お寺さんぽ Ver.03

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弥勒菩薩 (仏像・菩薩)

2007年12月23日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は以前「如来」をやりましたが、その修行状態。
出世前なのにこうして立派な仏像となってしまう羨ましいお方「弥勒菩薩」について、です。

さして仏像に興味がないかたでも、このお方の像はどちらかで見た経験があるのではないでしょうか?
こちらは、後に「弥勒如来」となるであろう「みろくくん」の修行している状態のフィギュアなのでした。
まだ修行状態なのに人気抜群というのは、まるでウルトラマンタロウのようです。
そんなんに守られてた地球って(笑)

冗談はそれくらいに「弥勒菩薩」です。
この方は「釈迦如来」と同様に実在人物がいるとされております。
まだ釈迦が存命中な頃、未来仏を説いた際にそれに志願したバラモンのおぼっちゃんと言われておるのでした。

釈迦の教えが広まり、仏教(※当時は教団ではなかったですが)への進行が広がっていくと、人々は”釈迦の他に悟りを開き、仏陀となる者の存在”を気にするようになりました。
そんな中、釈迦が未来仏について説いたとき、みずから志願したのが「みろくくん」なのです。
釈迦はそんな弥勒に対し、未来仏となることを予言したのでした。

釈迦涅槃後の五十六億七千万年後に竜華樹(りゅうげじゅ)の下で悟りを開き、兜率天(とそつてん)からこの世に降って、救済にもれた衆生を救うとされているのです。
‥当たるといいですね(笑)

そういったように、今後如来になる、必ず成仏するということから「未来仏」、釈迦の後を継ぐというような意味で「一生補処(いっしょう・ふしょ)」の菩薩とも呼ばれるそうです。

こうして、弥勒さまはインドから広い地域で信仰されることとなりました。
日本には飛鳥時代から信仰され、奈良時代には行基が弥勒信仰を背景に四十九の寺院を建立したという伝説もあるんだって。
なお、山岳信仰とも結びつき、平安時代には山の頂上を”弥勒浄土”とみなすようになり、そうしたことから富士山も修験道の霊地として尊崇されることとなったのです。
中世の関東地方では民間にまで広がり、豊作の米穀を積荷した宝船で訪れるという鹿島信仰とも結びついたようなのでした。

梵語は「マイトレーヤー」
それが「慈しみある」という意味から、「慈氏菩薩(じし・ぼさつ)」と訳されることもあります。
先ほどのインド実在人物という説のほかに、仏教が様々な宗教を取り込む中であちこちの性格を組み合わされて作られた菩薩とも考えられているようです。

その「マイトレーヤー」の語源をさらにたどると、「ミトラ」という言葉にたどり着きます。これは古代イラン、ゾロアスター教の有力神「ミスラ」というのがいるんだって。

古代インドでは片手に水瓶を持った姿が一般的でして、この形が数多く作成されておりました。
それが中国に入ってから、兜率天で救済方法について思い悩む思惟像が数多く作成されるようになり、伝来した飛鳥時代の日本ではその姿で作成されることが一般的となったようです。

特に京都・広隆寺の「弥勒菩薩半迦思惟像(みろくぼさつ・はんか・しゆい・ぞう)」は非常に有名なものです。
これは広隆寺を建立した「秦河勝(はたのかわかつ)」が「聖徳太子」から賜ったと言われているんですが…「聖徳太子」の実在が疑わしいという話もあるので、あるいはなんか違うのかも。
木像では稀な赤松が使用されていることや、似た金銅像が韓国の国立中央博物館にあるので渡来仏とする説。
(※「推古天皇」の時代、新羅(しらぎ)から奉献された仏像?)
あるいは、両像に明らかな違いも見られることから、それを否定する考えもあるようです。
そんなこんなで詳細は不明。
なみに国宝の第一号なんですが、知ってますか?

そういった思惟像のほかは立像・坐像どちらも施無畏・与願印を結ぶか、禅定印で塔を乗せる像が多いんですが、基本的に像の形は多種多様で見分けるのは困難。
諦めましょう(笑)

おん、まいたれいや、そわか
この真言を唱え続ければ未来を救済してもらえるそうです。
明日もいいことありますように。


[関連記事] 【観音・菩薩・天部などいろいろ】
⇒ 国宝・弥勒菩薩半跏思惟像 (京都・広隆寺)
⇒ 千体観音堂(京都・三十三間堂)
⇒ 十一面観世音菩薩 (仏像・菩薩)
⇒ 重文 木像聖観世音菩薩立像 (秦野・宝蓮寺)
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※正直…”修行中なのに人気ある”って例えには弱いですかねー。
 ずっと色々考えていたんですが、なかなかいいの思いつかなかったんですよ。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マイトレーヤですか・・・・・ (一般法則論者)
2007-12-23 02:49:42
 http://blog.goo.ne.jp/i-will-get-you/
 いわゆる神の存在証明がもたらす意味について
 天然自然の存在の創造主である神の存在証明をして、神が造ったこの世界の成り立ちと仕組みについて説明し、人類史のリセットと再構築を試みる。
     一般法則論者
返信する
ウルトラの星は・・・ (乱読おばさん)
2007-12-23 23:56:50
はじめまして~♪
なんで、こんなウルトラマンに反応しているのやら。
でも、面白いですよ。ウルトラセブンは帝釈天だろうか・?とか、ウルトラの父は阿弥陀如来なのでしょうか? いや、ウルトラマンキングってのもいましたね・・・。母は・・・いやそもそも、彼らのいる星は第何天だろうか・・とかね。
 すみません。あまりに絶妙なたとえだったので・・・。
返信する
ありがとうございます (あおぶひでる)
2007-12-25 00:11:06
乱読おばさん・さん、コメントありがとうございます。

あれはかなりの時間考えたんですが、他に出てきませんでした。
なんとなくウルトラマン見てると仏像とダブるような気が…。
返信する