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”四町四方に足りぬ”という赤坂城 (楠木正成)5

2009年12月27日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
南北朝時代を勉強中…ということで、時代の英雄「楠木正成(くすのき・まさしげ)※写真」についてお送りしております。
随一という戦功を上げ、数年のうちにこの世を去ることとなった、”歴史に残る戦術家”の活躍をご覧下さい。

実権を取り戻すべく、精力的に活動する「後醍醐天皇」
元弘元年(1331)の計画は事前に発覚してしまいましたが、京都を脱出した彼は遂に笠置山にて挙兵したのです。
付近の土豪ばかりが集合する中、スピリチュアルな体験(笑)から”楠木多聞兵衛正成”という武士に出会いました。
しかし、籠った笠置山は幕府勢の猛攻を受け、約一カ月ほどで陥落。
山中をさ迷った「後醍醐」は捕えられてしまったのです…。


「後醍醐天皇」は京都へと送られ、六波羅探題に幽閉されました。
笠置山を無事に陥落させた幕府勢。
続いて、「楠木正成」ほか五百の兵が籠る赤坂城を包囲しました。
ようやく登場した今回の主役ですが、いきなり大ピンチです。

正成が籠ったという、有名な赤坂城。
こちらは”四町四方に足りぬ”という小城だったようです。
しかも、彼が籠城した際は、まだ築城最中の未完成な状態であったとされています。

完全ではなかったんですねー。
びっくりです。

足なんて飾りですよ」と言ったか、言わなかったか。(←それは別の話)
笠置山が彼の予想以上に早く陥落してしまったため、正成は工事半ばにして幕府の大軍を受けることとなるのです。

ここでちょっと気になったのが、”四町四方に足りぬ”という大きさ。
※四町四方:
 四方は東西南北の四つの方角のこと。
 一町は三〇〇〇坪、約109.09メートルなのだとか。
 そうすると…一万二千坪以下?
 東京ドームが約一万四千坪らしいので、城としては小さい…のかな。
 よく分かんないですが。
 なお、寺院での四町四方の場合は大伽藍という説明でした。
 
さて、赤坂城は総勢一万という幕府の大軍によって包囲されました。
第四軍までで構成されていたようですが、後に活躍する「足利尊氏」は、その第四軍を率いる大将として参加していたようです。

ちなみに、赤坂城は正成というより、「後醍醐」の息子「大塔宮護良親王(おおとうのみや・もりながしんのう)」が身を寄せているという情報がありました。
そんな訳で、取るに足りない程度の小城でも、幕府にとっては”捨てておけない存在”だったのでした。

すっかり侮っていた幕府勢。
しかし、ここで正成の得意とする縦横無尽な奇策に対し、さんざんに翻弄された…と、伝わっています。
当初の予想に反してしぶとく抵抗したものの、城は未完成で兵糧の蓄えも少なかった赤坂城。
だいたい一週間ほどにて、落城してしまうのでした。

元弘元年十月 赤坂城 落城

⇒ つづく。
  次回は「護良親王・吉野山に挙兵」 (6/16)
  
[関連記事] 【歴史・その他】
⇒ 「両・分・朱」の貨幣制度
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※そんな訳で元ネタはこちらです。
 でも…足あっても勝てたかどうかわかんないですね。

上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん (キンレイ・冷凍食品)

2009年12月24日 | ネタ
のんびり気軽にさんぽがてら。
現在はようやく「楠木正成」さまが登場し、その活躍を…というイイところなんですが、ごめんなさい。
緊急企画です。

先日記事と共にお伝えしました『「謙信公のかちどき飯」が冷凍食品に! (キンレイ・冷凍食品)』というネタ。
その際は、”結局どこにも売ってなかった”というがっかりな結末でした。
まぁ、その代わりに食べた「武田信玄ゆかりの味噌鍋うどん」
こちらが非常に美味く、こないだテレビ朝日の番組を見ていたら…冷凍麺のランキングでも他を押しのけて1位という結果を出していました。
ちょっとびっくりよ。
トップクラスな冷凍麺だったんですねー。

そんなこんなで、タイトルにしながら食べれなかった「上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん」をようやくゲットできたので、さっそく紹介いたします。


■キンレイ、「戦国ブーム」をテーマにした「上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん」を発売
 [日経新聞] 2009年11月24日

寒い季節にピッタリ!今尚ホットな「戦国ブーム」をテーマにした新商品!
『戦国うどん』シリーズ第2弾 新発売!
『上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん』
「かちどき飯」の中の一品「集め汁」をヒントにした本格寄せ鍋うどん!!

