日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は茨城県は牛久市の「本山東本願寺」のメイン「牛久大仏」についてです。

行ってきました茨城県。
ちらほらと噂に聞いていた、名高い「牛久大仏」を拝見してきました。
でかかったですよー!

なんと、あの「自由の女神」よりも大きいそうです。
(※自由の女神[台座からたいまつまで]:40m、牛久大仏[台座から頭上まで]:120m)




牛久駅の東口から、タクシーに乗って15分ほど。
運転手さんに指差されて見ると、木々の間からその巨大なお姿が。

で、でかい。 

まさにその一言につきます。
付近にはコレという建造物なく、仏像だけが”どでーん”と、おわしているのです。
スゲェ。
もし、茨城に「ゴジラ」が上陸したなら、確実にターゲットになるでしょう。
…というより、あの神々しいお姿を例えるなら「ウルトラマン」ですか。
デカイのが好きな人は、大満足でしょう。



「牛久大仏」は「阿弥陀如来」ですね。
ブロンズ製の立像。
やっぱり胎内拝観があり、ちょうど大仏をぐるりと回って後方から入場です。

入り口のスペースは区切られており、ある程度のタイミング毎に入ることとなります。
入口を閉じられ、にわかに周囲を暗くされると説明。
その後に手前の扉が開き、中へ入ると…電飾バリバリ、虹色に輝く空間が!!
暗闇の後なので、なかなか圧巻。
こちらが、一階「光の世界」
通路は円になっているため、まるで円盤の中にいるみたいでした。



ただ、ぶっ飛んだ演出はこれまで。
大仏製作過程、仏画、写経スペースがあるくらいで、仏像がズラリ並んでいるとか、派手な電飾があるとか、電動な仕掛けがあるとかは特になく、なんだか尻窄み

最上階、胸あたりからの景色はさぞよさげに感じるかもしれませんが…スリット状で、隙間から覗くような感覚。
全方位ガラス張りというのも落ち着かないですが、これはこれでやや面白味薄め。
高さの感覚で言えば、こないだの栃木県は「平和観音」のがありました。



その大きさにはかなり圧倒されましたが、正直なところ今一歩、二歩。
これで仏像が居並ぶ宝物館とかあれば良かったんですけどねぇー。

なお、他の施設としては、土産物店や飲食店。
広い庭園があるほか、子供向けのミニ動物園もありました。
ちなみに、時期をはずしていたためか、動物園はまさに閑古鳥が鳴くような状態。
ウサギが隅っこに固まってましたよ。
なお、寺領にはお墓の分譲がされており、お盆時期になると車が長蛇の列をつくるそうでした。
観光時期には、くれぐれもご注意下さい。


[住所]
 本山東本願寺[牛久大仏] 茨城県牛久市久野町2083

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※ひでるさんイメージはこんなん。
 神々しいですよ。

竜王 (仏像・八部衆)

2010年08月15日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は前に紹介しました「八部衆」の一人、「竜王(りゅうおう)」です。

名前でピンとくる方は多いでしょう。
言わずと知れた、超人気ロールプレイングゲームのラスボスです。
せかいのはんぶんをやろう
…って、やつですね。
ここでは違いますが。

「竜」という実在しない動物(?)はお話に使いやすいキャラクターであるらしく、その他のゲームにもよく顔を見せていたり、まんが日本昔ばなしのオープニングに登場していたり、十二支のメンバーになっていたり…と、売れっ子で多忙な方でした。

これが仏教になると、”水中の神”、”蛇身の神”となるのです。
そう言えば、「斎女伝説クラダルマ/柴田昌弘」に登場していた八部衆の「沙羯羅竜王」も水を自由に操っていたっけ。
知りませんか、そうですか。




梵名は「ナーガ」
これを音写して、「那伽」となります。

古代インドのナーガ族が信仰していた、「蛇」を神格化したもの。
ナーガ族が仏教徒になってからそちらの神様も取り込まれ、護法善神となりました。
大海に住み、雲を起こして雨を降らすという、人面蛇身の神であった様子。
異形ですねー。
「宇賀神(うがじん)」みたいな感じなのかな。

