慢性蹄葉炎の治療や蹄管理方法については、まだいろいろ議論があるところだ。
私が深屈腱切断の効果を云々しようが、
深屈腱切断後のデ・ローテーションの方法を唱えようが、
そう簡単に普及し、治してもらえる馬が増えるとは思っていない。
その状況は海外でも同じことなのかもしれない。
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Veterinary Clinics of North America はよいシリーズだ。
最新の獣医学的課題について、その分野のトップランナーが分担して執筆している。
2刊に分かれて蹄葉炎分野での最新の情報が提供されている。
慢性蹄葉炎の治療と管理についてScott Morrisonもたいへん丁寧で、かつ最先端の情報を提供してくれている。
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A.かなりローテーションした慢性蹄葉炎。
B.蹄踵部を削る。
C.Aの写真にどのように削蹄したかラインを書き加えたもの。
蹄骨の底のライン(赤線)を引く。
それに平行に蹄踵を削り新しい蹄底を設定する(青線)。
蹄骨の先っぽが反回ポイントとなるように、蹄冠から垂線を降ろす(黄線)。
E.蹄底に接着とグラスファイバーで、デローテーションした蹄鉄を着けた。
F.そのX線画像。
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左端は蹄骨の先端が蹄底を突き破ったX線画像。
中央は、それをデローテーションさせたところ。
もちろん深屈腱切断をしなければこんなことはできない。
そして右は3ヶ月後。
見事に治療計画は達成されている。
文句あるか?
しかし、深屈腱を切れば勝手にこうなるわけではない。
様々なHow to と、日々の管理が必要なことは言うまでもない。
Scott Morrisonも書いている。
まだ、「議論があるところだ」と。
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