 株式会社キンレイ(本社:大阪市 社長:木林 靖治)は、上杉謙信が“かちどき飯”として兵に振舞った「集め汁」をヒントにした『上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん』[内容量542g、標準小売価格450円(税込)]を、11月30日より順次、全国のコンビニエンスストアの冷凍食品コーナーにて発売開始いたします。

【 発売背景 】
 『戦国うどん』は、人気の戦国武将にゆかりのある郷土料理をモチーフとして開発したキンレイの新しい冷凍うどんシリーズです。9月28日に発売されたシリーズ第1弾『武田信玄ゆかりの味噌鍋うどん』に続くシリーズ第2弾『上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん』は、上杉謙信が兵士の士気を高めるために出兵の前に振舞ったと言われる「かちどき飯」の中の一品「集め汁」をヒントに、具材をふんだんに使った寄せ鍋うどんとしました。

 “戦国ブーム”は今尚ホットな話題として、関連書籍の発売・ショップの出店・地方の町興しなどの展開が続いております。当社はこのブームを単にモチーフとして取り入れるだけでなく、その人物にゆかりのある郷土料理としてご自宅で味わっていただけますよう、材料・味にこだわった商品開発を行っております。

【 商品概要 】
●味噌味に良く合う、「もっちり」とした食感の麺で昔らしさを表現しました。
●スープは「越後産味噌」を使用し、魚介の旨みを引き出したスープに仕上げました。
●具材は10種類。根菜類や鮭のほぐし身、車麩、まいたけ等、彩り良く盛り付けました。
 ・商品名:上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん
 ・価 格:標準小売価格 450円(税込)
 ・内容量:542g(めん160g)
 ・内 容:つゆ、麺、具材[野菜(人参、大根、ほうれん草、ごぼう)、まいたけ、鶏つくね、鮭、椎茸、かまぼこ、車麩]、別添味噌小袋
 ・サイズ:168mm×168mm×57mm
 ・販売先:全国のコンビニエンスストアの冷凍食品コーナー
 ・発売日:2009年11月30日

【読者のお問合せ先】
 株式会社キンレイ 食品事業カンパニー営業本部(東京)
 TEL:03-3989-0466
キンレイHP
 ---------------------------------- 。。。


前回よりも詳しい記事があったので、掲載してみました。
ほぼそんな感じですね。



さて、こちらが先日雨の中を走り回っても見当たらなかった、「上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん」です。
…ついに見つけましたよ!
あれだけなかったものが、ふと入ったコンビニであっさり見つけてしまいました(笑)
あんがいそんなモノですよねー。



■調理前。
こちらもミソスープ(越後産味噌)ですね。
別の袋になっており、火を止める直前で混ぜて煮立たせるのです。



■弱火で1分くらいやった後、強火に切り替えます。
だいたい6~7分くらい。
やはりミソスープは別にお湯で温めておきました。


 ・
 ・
 ・
 


■こちらが完成です。
※具材
 人参、大根、ほうれん草、ごぼう、まいたけ、鶏つくね、鮭、椎茸、かまぼこ、車麩(くるまぶ)