なお、「八部衆」の際にも書きましたが、単一の名ではありません。
”竜族”みたいな感じなんですね。

釈迦誕生の時に水を注いでいた「竜王」ほか、仏典には多くの「竜王」が登場しています。
「法華経」には八大竜王が登場しており…

1 「難陀(なんだ)竜王」
2 「跋難陀(ばつなんだ)竜王」
3 「沙羯羅竜王」
4 「和脩吉(わしゅきち)竜王」
5 「徳叉迦(とくさか)竜王」
6 「阿那婆達多(あなばたった)竜王」
7 「摩那須(まなす)竜王」、
8 「優鉢羅(うばら)竜王」

…と、いったメンバーがおります。
それぞれ蛇頭の冠だったり、頭は人で体が蛇という、元々のイメージに近い方もいるようでした。



中国では、四神の一人「青竜」とイメージが重なっており、姿は唐風。
そちらに渡っていた我らが「空海」も当然ですがそのイメージを受けており、神泉苑で出現したという「善女(ぜんにょ)竜王」も、唐風の衣装で竜に乗っているのでした。
なお、彼女は「沙羯羅竜王」の第三王女で、もともとはインドの神。
中国・青龍寺を守護していましたが、いろいろあって「空海」と共に来日しております。
複数のお寺を巡った後に京都・醍醐寺の山頂に留まり、守護女神「清滝権現(せいりゅう・ごんげん)」として、真言密教を守護するのでした。

ちなみに、彼女を祀る「清滝宮拝殿」は室町時代の国宝。
ほか、俱利迦羅剣にまとわりつく、足を持つ姿の「俱利迦羅(くりから)竜王」は、「不動明王」を念ずる力によって保護をほ受けるところから、その化身としての信仰があります。
(※上写真左)

そのほか八部衆像が有名な奈良「興福寺」では、蛇頭の冠の武人風、二十八部衆像が残る京都「三十三間堂」、福島「恵隆寺」には、同じく武人風な「難陀竜王」、「沙羯羅竜王」が見られます。
レアなので、行った際にはじっくり見てみて。


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※これです、コレ。 
せかいのはんぶんをやろう
 …って、それ変身前なんですが。

大谷観音前立 平和観音とおまけ (栃木県・宇都宮市)

2010年06月27日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は…先日紹介しました栃木県宇都宮市の「大谷観音(おおや・かんのん)」のすぐ近く、大きいことはいいことだな「平和観音」です。

やっぱり巨大なものってーのは良いですね。
先日「大谷観音」を紹介しましたが、こちらの「平和観音」は近年に制作されたその前立なのでした。


敵味方合わせて、戦死者幾百万という第二次世界大戦。
その戦死者の霊を弔うと共に、世界平和を願って「平和観音」は作られました。

まだ戦後間もない、昭和二十三年(1948)
元大谷観光協会と地元の方々によって、採石場の側面を利用して刻まれました。
なんとコレが”全て手彫り”なのだそうです。
それは凄い!
…本当ですか?

そんな訳で、完成までにかなり時間を要しており、六年ほどの時間を必要としています。
完成は、昭和二十九年(1954)とのこと。
皆さま、お疲れさまでした。
続く昭和三十一年(1956)には「日光山輪王寺」の門跡「菅原大僧正」によって開眼の秘法が行われ、めでたく観音様となったのでした。



その身長(高さ)は八十八尺。
約二十七メートルだって。
先の磨崖仏「大谷観音」も結構大きなイメージでしたが、そちらは約四メートルくらいです。
対面して左側から背中側へのぼることができます。
階段は少ないものの、結構急。
上から見ると、↓こんな感じ。
付近の町が一望できます。




…これだとやや少ないので、もう1つ簡単に。
前回の「大谷寺」のオマケ話ですね。
そちらのお寺には池と弁天堂があるんですが…中島にあるお堂の両サイドには、白蛇がいたのです。

