お寺さんぽ Ver.03

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五百羅漢 (仏像・仏弟子)

2009年02月12日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は、各地で耳にすることも多いだろう「五百羅漢(ごひゃくらかん)」について。

非常に馴染み深い単語の「五百羅漢」
実は地元付近の駅名にあるんですねー。
内容的には「怪獣総進撃(ゴジラ)」みたいな、”多ければOK”という大部隊な集団なのでした(うそ)

さて、そんな「五百羅漢」
一言で表現すると、”五百人集まった「阿羅漢(あらかん)」”のことなのです。

実は現地インドでは作例なく、生まれたのは中国から。
釈迦と行動を共にしていた弟子が五百人、「仏典結集(ぶってん・けつじゅう)」という”仏典の編集作業”みたいなのにて集まったのが五百人であったとされていることから、「十六羅漢」より拡大されたものである様子。
ちなみに、「十六羅漢」の成立も中国からでした。

実際に様々な経典から五百の羅漢名を集め、無秩序に列挙したようなお寺もあるようですが…基本的にそれぞれの正確な名称というのはありません
冗談でなく、”多ければOK”という感じの方々なんですね(笑)


※箱根「長安寺」の五百羅漢像。
 ちなみに、↑上の絵馬は目黒「五百羅漢寺」です。

羅漢というのは、正しくは「阿羅漢(あらかん)」、梵語ではアルハン。
究極の悟りである「阿羅漢果(あらかんか)」を得た修行者のことを言います。
漢訳すると「応供(おうぐ)」
その「応供」とは、”尊敬・施しを受けるにふさわしい者”

要するに、宗教的に最高の境地に達した聖者のことなのでした。
それが五百名も集まったならおめでたい、ということなのでしょう。

日本では鎌倉時代から多く作られるようになり、仏弟子の厳しい修行の姿が理想とされた禅宗では特に尊崇されました。
形としては、衣をまとい、顔から表情まできわめて特徴・意志的な人物像。
特に固有の形状とかはありません

色々な顔を眺めたり、似た人を捜すとかなんとか、無限大な楽しみ方のできる像なのです。
下手すると、数が曖昧だったりすることもあるようですが…それは内緒。

なお、彫像のほとんどは近世以降のもので、鎌倉は「建長寺」、目黒の「羅漢寺」、埼玉は「喜多院」などが有名なのでした。



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