もっちりとした食感の麺。
…なるほど、もっちりです。
適度な歯ごたえあり、もちっとした美味しい麺です。
カップ麺でこーはいきません。
ただ、具材としては「信玄の~」と違ってややメインに乏しい感じ。
(※あちらにはカボチャと巾着、れんこんなど大きい具材があるのね)
人参や大根など野菜はかなり細かくカットされており、鮭もほぐされてます。
ある意味食べ易くなっているとも言えますが。
まいたけ、シイタケなどキノコ類が口の中では目立ってました。
野菜もキノコも普通に美味しいですね。
もっとも特徴的な「くるまぶ」は汁を吸って柔らかく、じわーというウマ味がありました。
味噌味のスープはやはり濃くなくさらりとしており…「信玄の~」よりも薄い感じ。
なんとなく。



うん、やっぱり冷凍麺ってのは美味いです。
麺から具材までインスタントな感じなく、アルミな容器を入れ替えれば食事時に普通に出しても分かんないと思います。
なにしろ、謙信が出陣でふるまったとされる「かちどき飯」です。
なんだか今日は勝てそうな気がしますよ!!
(※何と勝負しているのかは不明ですが)
第3弾はあるのかなぁ…。


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※皆が気になる戦国時代の生活本です。
 気になるでしょー。

存在さえも不確かな正成さま (楠木正成)4

2009年12月20日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
南北朝時代を勉強中…ということで、時代の英雄「楠木正成(くすのき・まさしげ)※写真」についてお送りしております。
随一という戦功を上げ、数年のうちにこの世を去ることとなった、”歴史に残る戦術家”の活躍をご覧下さい。

後に吉野朝廷(南朝)を開くこととなる「後醍醐天皇」が即位。
実権を取り戻すべく精力的に活動する彼でしたが、元弘元年(1331)の計画も事前に発覚。
京都を脱出し、笠置山に挙兵したのです。
集まる兵は付近の土豪ばかりという中、なんらかの歴史の奇跡によって、”楠木多聞兵衛正成”という武士に出会ったのでした。

私が生きている限り、ご聖運は必ず開けると思し召し下さりますよう…


さて、ようやく登場した英雄「楠木正成」さま。
これだけ有名な方なんですが、その素性はいまいちはっきりしないという、謎の多い人物なのでした。

時代を戻して永仁二年(1294)
生年不詳な正成ですが、この年に誕生したと言われています。
実際のところ親も不確かではあるんですが、河内に勢力を持っていた「楠木正遠」の子とよく書かれていました。

ほとんど謎なんですね

河内国金剛山付近の赤坂には、正成の屋敷跡があります。
紀伊の橘氏、河内の橋本氏らと婚姻関係があるとされ、付近ではなかなかの有力豪族であった…らしいという推察。

元弘元年(1331)
「天竜寺文章」の記録に、”悪党「楠木兵衛尉」が和泉国若松荘に押し入って乱暴した”と残っています。
こちらの「楠木兵衛尉」こそ、正成ではないのか?ということ。
ちなみに、ここで言う”悪党”とは、「源義平(みなもとの・よしひら)」の通称”悪源太(あくげんた)”と同じく、”悪人”というよりも”強い”というイメージです。
若松荘から略奪をし、兵を養っていた、ということみたい。

とりあえず、強い楠木さんが付近にいたらしい。
よくは分かんないのですが。

そんな訳で、実績どころか存在さえも不確かだった程度の「楠木正成」さま。
「後醍醐天皇」と面会を果たした正成は、さっそく赤坂にて挙兵の準備に取りかかりました。

一方の幕府勢。
宇治は平等院へ七万五千という大軍を終結。
「後醍醐」の笠置山をぐるりと包囲したのです。
なお、この際に「楠木正成」挙兵の報告があり、”大いに幕府勢を狼狽させた”とか書いてあるんですが…まだ名前すらよく知られてない正成ですから、これは誇張か後の創作ではないかなぁ。

幕府の大軍勢に対し、天皇方は巨石を落とすなどして抵抗しました。
決死の防戦につとめたため、攻めあぐねた幕府勢。
ここで幕府側の一部が夜陰に紛れて忍び込むことに成功し、寺の四方へ火を放ったのです。
こうして、笠置寺のほとんどは焼失。
混乱を好機と見た幕府勢は一気に押し寄せ、内通者が出たと勘違いした天皇方は大混乱に陥ってしまうのです。