むかしむかし。
こちらの池には毒蛇が住みつき、人々を悩ませていました。
この話を聞いた「弘法大師」こと「空海」は、秘法をもって蛇を退治したのです。

…って、「大谷寺」の縁起そのままですね。
もしかしてこの池のことデスか!?
(※右下写真みたいな白蛇がいます)



ただ、縁起では退治されたという毒蛇でしたが、こちらのエピソードでは心を入れ替えて白蛇となり、弁才天に仕えることとなるのでした。
なお、参拝後に白蛇の頭を軽くさすると、後利益があるそうです。

あ、さすってないや。



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※なんと!金運も授けてくれるのでした。
 …って、白蛇殺生しちゃってるじゃん!!

かっぱ商店街とかっぱ寺 (東京・曹源寺)

2010年06月06日 | 仏像
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本日は東京都は台東区、”かっぱ寺”の愛称で有名な「曹源寺」とその周辺についてです。



行ってきましたよ、かっぱ天国。
浅草駅から歩いてだいたい10分ほど。
この付近は料理飲食店器具や菓子道具を販売する商店街があるんですが…街角でちらほら目につくのが「河童」なのでした。
ついてる名前も「かっぱ橋(合羽橋)道具街」です。



今から二百年前。
文化年間(1804~1818)は江戸時代で十一代「徳川 家斉(とくがわ・いえなり)」の頃。
昔このあたりは水はけが悪く、僅かな雨でも洪水していました。
そこで商人「合羽屋喜八」は私財を投げ出し、治水のため工事を始めたのです。
しかし、その工事は難航。
なかなか捗らなかったようなのです。

その様を見ていたのが、隅田川の河童たち。
昔「喜八」に助けられていたことがあった彼らはその侠気(おとこぎ)に感じ、人知れず夜な夜な工事を手伝っていたのでした。
その河童らを見た人はなぜか運が開け、商売繁盛したというんてすが…そんな故事にちなんで「合羽橋」とされたのです。

いかにも江戸っ子が好きそうなお話ですね。
なお、地名ま由来には、別の説もありました。

伊予国新谷藩の加藤家・下屋敷に住んでいた侍や足軽たち。
彼らが、内職に作っていた雨合羽(あまがっぱ)
これを近くの橋で乾かしており…いつしか「合羽橋」と呼ばれることとなったのです。




…ぶっちゃけ、そっちのがリアルっぽいかな。

ともかく、ここ「曹源寺」には喜八の墓と共に、河童が大明神として祭られたのでした。
こぢんまりとしたお寺でしたね。
河童大明神を祀るお堂には、なんと河童の手のミイラがあります

本当にいたんですよ! 

戸の隙間から見えたそれは…まぁ、まあ(笑)
そのほか、天上には漫画家さんらのかっぱ絵もあったりします。



また、明治末期から大正初期に古道具を取り扱う店の集まりから発生したという合羽橋道具街の一画。
誕生九十年にて建立された、「かっぱ河太郎」の像と石碑がありました。
金に輝く姿がなかなか凛々しい、かっちょえー像でしたよ。



なお、かっぱ様へのお唱えの言葉は…「おん・かっぱやそわか」だそうでした。
本当かなぁ。



お供えはやっぱりキュウリでしたねー。


[住所]
”かっぱ寺” 曹源寺 東京都台東区松が谷3-7-2

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※かっぱと言えばこんなんですね。
 るんぱっぱ。

三井寺 (滋賀・園城寺)

2010年05月30日 | 仏像
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本日は滋賀県大津市の「三井寺(みいでら)」です。
たぶん…まだやってなかったと思うので。

実は「園城寺(おんじょうじ)」という、こちらのお寺。
その正式名称は「長等山園城寺(ながらさん・おんじょうじ)」なのでした。
…「三井寺」ではないんですねー。
というか、一文字もそんなん出て来ないんですが、詳しい理由については↓下でお伝えします。

