北海道獣医師会雑誌 第69巻2号(2025)に「豚農場環境におけるClostridioides difficileの定着実態の解明」が載っている。
酪農学園大からの報告。大学実験豚舎で3年間拭き取り検体からClostridioides difficileを分離し、遺伝子解析した内容。
Clostridioides difficileは、馬の大腸炎、抗菌剤誘発生腸炎の病原体になることで馬にも危険で、馬関係者にも怖れられている。
ー
2022,2023,2024年と調査しているのだが、採材箇所、採材数は年によって異なる。
1年1回だし、翌年には前年の結果を踏まえての調査になったのではと思いたくなるが、そうでもない。
2022年に分離されたのは豚舎内環境(床、枠、餌入れ)からのみ。
2023年は、採材検体は22から52検体に増えている。やはり分離されたのは豚舎内環境からのみ。
しかし、2024年の検体は2022,2023年に分離されたことがない長靴、消毒薬、ブラシのみ。そして長靴1検体のみから分離された。
そもそも、この豚舎でClostridioides difficileが問題であったのかどうかわからない。
調査の直接の動機と調査計画がどうしてこうなったのかがわからない。
ー
偏性嫌気性菌で培養が難しく、芽胞菌であるために動物飼養環境での消毒や殺滅が非常に困難な細菌である。
一般の馬の飼養環境がこの菌で汚染されたら清浄化はかなり困難だろう。
JRAでの経験が引用されているが、一般の牧場はそれほど施設、作業に手間も経費もかけられない。
ー
馬のClostridioides difficile腸炎について言えば、抗菌剤投与により誘発されることがほとんどであることを認識し、馬獣医師は慎重に対応する必要がある。
馬の病院や診療施設では、抗菌剤は使わざるを得ない。
重症畜や手術後の患馬が滞在しているからだ。
そこがClostridioides difficileで汚染されてしまうと非常にやっかいなことになる。
その点でも、今回の「豚農場環境におけるClostridioides difficileの定着実態の解明」は興味深く読んだ。
//////////////
と~っても珍しくてっぺんまで行く第4リフトまで動いていた。
去年は雪不足で一度も動かなかったと思う。
雪もガリガリではなかく、楽しく滑れた。
「ありがとうフェスティバル」が催されていてにぎわっていた。