共に戦っていた公卿たちは、裸足のまま山中へ飛び出すような始末。
大将たる「後醍醐」は笠置山からの脱出を狙いましたが、二日間ほど山中をさ迷った揚句、結局捕えられてしまったのです。
なお「後醍醐天皇」の笠置山は、九月三日から二十八日まで粘った末に陥落しております。

⇒ つづく。
  次回は「”四町四方に足りぬ”という赤坂城」 (5/16)
  

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※謎つながりです。
 昔の生活とんなんとかが見直されてますよね。

木に南と書けば…”楠”である (楠木正成)3

2009年12月17日 | 歴史
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南北朝時代を勉強中…ということで、時代の英雄「楠木正成(くすのき・まさしげ)※写真」についてお送りしております。
随一という戦功を上げ、数年のうちにこの世を去ることとなった、”歴史に残る戦術家”の活躍をご覧下さい。

交互に皇位へつくこととなっていた、「亀山天皇」の血族である”大覚寺統”、「後深草天皇」の血族である”持明院統”
両陣営が対立する中、後に吉野朝廷(南朝)を開くこととなる「後醍醐天皇」が即位。
精力的に活動する彼は実権回復のため倒幕を目指しますが、正中元年(1324)の倒幕計画に失敗。
続く元弘元年(1331)の計画も事前に漏れ、ついに”三種の神器”と共に京都を脱出したのでした。


奈良へと向かった「後醍醐天皇」
四十九の僧坊を持った笠置寺のある、笠置山にて挙兵したのです。
(※あちこち移動した結果、結局ここに落ち着いたというのが正確ですが)
しかし、兵を募った「後醍醐」の元に馳せ参じたのは、期待に反して付近の土豪ばかり。
幕府に不満はあったものの、まだその威光は健在だったのです。

そんな頃、「後醍醐」はある夢を見るのでした……
(※スピリチュアル風にお読みください)

庭に、一本の大きな常磐木(ときわぎ)がありました。
特に南に向けての枝が良く繁っており、その下には多くの貴族らが居並んでいます。
その木影に南面した玉座には、まだ誰も座っておりません。
なんだろう、と不思議に思っているうち、二人の童子が現われ…
これこそ天皇の玉座である
そういって、ふと消えたのでした…。

ここで目覚めた「後醍醐」
その夢を色々と考えるうち、
「木に南と書けば”楠”である」
と、気付きました。

そこで、付近の者に尋ねてみたのです。
「このあたりに楠という武士はいないか」
「河内国の金剛山ふもと赤坂に、”楠木多聞兵衛正成”という武士がおります」
「そうか、連れてまいれ」
…というやりとりがあったか、なかったか……。

ともかく、なんらかの歴史の奇跡によって、正成は「後醍醐」と運命の出会いを果たしたのです。
さして実績の無い彼でしたが、さすがに時代の英雄。
言うコトが違います。

私が生きている限り、ご聖運は必ず開けると思し召し下さりますよう…

こうして、地元に戻った正成は赤坂にて挙兵を準備。
同じころ、「後醍醐」の皇子「護良親王」も金峯山寺のある吉野山にて挙兵準備を進めるのです。
これら一連の事件が、いわゆる「元弘の変」なのでした。

⇒ つづく。
  次回は「存在さえも不確かな正成さま」 (4/16)
  

[関連記事] 【室町時代セット】
⇒ 室町時代(歴史さんぽ)
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※はい、こちらが元ネタです。
 深夜の時は見る機会があったんですけどねー。

倒幕計画を練る後醍醐天皇 (楠木正成)2

2009年12月13日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
南北朝時代を勉強中…ということで、時代の英雄「楠木正成(くすのき・まさしげ)」についてお送りしております。
随一という戦功を上げ、数年のうちにこの世を去ることとなった、”歴史に残る戦術家”の活躍をご覧下さい。
まぁ、まだ正成は登場してないんですが(笑)

