馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

power tap and power drive 大動物整形外科にインパクトドライバーは使えるか??

2023-10-19 | technique

北海道は、利尻岳や旭岳が冠雪したそうだ。

中山峠でも降雪。

来週、峠越えの遠出をしたいので、早めのタイヤ交換をすることにした。

地元で乗ってるだけなら、まだ1ヶ月は大丈夫なんだけど。

タイヤ交換はできるだけ自分でやりたいと思っている。

タイヤを運んで、腰をかがめて、ちょっとした作業になるが、これもまた生活の中での修練だと思うのだ。

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タイヤナットにあわせたインパクトドライバー用のソケットを買ったので、初使用。

ナットを締めるのと、外すのが速くて驚く。

締まっているナットを外す最初は、十字レンチじゃないとダメだろう、と思っていたが大丈夫。

インパクトドライバーで最後まで締めると、締まりすぎるだろう、と思っていたが大丈夫。

もちろん、最後の一締めは十字レンチでしっかり締めて確認した。

こんなに速くて楽なら、もっと早く使えば良かった。

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さて、ここからは獣医整形外科のお話。

骨にドリルで孔を開けるのは電動ドリルか、エアドリルでやる。

私は昔は手回しドリルでやったけど;笑

タップを切るのも、power tool を使ってやって良い。

ただし上手にやらないと、ネジ山が壊れたり、向こう側へ突き出しすぎたり、折れたりしかねない。

トリガーを少し引いてゆっくり回すのがコツ。

screwをねじ込んだり、抜いたりするのもpower tool でやって良い。

これもトリガーを少しだけ引いてゆっくり回すのがコツ。

最後の締め付けはもちろんscrew driver を使って手で締める。

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整形外科用ドリルは、軽自動車が買えるくらいの値段がする。

大工仕事用の充電ドリルで代用できますよ、と言ってきたが、

インパクトドライバーは好くないだろうな、と思ってきた。

しかし、最近は売っているのはほとんどインパクトドライバーだ。

だけど、ていねいに上手に使えば、インパクトドライバーを大動物整形外科用に使っても大丈夫かも、と

タイヤ交換に使って思うようになった。

インパクトドライバーは大工仕事用のクイックチャックになっているので、それにジャコブスチャックを付けて使う。

インパクトがカンカン働かないような使い方をした方が良いだろうけど。

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寒くなってきた。

それでも今年は例年より遅くに初炊き。

慣らし運転だからね。

高温にしないように、ていねいに、少しずつ。


破損スクリューの抜き方 single screw の例

2023-10-16 | technique

肢軸矯正のために橈骨成長板の遠位外側へ入れたscrewを抜去する。

珍しく、内反気味だった肢軸はすっかり矯正された。

が、

screw head が折れてしまった。

これは有り得ることなのだ。

肢軸矯正のためのsingle screw 法は、Kentucky のHagyard-Davidson-McGee の獣医外科医が始めた。

そこのSpirito先生も、「破損screw摘出セットを用意しておけよ。折れることがあるぞ」と言っていた。

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立位でやっていたのだが、吸入麻酔して手術室で、横臥でやることにした。

screwの周りの骨を少し骨ノミで掘る。

そして、リーマーをscrewにかぶせてscrewの周りの骨を削っていく。

リーマーってこんなやつ。

左回転で使うことに注意。

かなり頑張って掘らないとscrewは回るようにならない。

リーマーがscrewを削らないように注意。

screwにリーマーがしっかり被さってないと、リーマーの歯がダメになるし、

screwのネジ山も削れてしまう。

頑張って掘ったら、今度は摘出用ボルトをscrewに被せて、これも左回転させていく。

摘出用ボルトとはこんなやつ。

内側に左回転のネジが切ってある。

押し付けて左回転させると、このネジが折れたscrewのネジ山にひっかかる。

破損screwを摘出チューブがしっかり掴んでいるのがわかる。

わずかに、破損screwの先端に透過域が見えた。

破損screwを回転させられていて、抜け始めている!

