お寺さんぽ Ver.03

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小豆坂合戦と義元さま 「海道一の弓取り・今川義元」4

2006年10月05日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日はたった一戦で後世の評価がひっくり返ってしまった気の毒さんの代表格。
駿遠三の太守、海道一の弓取りこと「今川義元」です。

ああっ、義元さま…。
当主となっていきなり相模・北条家との戦闘状態に入りますが、関東管領・上杉氏と結び、これを駆逐することに成功。
さらに、三河松平氏の衰退によってこれを楽々と手にするチャンスが巡ってきたのです。
そんな義元さまに対するのが、尾張で急速に勢力を拡大していた切れ者「織田信秀」でした。
…そう、後に「桶狭間合戦」でその運命を断ち切る「織田信長」の父なのです。


尾張「織田信秀」の侵攻を受けた「松平広忠」は今川家の傘下に入ることにより、家の存続を計ります。
この時、広忠は恭順の証として嫡男の「竹千代」、後の「徳川家康」を人質として駿河へ送るのです。
送ったのは駿河だったんですね。
がしかし、護衛役の田原城・戸田氏は織田方へ寝返っており、人質として駿河・今川へ送った筈の「竹千代」は織田方へと引き渡されてしまうのです。

「事実は小説よりも奇なり」、と申しますが、まったくもってその通り。
これら偶然が重なり合ったことで、後の天下人二人の縁が出来上がることとなるのです
小説などで織田方の人質となった「竹千代」に少年時代の「織田信長」が会いにくるシーンが見られます。
信長の性格を考えると、確かに無視しないかもしれません。
ひょっこり突然会いにくるなんて、いかにもありそうだと思いますよ。
あの方おちゃめさんだから…。
余談ですが、その時に戸田氏が褒美として受け取ったのは、五百貫だったと言います。
「若君の命、百二十五両」ですよ。
必殺ちっくですね。

さて、人質たる息子が思惑とまったく逆へ行ってしまったことにより、父・広忠はますます進退窮まってしまいます。
しかし、結局は息子「竹千代」を奪われながらも、今川方につくという苦汁の選択をするのです。

今川義元は裏切り者の田原城は戸田氏を滅ぼし、さらに三河から織田勢を駆逐するため、絶大な信頼を寄せる「雪斎」を総大将とし、さらに副将に重臣「朝比奈泰能(※写真・掛川城の主)」をつける万全な体制で出陣させました。

なにしろ、天文十一年(1542)の「小豆坂合戦(第一次)」では兵力差で圧倒していた織田勢に、後に「小豆坂七本槍(※)」と呼ばれる勇士らの活躍で奇跡的とも言える逆転負けを喫していたのです。(→竹千代取られる前のことですね)
そんな訳で、今回は雪辱戦なのですよ。
義元も本気です。
……まぁ、本人出撃してませんけどね。

天文十七年(1548) 小豆坂合戦(第二次)開始
兵力・地理共に優位であった今川勢が前半から優位に立ちます。
しかし、ここで織田勢が先の合戦同様にふんばり、先陣の松平勢を突き崩して逆襲を開始するのです。
…考えてください、松平の若殿はこの時まだ織田方の人質だったんですよ。
そりゃー、松平勢の鉾先は鈍っていたでしょう。
先陣の敗退で苦境に立たされますが、これで総崩れにならないのが総大将に選ばれていた「雪斎」の凄い所

あらかじめ備えさせていた伏兵の「岡部元信(長教)」にその側面を突かせ、混乱した織田勢に対して総攻撃に転じます。
不意な攻撃で浮き足立った織田勢はもともとの兵力差もあって、ここで大敗北となるのです。
こうして、織田勢を撃退した「今川義元」は前回の雪辱を見事晴らすこととなるのでした。

⇒つづく。 次回は「安祥城攻略の義元さま」


※小豆坂七本槍
…七本槍と言えば「賤ヶ岳合戦」が有名ですが、こちらにもいるんですね。以下の七名がそのメンバーです。
 崩れかかった軍勢でこの七名だけが踏みとどまり、長槍で敵勢を次々と突き崩したと言います。すごいですね!! 
①織田信光(信秀の弟)②織田信房③岡田直教④⑤佐々木勝道・勝重(兄弟)⑥中野忠利⑦下方匡範(まさのり)

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賎ケ岳七本槍―秀吉を支えた勇将たちの生涯

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※ひでるさんは西軍・石田三成派なので、七本槍の面々はあまり好きではありません。
 ただ、徳川時代になってからの苦労は見ていて(←見てないけど)痛々しいです。
 清正は先に亡くなっただけ幸せ。
 正則はさぞかし無念だったでしょう。どんなに大阪城へ行きたかったことか…。


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