goo blog サービス終了のお知らせ 

馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

全国公営競馬獣医師協会 神経ブロック・関節穿刺 講義と実習 その後に

2025-02-12 | 講習会

わたしは日本獣医生命科学大学は初見参。

歴史のある獣医科大学だ。

              ー

今回は参加申し込みがかなり多かったそうだ。

・場所が那須より行きやすい

・泊まりでなくても参加できるので、特に学生さんが参加しやすい

・大学で行われるので、抵抗感がなく、安心感がある

・北海道のNOSAIからの参加があった(費用補助があった)

くらいが参加者が増えた理由かと思う。

今回は私はサブの講師で、あくまで助手。

午前中は講義室で講義。

参加者の馬臨床経験のレベルが、学生からベテラン獣医師までいろいろなので難しい。

            ー

お昼は急いで実習の準備をして、近くの松屋で牛丼を掻き込んで、午後は実習。

解剖肢で、関節穿刺、神経ブロックの練習。

業者さんの協力でX線撮影も。

そして、剥皮、解剖して解剖構造の確認。

              ー

臨床獣医師に必要なのは、知識と技術と経験。

しかし、学生さんも、経験が少ない獣医さんも、知識も技術も経験も不足しているから積み重ねていく必要がある。

実馬をまったく使えないのは、この研修としては残念。

私たちは神経ブロックの実習では、実習馬に後遺症が残らない方法で跛行を作り(これには経験で開発したHow toがあるのよ)、参加者に神経ブロックを体験してもらってきた。

初めて神経ブロックをやる人にやってもらっても、効果は明瞭に出る。

細かい注意事項になると技術にしても解釈にしても難しい話になるが、やってみればうまく行く。

神経ブロックによる跛行診断は、欧米の獣医学教育のDay One Skillのひとつなのだ。

獣医科卒業生は、卒業した日にできるようになっているべき手技ということ。

今回の研修が、さらなる普及の機会になることを願う。

           ////////////////

研修の翌日は、東京駅へ向かい、皇居一周ランに挑戦。

ランナーが多くて驚いた。

ランナーが速くて驚いた。

みんな本格的なシューズを履き、本格的なウェアで走っている。

近所に住んでいる人は多くはないだろうから、走ることを目的に来ているのだろうな。

私は追い越される一方だったので;笑 

他の人のフォームを後ろから観察していたが、

・ほとんどの人が厚底シューズを履いている

・フォアフットストライカー(足底の前部で着地する人)が増えた?かなり居る

・膝や足首が内外に沈み込む人がかなり居る

と、馬医者的な観察眼で観ながら走って退屈しなかった;笑

私が走ったのは5.6km

 

 

 

 


全国公営競馬獣医師協会 獣医師生涯研修 神経ブロック・関節穿刺 その前に

2025-02-12 | 講習会

例年、那須で行われていた全国公営競馬獣医師協会の獣医師生涯研修が今年は日本獣医生命科学大学を借りて行われた。

日本獣医生命科学大学を訪れるのは私は初めて。

JR中央線、武蔵境、と聞いても、関東に土地勘のない関西人にはどのあたりやら??;笑

中央線をずっと行くと、どん詰まりは高尾だ。

ということで、前日に朝の飛行機で行って、高尾山に登ることにした。

なにせ、高尾山の年間登山者数は260万人で世界でいちばん多くの人が登るのだそうだ。

もっと言うと世界で登山をする人は年間700万人、そのうち260万人が高尾山だという数字も。

といっても登り始めるのは昼になるし、夜の会食に間に合うように登りは・・・・・リフトで;笑

小規模のスキー場のリフトより長くて高度差もある。

体がむき出しなので慣れてない人や子ども連れは怖いかも。

山頂部に上がると東京の街が遠くに見える。

              ー

お昼を食べないまま羽田から来たので、お団子を買い食いした。

空きっ腹になかなかよろしい。

              ー

そして

山頂から富士山。

             ー

これも修行だからね。こころに留めるべきはこういうことかな。

               ー

下りはケーブルカーで。

リフトやケーブルカーで上り降りすると登山かどうか微妙な気もするが、楽しい一日を過ごせるんだろうな。

クマ除けスプレーとナイフを身につけて歩く北海道での山歩きとはだいぶちがう;笑

 

 

 

 

 

 

 


最後の講演

2024-11-25 | 講習会

辞めるなら最後に何かしゃべれ、ということなので・・・

地元獣医師会の講習会として、「40年の二次診療から」と題して講演してきた。

たくさんの獣医さんに集まっていただいて光栄だった。

新しいデータや成績の発表でもなく、新しい手技手法の紹介でもないのだが、

若い獣医さんにも10年20年の経緯を知っておいてもらうことは今後の役に立つのではないかと思って内容を準備した。

講演はいずれオンラインで公開されるらしい。

興味がある方はそちらを観ていただくことができると思う。

            ー

講演が終わって自宅へ戻り、ジョギングにでかけた。

興奮を鎮めるためには、体を動かしておいた方が良い。

しかし、夜は眠れなかった。

人前で2時間も3時間も話すというのは、私のような者にとってはいまだに異常な体験なのだろう。

次の日も疲れが残っていた。

もうそれも最後。

体のためにもその方が好さそうだ;笑

          /////////////

枝垂れ桜も剪定した。

地面に着いたり、横幅を伸ばしすぎている下枝を中心に。

切り口には癒合剤を塗っておく。

傷口から病原菌が入り込むのを防ぎ、傷の癒合を早めてくれるらしい。

サクラの木を侵す天狗巣病の病原菌の1つにRhodococcus spp.も含まれている。

私、専門家でした;笑


牛の骨折プレート固定実習 in 江別

2024-11-17 | 講習会

例年たのまれている外科研修の骨折内固定の指導に行ってきた。

朝5時半出発。

高速を走れば2時間ほどで研修所につく。

早く着いたのでコンビニでのど飴を買った。

2日間立ちっぱなし、しゃべりっぱなしで保つのか64歳;笑

基本的なことを講義をしてからプラスチックボーンで練習。

解剖体での練習にとりかかるのが遅れるが、器具の扱いやプレート固定の仕組みに慣れていることで、結局はその後が順調に進んだように思う。

4テーブルに分かれて実習。

今年もジョンソン・エンド・ジョンソン Depuy Synthes社の協力で実施できた。

AOがCourse と呼ばれる研修会を世界各地で開いているが、プラスチックボーンでの実習であり、解剖体は使えない。

そして、参加費は20-30万ほどかかる。

脛骨、橈骨、大腿骨、上腕骨、中骨骨(これはminimally invasive percuteneous plate osteosynthesis ; MIPPO で)と2日間に分かれて練習していただいた。

プレート固定は特殊な外科手術で、骨のあつかい、器具のあつかい、そして手技に慣れが必要。

まあ、それは帝王切開や第四胃変位の開腹手術でも同じで、何度もやらないと上手にはできない。

地元に戻って練習を続けてもらいたい。

そして、牛の骨折をうまく治してもらいたい。

           ー

研修所は、指導役の若い獣医さんも集まっていて活気があった。

NOSAIの獣医師は全道に700名以上居る。

大学を卒業したらそのまま臨床できるほど家畜臨床の分野は容易ではない。

研修所の存在と充実はとても重要なことだ。

          ///////////

ニシキギ

赤くなりかたはみごと。

小さいオレンジの実もなる。

生け垣にする人もいるけど、私は自然な樹形が好きかな。