で、抜けた。

孔の中を洗って終了。

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落ち着いてじっくり取り組んだ方が良いので、吸入麻酔してやるのが望ましい。

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日が短くなった。

今日からオータムセール。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大動物獣医さんのphysical  柔軟性

2023-10-12 | How to 馬医者修行

定期的に運動している人は運動する前やした後にストレッチするだろう。

それで体の硬さ(柔軟性の衰え)に気づいてストレッチの頻度を増やしたりするはず。

運動しない人は、ストレッチや体操さえしないかもしれない。

若いときはなんとかなるが、老化が加わると体はとても硬くなる。

車をバックさせるとき、後ろを振り向くのが億劫になってませんか、ご同輩?

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診療中にはしゃがんだり、あるいは床の上での外科処置でかがみ続けなければならないこともある。

若い獣医さんでも腰が痛くなるだろう。

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有酸素運動も筋トレも、それだけを続けていると体は硬くなる。

運動の前後にはストレッチをした方が好いし、ときにはストレッチにじゅうぶんな時間をかけると良い。

私は、ときどきyoga教室に参加するようになった。

全然できないんだ、これが;笑

自分で、こんなポーズができないんだ、と驚くほど。

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そして1時間ほどのyogaで筋肉痛になる。

使っていない筋肉があるんだな、と驚かされる。

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yogaでもうひとつ気づかされるのは呼吸。

ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。

ヒトは日常動作だけだと肺活量のごくごく一部しか使ってないし、運動しても浅く速い呼吸になりがち。

精神統一し、心を落ち着かせるためにも、呼吸のコントロールはたいせつなようだ。

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うちでは朝、TV体操をする。94のじいちゃんも。

若いときは体操なんて運動にならないし、退屈なので準備体操としてしかやらなかった。

しかし、60越すとちょっとした運動になるし、自分の体が充分に動かないのがわかる。

子供のときにはもっと体が動いたのに、と気づかされる。

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うちのじいちゃん(齢94)を見てると、特に体を捻る動作が苦手になっていくようだ。

1世紀近く、激しく使ってきたのだ。体も錆びつくさな。

少しでも動き続けられるように若いときからメインテナンスしておいた方が好いよ。

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この秋の収穫。

 

 

 

 


大動物獣医さんのphysical  筋トレのススメ

2023-10-06 | How to 馬医者修行

今年も獣医科学生が実習に来た。

女子学生が多かったのだが、彼女らは細くて小さくて華奢。

手術室でX線撮影をやってもらうことがあるのだが、7 kg ほどあるX線撮影装置を持たせると心許ない。

7kgを片手で振り回せ、と言ってるわけじゃない。

両手でしっかり、ぶれないように構えて、撮影スイッチを押すだけ、なんだけど。

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女性獣医師が大動物診療で働き始めると、筋トレを始める人が多いらしい。

仕事の中で筋力不足を感じるのだろう。世は筋トレブームだし。

日常生活が便利になり、筋肉を使う日常動作が減っているのは男性も同じ。

スポーツをやっているのでもなければ、男子学生も筋肉がついておらず、体の使い方が下手。

            ー

40代50代になると、膝や腰や肩を傷めている大動物獣医師が多い。

筋力不足もその要因のひとつなのだろうと思う。

大腿部の筋力が不足していると、腰を下げることがおろそかになり、腰だけ曲げて物を持ったり、持ち上げがちだ。

これは腰を傷める原因になる。

腹筋が不足していると、反り腰になりがちで、これも腰痛を起こしやすい。

背筋も腰を守るために必要だ。

肩周りの背中の筋肉が不足すると、巻き肩(肩が前に弛緩する)になる。腕が不安定になり、物を持つことで肩周りを傷めやすい。

肩こりも運動不足や筋力不足から来ることが多い。

(私は20代の頃、肩こりだった。その後は大丈夫。字を書かず、キーボードになったせいもあるか?)

