仔馬が上顎切歯骨部をひどく損傷してしまった。
切歯骨部はほとんどちぎれかけている。
下顎とちがって上顎は薄い骨が重なり合ってできている。
少ししっかりした部分が左右に1本ずつあるだけ。
ひどく汚染しているので、抗菌剤を入れた生理食塩液をかけながら鋭匙で擦って洗う。
骨のかなりの部分は変色し、血行を失っているみたい。
上顎切歯骨部は、正中の切歯骨の間から動脈が出ていて左右の歯肉へ血液を送っている。
歯肉はピンクなので血行はあるのだろう。
このままでは整復できないので、一部歯肉を切開して骨を押し込むようにして整復した。
「骨のしっかりした部分」を狙って、キルシュナー鋼線をドリルでねじ込んだ。
鼻から気管挿管してある。
キルシュナー鋼線は本当はネジ山があるものが欲しいところだ。
歯肉を縫合して傷はほとんど閉じることができた。
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驚いたことに、
2週間後、キルシュナー鋼線は1本は抜けてしまったが、傷は良好だそうだ。
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クマも鼻っ面が弱点らしい。
出会ったら鼻っ面に一発・・・・・
無理だと思うけど・・・・その気概だけは持っておきたい;笑