現在でも広い寺領のあります「三井寺」は、やたらめったら古い歴史のあるお寺でした。
もともとの起こりは弘文元年(672)のこと。

三十八代「天智天皇」の死後、後継者争いの「壬申の乱(じんしんのらん)」が勃発しています。
「天智天皇」の弟で人望・実力のあった「大海人皇子」が後継者と目されていましたが、「天智天皇」には実子「大友皇子」がいたのです。
心情的にも、やっぱり我が子に皇位を…と願った「天智天皇」
いつしか両陣営には、自然と緊張した空気が流れていたようです。
危険を察知した「大海人皇子(天武天皇)」は先んじて吉野の山中へと逃れ、後に挙兵して「大友皇子(弘文天皇)」と対立。
瀬田の唐橋にて「大友皇子(弘文天皇)」勢は敗れてしまったのでした。

その「弘文天皇」の子「大友与多王」
無念の死を遂げた父の霊を弔うため、私財を投じてお寺を建立したのです。
私財ってのが、「田園城邑(でんえん・じょうゆう)」…要するに田畑から屋敷に至るまでのこと。
過去のライバル「天武天皇」より「園城(おんじょう)」の勅額(※天皇自筆の額)を賜り、「長等山園城寺」となったのでした。
平安時代には、朝廷から貴族までの信仰を集め、かなりの勢力があったみたい。


※金堂

さて、前述しております、なぜ「三井寺」と呼ばれるのか
こちらには各天皇(天智、天武、持統)の産湯に用いられたという霊泉がありました。
それがため、”御井(みい)の寺”と呼ばれていたんですね。
後に「智証大師」こと「円珍和尚」が、「三部潅頂」という催しにて使ったことが広く伝わる切っ掛けだったみたい。たぶん。

天台別院となったのは、中興した「智証大師」です。
この際に、”日本四箇大寺”にもなっているんですが、その後は内部の対立、比叡山延暦寺との対立、また源平合戦、南北朝の混乱など、再三の兵火に遭ってしまうのです。
相当な回数の焼き討ちをされながら、「源頼義」、「北条政子」、「北政所」、「徳川家康」…など、権力者の寄進で再興。
ついたあだ名が、冗談みたいな「不死鳥の寺」なのでした。


※単独で国宝展ができるくらいです。

現在のお寺は、だいたいが桃山時代から江戸初期頃のもの。
相当数な寺宝を持っており、国宝は十件、重要文化財は四十二件と 、古いだけあってさすがの品ぞろえ(笑)

国宝の金堂は豊臣家「北政所」の寄進によるもの。
慶長四年(1599)だから、もうすぐ関ヶ原な頃ですね。
本尊の「弥勒菩薩」は秘仏。
これが絶対秘仏なので、公開されることはないようです。
仁王門(※↑上写真)、釈迦堂などは重文。

有名な「黄不動」は日本三不動の一つ。
平安時代の国宝でやっぱり秘仏。
これは「金色不動明王画像」で、いわゆる立体モノでなくて絵。
先ほどの「智証大師」が感得したのだとか。


※弁慶の引き摺り鐘 ~確かに傷が見られます。

近江八景の一つとしても有名な「三井の晩鐘」
桃山時代のもので、県指定の文化財。
宇治「平等院」、高尾「神護寺」と共に日本三銘鐘されています。
その音色は「日本の残したい音風景百選」にも選ばれているんだとか。
それのモデルとなったのが、「弁慶の引き摺り鐘」
こちらは奈良時代の重文。
ああ、確かに引きずったような跡がありました。
誰が「弁慶」と組み合わせたんでしょうねー。
奈良時代の作とされ、「藤原秀郷」が例の百足退治のお礼として竜宮から持ち帰ったもの。
それを三井寺へ寄進したんですが…弁慶が奪い、引きずって叡山まで持っていこうとしたらしい。
撞いてみたところ、
”イノー・イノー”と、関西弁で「帰りたい」と響いたので、怒って谷底へ投げ捨てたんだとか。
とんでもないですね。

他にも珍しい仏像がずらりと揃っており、広さと多様な文化財でなかなか楽しいお寺でした。


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※武蔵坊弁慶…って、べべべ弁慶!?
 これはすごい。