馬の乳頭腫。というよりパピローマと呼んだ方がとおりがいいだろう。
馬ウィルス性パピローマ equine viral papillomatosis
これからの時季、セリに出す馬にパピローマが出ると気になるし、コンサイナーや育成場でつぎつぎにうつると困ってしまう。

こいつはひどい。

目の回りにも出る。
馬の皮膚病学の教科書にはなんて書いてあるか・・・・・
治療
馬ウィルス性パピローマ症の病変は3ヶ月以内に自然に治癒する。
慢性に侵されている動物は免疫抑制状態にあることが疑われる。
外見上や健康上の理由で病変を除去するときには、外科的な切除や凍結手術が効果的である。
いくつかのより大きな病変を外科的に切除することで他の病変が小さくなるのを促進できることが逸話的に述べられてきた。
しかし、この仮説を調べるためにデザインされた馬での計画研究では他の病変が存在した期間は短縮されず、実際には延長したかもしれない。
手術が現実的でないときには、多くの局所投与剤がそれぞれの病変に試されてきた。
このような薬剤にはポドフィリン(50%podophyllin; 20%podophyllinの95%エチルアルコール溶液 ;2%podophyllinの25%サリチル酸溶液)、トリクロル酢酸、ベンゾイン・チンキなどがある。
これらの薬剤は寛解が得られるまで1日1回適用される。
すべてのこれらの報告は純粋に逸話である。
最近の逸話にはイミキモッドimiquimod やblood root/ 塩化亜鉛含有製剤の局所塗布がある。
他の治療の逸話としては、病巣内あるいは静脈内へのmicobacteria あるいはPropipnibacterium acnes製剤の免疫刺激剤としての投与や、シスプラチンあるいはインターロイキン2の病巣内注入がある。
炎症反応を引き起こすどのような治療も恒久的な色素脱を引き起こす可能性があることを覚えておかなければならない。
馬のウィルス性パピローマ症の治療において、自家腫瘍細胞ワクチンが「満足がいく」あるいは「価値あり」と報告されてきた。
これらのすべての報告は純粋に逸話である。
皮膚病変のlaser治療への感心の増加に伴って、ウィルス性であると疑われる病変へのlaserの使用時の注意が喚起されている。
パピローマウィルス抗原はCO2laserで治療したウィルス性パピローマ内で蒸発することがしめされている。
ウィルス性パピローマは伝染性なので、発症個体を隔離したり、免疫的に敏感な馬が感染厩舎へ入ることを制限することで病気の広がりを抑えられるかもしれない。
汚染馬房、餌や水桶、手入れ道具、そして手綱は清潔にし、アルカリ剤かポピドンイオジン剤で消毒するべきだ。
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laserも用意して使ったし、凍結もやったけれど、結局、アリス鉗子で引きちぎるのが一番てっとり早かった。
鎮静剤も投与し、眼窩下孔で神経ブロックもしたのでおとなしかった。
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追記
私はパピローマで相談されると、はと麦を食べさせることを勧めている。
ヨクイニンという成分がウィルス性のパピローマを抑える効果がある・・・だろう、かもしれない、と考えられている。
が、本に書いてある通り、放っておいてもほとんどの馬が3ヶ月ほどで自然治癒するし、
上の写真の馬のようにはと麦やヨクイニンを与えても効果を感じられない馬もいるし、
どのくらい与えれば良いのかもわかっていない。
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では、寒気がする写真のあとは、爽やかな楽しい画像をどうぞ。
