日本獣医師会雑誌の12月号と1月号がいっしょに届いた。
片方は、「学術学会誌・産業動物臨床、家畜衛生関連部門」は、例によって「本号でご紹介する論文はありません」なので、テーブルの上に放っておいた。
が、12月号には林慶先生の、
「終わりなき修行の旅:苦闘の経験から考える臨床獣医学教育の展望」と題する文章が載っていたので拝読した。
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林慶先生には、麻酔外科学会で馬のセッションとしてUSAの専門医制度について講演してもらったことがあるし、小動物整形外科の講演を聴かせていただいたこともある。
USAで活躍する小動物外科の偉才だ。
小動物外科という競争の激しい分野で、それも整形外科という注目度も難易度も高い分野で成果を上げられ、しかもCornell大学で教授になられ、教育、研究でも遺憾なくその能力を発揮されている。
と、思っていたのだが、実情は苦闘の連続だったようだ。
それも、臨床あるいは整形外科の本質ではなく、大学と獣医教育病院の運営にまつわる政治で悪戦された事情が書かれている。
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UC Davis やCornell大学などは、民主的に、USAの資本主義と博愛主義に支えられて理想主義的に運営されているのだろうと思っていたが、実状はそうではなかったようだ。
大学を運営する側にしてみれば、医学部や獣医学部は他の学科と異なる運営のたいへんさがあり非常にやっかいなのだろう。
臨床は、患者が集まる病院がなければ教育することができず、しかし臨床ができる教員はすぐれた臨床家でもあり、臨床志向が強いために良い臨床を行える条件が他所にあればすぐ去ってしまったり、引き抜かれたりする。
臨床と、教育と、研究が人並み以上のレベルででき、人格的にも優れているなどという人を確保しておくのは至難の業だ。
ましてや州立大学では、州の公務員なみの給与しか払えない。
「ーーー獣医大学関係者は、特に臨床の腕の悪いものほど政治活動に没頭する傾向にあるーーー」
「ーーーそういった輩はどんどん偉くなるーーー」
林先生、それは大学だけじゃないかもしれないよ;笑
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林慶先生は名誉教授になられ、「隠居生活を続けている」とされているが、まだまだ小動物整形外科や獣医学教育、それも卒後教育に情熱を持たれているようだ。
この文章には、USAの獣医教育病院での臨床、実習、手術風景の写真もたくさん載っている。
これから日本の獣医臨床教育がどう発展すべきなのか考えることはだいじなことだ。
ご一読をおすすめしたい。
林慶先生も、「修行」だったと呼んでるしね;笑
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今度は娘たちとマウントレースイへスノボ修行に行ってきた。
雪はサイコーだった。
もう年末年始休みに入った日曜日。けっこう賑わっていた。
昼には素敵な方をお見かけした。
すごいんだ、この人。
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それでは皆さん、良い歳をお迎え下さい。