現役競走馬3歳。
トレセンで跛行し、MRIで第三中手骨外顆の単一皮質骨折 unicortical fracture が見つかった。
休養のために戻って来て跛行もなくなった。
骨折線はX線撮影で見えるようになった。
ただし、球節をわずかに屈曲させた射ち上げ撮影で。
screw固定した方が、今後の競走馬としての予後のために良いだろう、ということになった。
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外顆の掌側皮質だけが亀裂骨折している。
狙って狙って掌側よりに4.5mm皮質骨screwをlag screwとして入れた。
500kgを超える牡の大型馬。
側副靱帯を分けるようにしておいてカウンターシンクしてある。
screw長は56mmを選んだ。
増し締めしようとしたが、もう締まらなかった。
わずかに見えていた骨折線が、ほとんど見えなくなった。
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中手骨、中足骨の顆骨折の7%は、unicortical fracture だと報告されている。
日本ではそんな率では見つけられていない。
今後、発見率が向上していくか?
私は、馬の骨折にscrewを入れて治すなんてこれが最後かな。
あとは後輩たちに託したいと思う。
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40年。長かった。
想い出がいっぱい。
それもボケて忘れていくだろうけど、それもまた良し。
見えた、というより確信し、ほかの人にも見せるために撮っているかのようです。
引き継いだもの、たくさんですね。
何度も見た景色、一期一会。
見逃してはいけないと思いますね。神経ブロックして走らせてみて、骨折を悪くする可能性があることにも要注意。
球節の骨片骨折だ、と手術に連れてこられ、顆の縦骨折を見つけたこともあります。
それもこれも、後輩にたくしてhappy retirement です。
ピラミッド言うよりギャラクシー
彗星みたいにぐるぐる回ってはダメでしょうけれど
それ太陽系
時間かけて吸収像としてしか出てこない骨折もありましょう
その間休ませることの大切さですよね
hig先生のノウハウ思い出にされたら業界が泣きます。
創業者引退にあたりAIにその経営ノウハウを学習させるなんてのをNHKがトピックしてましたよ。
これならいくら叱咤罵倒してもお構いなし。
こんなものが引き継げる技術なんてないわけですが、その想いで若い人戦慄せしめる事はできるかも。
叩き台なんて誰も近寄らないですが、hig先生の知能が詰まってるなんて言ったら黒山でしょう笑
北海道の治療レベルを九州にも是非…と常々思ってるのですが、なんとかならないものでしょうか?
私の馬も20歳になりました。いろいろ持病はありますが、元気で食欲も旺盛です。でもこれから先、病気が悪化した時のことを考えたら、それまでに少しでも九州の馬医療が北海道レベルに近づいていて欲しいと願わずにいられません。
毎日楽しみに更新を待っていますので最後かな?という寂しいことを言わずに投稿待っておりますのでよろしくお願いします🥺
机の中の文献コピーの束。古いんですが、こんなに勉強してきたんだな、と自分でも感心します;笑 じゃあ今からそれを読んで追いかけるか、って誰もやりませんよね。
九州の先生たちもがんばっているのだと思いますよ。診て欲しい、治して欲しい、とプレッシャーをかけてください。クライアントの要望が、臨床レベルを向上させると思います。
よろしければ「バックナンバー」から過去記事を辿ってみて下さい。以前書いたことは書かなくなっていますので。
「カテゴリー」からは同じ類の病気や分野の記事をまとめて読めるかと思います。
右上の検索機能もお役に立つかも知れません。
お返事ありがとうございます😊まさかお返事いただけるとは思わず感激です‼️バックナンバーからずっと見ておりますw入院中は毎日過去から遡って見ていました。
私は毎年4回日高に遊びに行かせていただいています。その中できっと私が大好きだった馬も2頭亡くなっておりもしかしてhig様に見ていただいているのかもしれないなーと思いながら拝見しておりました。臨床だけではなく、相棒さん、季節のこと、まだまだ続けて欲しいと願います。
私のような獣医師でないものにお返事くださり本当にありがとうございました。
書籍になったら買います!