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筋トレは家の中で簡単にできる。

自分の体重を使って鍛えるなら、腕立て、腹筋、スクワット、が三大メニュー。

飽きないように、同じ部位だけ鍛えないように、いろいろバリエーションもある。

ダンベルを用意しておくと、鍛え方は増える。

一つ一つの筋肉に的をしぼって鍛えるのも良いが、ビルドアップが目的でないなら複合的に筋肉を鍛えるのが優先。

三大筋トレメニューは、デッドリフト、スクワット、ベンチプレス。

1ヶ月もやれば、筋力アップして動作がパワフルになり、体が楽に使えるのが実感できると思う。

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肘や肩を傷めないように、軽めのダンベルで筋持久力をつけるのが好いんじゃないだろうか。

男性なら4kgかな。

それでも筋肥大できる。

6kgになると気をつけないと関節を傷める。

置いておくと床や畳が傷む;笑 落とすと床が凹む。足に落としたら無事ではすまない。

あまり腕が太くなると直腸検査しにくくなる。

筋肥大すると体重は増える。

筋力があっても走れる大谷君やラグビー選手をお手本にすべきだろう。

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ダンベル以外の私の筋トレ材料。

 

 

 

 

 

 

 

 


大動物獣医さんのphysical 有酸素運動のススメ

2023-10-05 | How to 馬医者修行

私は、すでに齢63を過ぎ、もう若い頃の体力もないし、回復力・修復力もない。

それでも大きな故障もせずにやってこれたことは幸いだった。

若いときは感じなかったし、考えなかったが、私たちの仕事には、いわゆる”体力”が必要だし、重要だ。

そして、故障しないように体を維持し、使い続けなければならない。

             ー

社会人になると定期的に運動させられることはなくなってしまうので、自分で何か運動する習慣をつけた方が良い。

私は、就職したころ隣町のホテルにプールができて泳ぎ始めた。

水泳は呼吸を制限されるキツい運動だが、自分のペースでゆっくり泳いでいるうちに長い距離を泳げるようになった。

呼吸が楽にできる平泳ぎから始めて、だんだんクロールに移っていったのが良かったように思う。

             ー

職場の先輩に誘われて、秋には町民駅伝大会に出たりもしていた。

小さな町の町民大会なので、日頃からジョギングしていて、たまたま同じ区間に速い高校生がいないと区間賞をもらえることもあった;笑

             ー

自転車にハマっている先輩もいて、誘われてサイクリングに行った。

ロードレーサーに乗るのは初めてだったが、別に乗るのが難しいわけではない。

その頃、同期の獣医師のうちでトライアスロンの本を見かけて、借りてきて読んだ。

水泳と自転車とランニング。

自分にもできそうだ、と思って、トライアスロン用のハンドルを付けた自転車を買った。

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たしかトライアスロンレースデビューは青森県鯵ヶ沢だった。

ロングのトライアスロンにも出場した。

まあ、体力維持のための運動としてはやりすぎ;笑

30歳を過ぎると、職場で人間ドックに行かされるが、面談では「何も言うことはありません」だった。

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35歳までフルマラソンを走っていた。

フルのトライアスロンのタイムを縮めるためにはフルマラソンで3時間を切れるようになりたいと考えて、ランニングに集中してみたりもした。

ただ、私はランの練習距離を延ばすと膝の故障(腸脛靭帯炎)を起こす。

その頃、仕事も忙しくなり、博士号取得の勉強もあり、子供たちの世話もあり、トライアスロンもマラソンもレースからは遠ざかった。

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振り返れば、30代40代のあの仕事の激務を支えてくれたのは鍛えた体だったと思う。

一番だいじなのは毎日少しずつでも有酸素運動を生活に取り入れること。

ジョギングでも、自転車でも、縄跳びでも、一日に一度は息があがるような運動をした方が好い。

水泳は毎日のように泳ぐのは難しいだろう(プールが近いか、費用がかかる、時間がとられる)。

自転車は爽快だが、器材が要るし、パンク修理などの知識と技術も要る。

それと、北海道では乗れる時季が短い。5月から10月の半年かな。

スピードが出るので事故にも注意。

私は、50半ばから犬の散歩になっちゃったけど、これは運動強度が低すぎたかもしれない;笑

退屈なのを除けば、これはなかなかよろしい。