お寺さんぽ Ver.03

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毘沙門天 後編 (仏像・天部)

2008年01月02日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は先に亜種であります「兜跋毘沙門(とばつ・びしゃもん)」なんて紹介してメインをほったらかしにしていた、四天王の一人「毘沙門天(びしゃもんてん)」をお送りいたします。

前回はちょっとややこしめな由来とかのお話でしたが、今回は気楽に仏像について見分け方などを書きますので、あちこちお寺へ行った際に発見したら一人悦に入って下さい(笑)

とりあえず、ややこしい書き方で紹介しますと、

武装憤怒の神王形の立像で二臂像が多い。
不空訳「金剛頂喩伽護摩儀斬(こんごうちょうゆがごまぎき)」では、「北方・毘沙門天は二鬼上に坐し、身に甲冑をつけ、左手の掌には宝塔を捧げ、右手には宝棒を執る、身は金色」と伝えられる。

…なんだか、分かったような、分からんような感じですよね。
これを、こざっぱり簡単に書きますと、
甲冑をつけた武将形。
怒りの表情である憤怒相で、邪鬼の上に立つ姿が一般的です。
片手・掌上に宝塔を乗せ、もう一方の手には武器を手にしております。
こんなんか。

ちなみに、宝塔を捧げない方もおりまして、その場合は空いた手を腰に当てております。
また、持物は宝棒以外にも三叉戟(さんさげき:三又の槍です)、鉾、宝剣などを持つ作例があるのでした。

本来は一面二臂なんですが、絵になりますと一面四臂、一面十臂なんて方もおります。
足下の二邪鬼にもちゃんと名前があり、「尼藍婆(にらんば)」「毘藍婆(びらんば)」と言うそうです。

四天王との四人セットほか、単独の場合、脇侍として妻の「吉祥天」と「ぜんにし童子」を配する三尊形式、「吉祥天」とラブラブカップル状態である二尊形式なんてのもあります。

特殊な異形像も豊富でして、二十臂四面八足で獅子に騎乗する「刀八毘沙門天(とばつびしゃもんてん)」、二身の徳を一つにした「双身毘沙門天」…こちらは福徳の女神「吉祥天」を妻とする福神としての側面、鬼類の王で四天王中最強という軍神としての側面、双方を表現したものみたい。

奈良・法隆寺金堂の四天王像が最古の作例。
こちらは飛鳥時代のもので、直立不動のこけしみたいな珍しい像
こんなんでもちゃんと邪鬼を踏みつけているところがポイントです。

また、「源義経」でも有名な京都・鞍馬寺には左手を額にかざした、これまた珍しい秘仏があります。
こちらは三尊形式で、寺伝では眼下に平安京を見下ろした、王城守護にあたる姿とされているんだって。

ちなみに、「毘沙門天」は財宝がありすぎて、毎日三度焼き捨てるとされるという、ようわからん一面もあります。
焼くくらいならひでるにください。

真言は「おん べいしらまなや そわか」
こちらで、福徳・戦勝に効果ありです。
ただし、「上杉謙信」のように、ある程度徹底しないと駄目っぽいですが…やってみますか?


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※こけしの写真集だそうです。
 いやぁ、近頃はなんでもありますねー。


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