来院してもらってキャスト固定した。
その後、4週間後に農場でキャストが巻き替えられた。
これが巻き替え前のXray。
骨癒合は、背側、底側、内側、外側と皮質骨の再構築を評価する。
仮骨、贅骨の増生も評価する。
粉砕骨折で、骨片が変位していたせいもあって、皮質骨の連続性が心もとない部分がある。
巻き直しは妥当な判断だろう。
キャスト擦れはわずかで皮膚の状態は悪くなかったそうだ。
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それから2週間。
骨癒合はさらに進んだ。
粉砕骨折の各破片が仮骨に覆われて連続性がかなり再建されたように見える。
骨折部の短縮(騎乗変位)もほとんどなく、変形癒合もない。
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安全のために長くキャスト固定しておいた方が良いというわけではない。
荷重がかからない骨は脱灰して骨量が減り脆弱化する。
固定されている肢は筋力が衰え、関節の可動性が乏しくなるかもしれない。
屈腱が弛緩し、球節遠位が沈下する。
どこかでリスクを受け入れてキャストは外さなければならない。
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この子牛は6週間でキャスト除去し、バンデージに巻き替えられた。
経過は良好なようだ。
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細かいアドバイスをするとしたら、
2回目のキャストは、もう肢を牽引して巻く必要はないので、少し球節を屈曲させて巻いてやった方が、子牛は少しでも肢を使うことができただろう。
骨折肢のX線撮影では、少なくとも折れた骨の全長を画像に入れたい。評価したいのは骨折部だけではない。
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