八十八代「後嵯峨天皇」には、兄「後深草(天皇)」、弟「亀山(天皇)」という二人の皇子がいました。
この「後嵯峨」が兄「後深草」へから弟「亀山」へ譲位させたことを切っ掛けに、幕府が介入。
「亀山天皇」の血族である”大覚寺統”、「後深草天皇」の血族である”持明院統”が交互に皇位へつくよう決定したんですが、ここから両陣営の対立が始まってしまうのです…。


こうした中に登場したのが、九十六代「後醍醐天皇(※写真)」です。
後に吉野朝廷(南朝)を開くこととなる彼ですね。
「後醍醐」は「亀山天皇」の血族である”大覚寺統”で、「後醍醐」にとって「亀山」は祖父という関係。

即位した当初は三十歳を越えていました。(※通常は二十歳前くらい)
彼はお飾りの天皇ではなく、実権の回復と倒幕を目指しておりました。
しかし、正中元年(1324)の倒幕計画は「土岐頼員(とき・よりかず)」がその妻に漏らし…その実父が六波羅探題(京都の監察・治安維持みたいな役職・機関)の奉行であったというオチ。

こうして計画は幕府の知るところとなり、側近「日野資朝」らが処分されました。
これが正中の変の簡単なところ。

計画した「後醍醐天皇」に対する直接の処分はなかったものの、圧迫は日増しにじわりと強まりました。
また、皇子には”持明院統”の「量仁親王」を立てられてしまうのです。

元弘元年(1331)
またもや…というか、前回の失敗にめげることなく「後醍醐」は新たな倒幕計画を練っていました。
前回は武士から計画が漏れたため、今回は神社や寺、山伏などの兵力を借りることを考えたのです。
その息子「大塔宮護良親王(おおとうのみや・もりながしんのう)」を天台座主に送り込んだのも、”僧兵勢力を握る目的であった”と言われています。
しかし、ここまで大規模な秘密を守り続けることは、容易ではありません。

この年の四月。
なんと朝廷の重臣「吉田定房」が、計画を密告してしまうのです。
(※彼は前回もその行動を諫めています)
こうして再び事は発覚し、側近「日野俊基」が主導者とされて捕縛され、鎌倉にて処刑されてしまうのです。
ほかにも、天皇が招いていた「円観」、「文観」、「忠円」らの僧も捕えられ、流罪となりました。
”幕府を調伏した”という大罪ですね。

こうした状況の中、追手が自分のところまで来ると判断した「後醍醐」は、先んじて”三種の神器”と共に京都を脱出したのです。
”三種の神器”は、天皇が継承する宝物。
(※八咫の鏡、草薙の剣、八尺瓊の勾玉[goo辞書])
いわば正当の証たるものだそうです。
これが八月のことでした。

⇒ つづく。
  次回は「木に南と書けば…”楠”である」 (3/16)


[関連記事]  【 源平合戦 祭り 】
⇒ 武家の名門「清和源氏」とは?
⇒ 源頼光と四天王 <前編> 実際の頼光さま
⇒ 源頼光と四天王 <中編> 虚像の頼光さま
⇒ 源頼光と四天王 <後編> 四天王は存在した?
⇒ 鎮守府将軍 「源頼信・源頼義」
⇒ 八幡太郎の真実 「源義家はすごかった」
⇒ 八幡太郎の活躍 「前九年の役」
⇒ 名を上げた源家と奥州藤原氏の祖 「後三年の役」 前編 後編
⇒ 棟梁をねらえ! 新羅三郎「源義光」
⇒ リアル・なんちゃら無双の真実と虚実 (巴御前) 前編 後編
⇒ 伊勢平氏 (平正盛) 前編 後編
⇒  頼朝の危機を救った忠義の武士 (土肥実平) [前編 中編 後編
⇒ 人呼んで”悪源太”こと「源義平」 「大蔵館合戦」[ 
⇒ 欲望渦巻く天皇家 (鳥羽院・平安時代末期)
⇒ 源平激突!白河殿 「保元の乱」[  
⇒ 源氏衰退、平家政権樹立 (平治の乱)[   
⇒ 直接対決!鎌倉幕府vs朝廷 「承久の乱」[       ]
⇒ 義仲寺 (滋賀)


