お寺さんぽ Ver.03

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鳥居強衛門の活躍 「長篠合戦」3

2006年08月30日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は現代でも議論が尽きない新旧入れ替え戦「長篠合戦」について。


長篠城へ来襲した武田勢は守備する「奥平信昌」らの決死の反撃にあい、圧倒的な兵力差でありながら攻略に難儀しておりました。
そこで兵糧攻めに方針を切り替え、敵方の兵糧庫を奪い去ることに成功すると、城兵はとたんに窮地に陥るのです。
もはや数日の内に落城か、という状況にまで追い込まれた守備隊は援軍の状況を把握するべく、城外へ密偵をだすこととしました。
その大役を任されたのが、長篠合戦の主役とも言える「鳥居強衛門(とりいすねえもん)」なのです。
…という訳であらすじおわり。話を本編へ戻しましょう。


大役を仰せつかった「鳥居強衛門」はびっしりと城を囲んだ武田勢の包囲を豊川の水底を深く進行することでうまく逃れ、脱出に成功しました。
彼は水泳を得意としていたようなのです。
それからは帰りを待つ城兵のため、必死に岡崎城まで走るのでした。
岡崎城へとたどり着いた彼はそこに家康だけでなく、織田の軍勢までもが到着・合流していたことを知るのです。
この時の強衛門は「これで大丈夫」と一安心したことでしょう。
また、信長と家康はこの報告によって長篠城が予想以上の窮地に立っていることを知るのでした。

注進の労をねぎらい、同行を進めた家康に対して、強衛門は
この吉報を一日でも早く城兵に伝えたく思います
…と断り、反転して一足先に長篠城へと急ぎ戻るのでした。

城外への侵入は当然ながら、脱出よりも遥かに困難であります。たぶん。
(※ちなみに、以前このブログで「河越城夜戦」をやりましたが、その時は攻め手がたるんでいたため、城への進入に成功しています)

これに武田の一般兵卒に紛れての侵入を試みた強衛門ですが、運悪くも露見して捕縛され、勝頼の前まで引き出されてしまうのです。
彼の言で織田・徳川の連合軍が迫ってきていることを知った勝頼はここで強衛門に取引をもちかけます。
「もし、城兵へ援軍が来ないと言ったら、家来に取り立てることを約束しよう」
この条件は彼にとって破格な条件です。
例えて言うなら、個人経営の社員が一流企業の営業課長として取り立てられる、って感じでしょうか?
ちょっと微妙に違うかもしれませんが、おおむねそんなものでしょう。
勝頼の申し出に小躍りして喜んだ強衛門はこれを承諾し、長篠城が目と鼻の先に見えるほどの小高い丘まで引き出されました。
当然ながら、守備する城兵たちも動きのみえた武田勢に注目した筈です。
ここで、すうと息を飲んだ強衛門は大声でこんなことを叫んだようなのです。

城兵の方々、我は鳥居強衛門である!あと数日の後には大殿、織田殿の軍勢が到着するであろう!いま少しの辛抱を!!

約束を違えた強衛門は怒った勝頼により磔にされ、ここで絶命します。
しかし、この決死の行動によって城兵は大いに沸き立ち、見事援軍の到着まで長篠城を死守することができたのです。


…ああ、やってくれちゃいました。
こうして強衛門は申し付けられた大役を自らの命を懸けて果たしたのです。
ひでるさんはここの回想(…いた訳でないけれど)しただけでぎゅーっと締め付けられるようになるんですよ。これ書いてるだけで泣けそうです。
るるる。
この「長篠合戦」の前半戦たる長篠城の攻防戦は、こうして強固に城を守った「奥平信昌」以下城兵たちの決死の頑張りによって、攻め手に勝利を与えることなく終わるのでした。

⇒つづく

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 まぁ、戦国の合戦なんて罠だらけですよ。


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