お寺さんぽ Ver.03

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走る「羽柴秀吉」 (中国大返し・山崎合戦)3

2008年11月06日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は、「洞ヶ峠の日和見」、「天王山」、「三日天下」…など、現在でも引用されることの多い、それら故事と関わる「山崎合戦」、さらには最も秀吉の真価が発揮された「中国大返し」についてお送りしております。
時代の覇者「織田信長」の死後にあった、それぞれの人間模様をとくとご覧くださいませ。


天正十年(1582) 六月二日 「本能寺の変」
本能寺に宿泊していた「織田信長」は突如兵を反転させた「明智光秀」の急襲を受け、四十九年の人生を終えました。
六月三日
羽柴の陣へ誤って入った伝令によって、秀吉悲報に接す。
六月四日
高松城は開城、毛利氏と和睦締結。
六月五日
見事和睦に成功した「羽柴秀吉」は、早速高松陣の撤収作業開始するのでした…。


■六月六日 「秀吉、備中高松城の囲みを解く」
信長の死を隠したまま、毛利氏との講和に成功した秀吉。
毛利勢が引き揚げたことを確認した秀吉は高松城に「木下家定(※おねの兄)」を配置すると、総撤退を開始しました。
これが午後二時頃のことだったと伝わっています。

この京への強行軍こそ、世に言う「中国大返し」なのです。

折からの暴風雨の中、なんと”約八十キロ”という道を羽柴勢は疾駆することとなるのです。
あらかじめ道に火を灯させておき、現代のマラソンのように各ポイントに飯や飲料を用意させた、とか聞いたんですが…色々調べましたが、あまり確かなことは分かっていないみたい。
(※それどころか、なかったのでは?という説まである様子)

とりあえず確かなことは、これが真実であれば歴史に残るほどの強行軍であったということです。
ちなみに、当然ながら皆全員が綺麗に走り去ったことなどなく、秀吉の疾走から大幅に遅れた者が続出したと言います。
…名もなき足軽の人たちの苦労が偲ばれますね(笑)
そりゃー秀吉は騎乗していたでしょうからねー。

そんなこんなで、六日は午後二時に高松城を出発し、岡山を経て備前「沼城(岡山城東方)」まで進んで宿泊。(※到着は夜半のこと)
ここは約十二キロという距離でした。


■六月七日 「秀吉、姫路城へ入る」
夜のうちに備前「沼城」へ入った秀吉以下、羽柴勢。
今度はその沼城から播磨「姫路城(兵庫県姫路市)」まで、約五十五キロという道のりをわずか一日で疾駆するのです。

早朝に出発した軍勢が姫路城へ到着したのは、実際には八日の朝でした。
前述したように梅雨時で暴風雨であったということで、各河川は増水しておりました。
そのため、付近の農民らに協力を要請して彼らに人間の鎖を作らせ、その肩にすがって渡河した、と伝わっています。
すごいですね。


■六月八日 「秀吉、姫路城にて休息する}
二日に渡る強行軍から、姫路城へと落ち着いた秀吉はここで束の間の休息。
しかし、単に休んでいた訳もなく、軍編成など決戦に向けての準備を着々としていたようです。

この際、秀吉の性格を象徴するような、有名なエピソードがあります。

家中にて占いをする僧侶が、
明日は二度と戻れない悪日なため、出陣はとりやめた方が良いと思われます
…と、進言してきました。

当時、出陣の際に吉凶を占うことは日常的なことで、開戦の日時などもそれで決定することも多かったのです。
(※ちなみに、古くは軍師の役目となっており、軍配を預かる者に易学は必須でした)

それに対して秀吉はこんな返答をしております。
主君のために討死する覚悟はできている。それに、もし光秀に勝てば姫路へ戻る必要がないから、それは吉日だ

いかにも秀吉らしい、ポジティブさが伝わってきますね。
なお「決戦で敗北したら、この城を焼き尽くしてくれ」というように、遺言まで残しておりました。
こちらは一か八かの決戦を目前とした、気迫が感じられます。
歴史を知る我々はどうしても「秀吉が大勝する」という目で見てしまいますが、当人はもちろん、あの時代に生きていた人々に絶対はありませんでした。
皆、ぎりぎりな判断を強いられているのです。


一方、光秀は安土城に重臣「明智秀満」を残し、本拠である「坂本城」へと戻っております。
おそらく、この頃には羽柴勢の接近を察知していたのでしょう。
さてはて、どうする!?

⇒ つづく。
  次回は「明智を見限る細川藤孝」(4/6)

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※こんなん見つけました。
 かわいらしいんですが…たっかいのよ。


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