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建武中興―後醍醐天皇の理想と忠臣たちの活躍
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※後醍醐天皇はなかなかおもろい方でした。
 魅力的ではあったと思います。

歴史に残る戦術家 (楠木正成)1

2009年12月10日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
現在は南北朝時代を勉強中です。
前にいきなり息子さんをやりましたが、有名どころもさして詳しくないので、本日はこちらにしてみました。
調べて驚きましたが…この方、非常に活躍した期間が短いんですね。


北条氏の支配していた鎌倉時代。
武士の時代は各一族の繁栄がために御恩と奉公というシステムが崩れ、また第十四代執権「北条高時」も政治から離れるなど、急速に幕府への不満が高まっていました。
一方、朝廷では「後醍醐天皇」が即位。
野望に燃える彼は”公家政権”の復活を目指し、打倒幕府の行動を取るのでした。

しかし、正中(1324)・元弘(1331)の倒幕計画はどちらも失敗。
「後醍醐天皇」は隠岐(※島根県ね)へと配流になってしまうのです。
それでも、北条氏の支配に不満をもっていた武士たちが各地にて蜂起し、ついに倒幕となったのでした…。

その最大の立役者こそが、”悪党”とも呼ばれる「楠木正成(くすのき・まさしげ)」その人だったのです。
ほぼ無名であった彼がぱっと歴史の表舞台に登場
随一という戦功を上げ、数年のうちにこの世を去ることとなった”歴史に残る戦術家”の活躍をご覧ください

とりあえずは朝廷の混乱について。
八十八代「後嵯峨天皇」には、兄「後深草(天皇)」、弟「亀山(天皇)」という二人の皇子がおりました。
(※ややこしくなるので、名前は統一してます)
慣例どおりに兄「後深草」へ譲位し、院政を開始。
しかし、弟「亀山」を愛していた「後嵯峨」は早々に兄「後深草」を退位させ、「亀山」を即位させてしまったのです。
院政が行われていたため、実権はほとんどなかった様子なんですね。
一時的に天皇にはなったものの、どうにも面白くないのが兄「後深草天皇」
しかも、「亀山」の跡目も彼の皇子「後宇多天皇」が継いでしまうのです。

本来であれば…自らの息子「伏見(天皇)」が天皇となる筈だったのに……

こうして、納得できない「後深草」は、鎌倉幕府の実力者、八代執権「北条時宗」を頼りました。
(※ちなみに時宗は元寇を防ぎきった人物です)
自らの子孫も即位できるよう、取り計らってもらったのです。

時宗の決定した妥協策は、交互に皇位へつくというもの。
ごく妥当な案ですね。
しかし、当の本人らにしてみれば、”独占できたかもしれない皇位をとっかえひっかえする”というのは、面白い事ではありませんでした。
こうして、「亀山天皇」の血族である”大覚寺統”、「後深草天皇」の血族である”持明院統”の対立が始まったのです。
さらに、公卿たちの勢力争いも絡まり、両陣営の対立に拍車をかけていったようなんですねー。

⇒ つづく。
  次回は「倒幕計画を練る後醍醐天皇」 (2/16)


[関連記事]  【 源平合戦 祭り 】
⇒ 武家の名門「清和源氏」とは?
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※さすが正成さま!
 小説などもいっぱいありますよ!!

「謙信公のかちどき飯」が冷凍食品に! (キンレイ・冷凍食品)

2009年12月06日 | ネタ
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日も…どうにも歴史ネタが書き終っていないため、またまた急遽でっちあげ企画です。

日曜のブログをどうしようかと思案していたひでるさん。
ふと、↓こんな記事を見つけたんですね。

■「謙信公のかちどき飯」が冷凍食品に!
[J-CAST] 2009年12月03日

 キンレイは、戦国うどん「上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん」を2009年11月30日から、全国のコンビニエンスストア・冷凍食品コーナーで発売している。
 戦国うどんシリーズは、人気の戦国武将にゆかりのある郷土料理をモチーフに作られた冷凍うどんで、「武田信玄ゆかりの味噌鍋うどん」に続く、今作・シリーズ第2弾「上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん」は、上杉謙信が出陣前に兵士の士気を高めるために振る舞ったといわれる「かちどき飯」の「集め汁」がモチーフになっている。
 
 根菜類やサケのほぐし身、まいたけ、鶏つくね、車麩(くるまふ)など10種類の具材を使用。越後産味噌を使い、魚介のうま味を引き出したスープに仕上がった。
 麺はもっちりとした食感で、昔らしさを表現しているとのこと。
 また、コーエーのオンラインゲーム「信長の野望 Oneline」とコラボしており、ゲーム内のアイテムや家紋をデザインした携帯待受画像が購入特典としてついてくる。

キンレイHP
---------------------------------- 。。。


おお、こんなのあったんだー」、ということで、ネタ決定。
しかし、やっぱり実際に食べてみなければ正確に味を伝えられないので、自転車で近所のコンビニまで行ったんですが…




コレがどこにも売ってない!!



ひでるさんは人生で初めて、コンビニのはしごを経験することとなりました(笑)

セブンからファミマからサークルK、スリーエフなどなど…結局付近の11店舗ほどを探したものの見つからず
また、こうした食べ物ネタではお馴染みのが途中から降ってきたりして。
傘を持ってなかったんですよね。


ぐっと冷える中、雨風に行く手を阻まれつつも自転車を走らせていましたが、ついに断念しました。
明日は体調悪化するかもしれません。(←おバカさんですね)
コンビニだけでなく、スーパーの冷凍コーナーもいちおう覗いてみたんですけどねぇ。
頼むよ、キンレイさん~。

まぁ、コンビニの冷凍麺コーナーっていうのは、驚くほど狭いんですよ。
下手すると2種類くらいしか置いてない店もちょろちょろ見かけました。
やはりコンロを使うところがネックなのかな。



ただ、文面にあった「武田信玄ゆかりの味噌鍋うどん」はセブンイレブン(3店舗目)にて発見したので、そちらへ戻って無事購入。
ふらふらと帰宅しました。
そんな訳で、タイトルは謙信の~ですが、写真はソレになっています。



■調理前。
ミソスープは食べる直前で混ぜるのでした。



■弱火で1分の後、強火に切り替え。
カップ麺ほどではないですが、さして時間はかかりません。
ミソスープは凍っていませんでしたが、そのままだと冷たいので、別にお湯で温めておきます。


 ・
 ・
 ・


■こちらが完成です。
※具材
れんこん、かぼちゃ、人参、ほうれん草、ねぎ、子芋巾着、鶏つくね、椎茸、がんもどき、おふ。


なにしろすっかり体冷えていた(笑)ので、味噌煮込みなうどんが心地よいです。
メインのうどんはコシがあってつるりと良い食感。
上記のように具も豊富なので、見栄えとしてもなかなか。
巾着の中身はサトイモでしたねー。
かぼちゃ、鶏つくねが美味しかったです。
スープの味噌味は濃くなくさらりとしており、味もまろやか。

失礼ながら、思ったよりもぜんぜん美味しかったです。
どちらかと言うとカップ麺派なんてすが、はっきり言って冷凍麺のイメージが変わりました。
「上杉謙信 越後産味噌を使った寄せ鍋うどん」もぜひ探して食べてみたいと思います。

余談。
おまけの携帯待ち受けをダウンロードしてみたら…「大友宗麟」でした。
…ハズレ?



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※昨今のブームを受け、食事についても話題になってますね。
 なかなか面白いことになってきました。

「臨・兵・闘・者…」でお馴染み、九字の印 (密教)

2009年12月03日 | お寺
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は…歴史ネタがまだどうにも書き終わらないため、急遽でっちあげの企画です。

よく漫画・映画などで、「臨・兵・闘・者…」とか言って退魔するようなシーンがあるじゃーないですか。
本日はそんなんについて時間のある限り、ざーっと書いてみたいと思います。

…あらかじめ。
薄い専門知識で時間の無い中の記事なので、”だいたいそんなもん”程度でお願いします。
なんちゃってブログですからね(笑)
詳しく知りたい方は、専門サイトか紀伊国屋さんへれっつごー!

印と真言の本―神仏と融合する密教秘法大全 (New sight mook―Books esoterica)

学研

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「九字の印をきる」
そう言ったりする、密教・修験道などで用いる基本的な実用技法です。
身にふりかかる邪を祓う簡単なものだそうです。
”気迫によって所願成就を目指す”ものらしく、要は気合いみたいですよ。

まずは簡単に出来そうな刀印(とういん)のパターン。
刀印というのは、人差し指・中指を立て、親指で薬指・小指を押さえたような形になります。
片手で刀印をつくり、九字の真言と共に縦、横の順に空間を切って、格子を描くようにします。
だいたい下のようなイメージ。

臨→ 兵↓ 闘→ 者↓ 皆→ 陣↓ 列→ 在↓ 前→

…こう並べてしまうと……格闘ゲームか、ファミコンのウラ技みたいですね。
この際にへらへらしてはダメです。気合いです。
精神を集中して強く真剣をイメージして、空間を斬り裂くような気合いが必要になるのでした。
こちらは護身のため、武士らもよくやっていたのだとか。
道教のもので、禁呪だったこともあるみたい。

イラストでわかる 密教 印のすべて
藤巻 一保
PHP研究所

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また、この九字の真言には、それぞれ配された固有の印があるんですね。
こちらが、よく漫画・映画で見るやつです。
漫画「孔雀王」の連載中、訳も分からぬまま頑張って真似したものですよ。

印というのは、仏と修行者を結ぶシンボル。
こちらによって、神聖な波動を周囲に送って邪を祓うのでした。
先ほどの刀印と異なり、自らの内側から外側に至るまで作用するようです。
本当かなぁ。

・臨(りん) 普賢三昧耶(ふげんさんまや)印
 人差し指を合わせ、残りの指を内側に組む。

・兵(びょう) 大金剛輪印
 親指と人差し指を合わせ、中指をその上で合わせ、残りの指を内側に組む。

・闘(とう) 外獅子(げじし)印
 薬指・小指を合わせ、残りの指を交互にからませる。

・者(しゃ) 内獅子(ないじし)印
 親指・人差し指・小指を合わせ、左右の薬指を中指でからませる。
 
・皆(かい) 外縛印
 左右の手を指が外になるようにがっちり組む。これは簡単。
 
・陣(じん) 内縛印
 左右の手を指が内になるようがっちり組む。親指も内側へ突っ込む。
 
・列(れつ) 智拳印
 大日如来を参照。人差し指を立て、それを片手で握る。

・在(ざい) 日輪印
 親指・人差し指を合せ、手をぱーに開く。

・前(ぜん) 隠形印
 左手を握り、右手で支えるようにする。

…だいたいそんな感じで良い筈。たぶん。
それぞれ写真撮ろうかとも思っていたんですが、時間ないのでごめんなさい。
字で書いてもなんだか分かり辛いですわね。
書いてある本によって微妙に違うようですが、詳しくはどちらか専門書でどうぞ。


とかなんとか散々説明してきましたが。
この印を完全に理解・体得し、自分のものとしていない限り力は発揮されないそうです。
形だけ真似てもダメってこと。わはは。

まぁ、厳密にはそうなんでしょうけれど、試しに実際にやってみて下さい。
おそらく…なんとなーく、集中できたような感覚になるでしょう。たぶん。
何事もほどほどが一番。
理解・体得まで究めなくとも、自己暗示程度にはうってつけです。
緊張した時、不安になった的など、唱えてみると気持ちが盛り上がると思います。


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