前日腸管手術した繁殖雌馬は順調で、昼過ぎに帰っていった。
診療センターは大掃除の総仕上げ。
と言っても、入院馬が居たので厩舎はほとんど手付かず。
ふだん見えない、触らない空調の吹き出しのフィルターや、天井近くの壁や、器具器械の天板は掃除しておきたいが・・・・
簡単には終わらない。
3mの脚立に乗らないと見えないし、拭き掃除できない。
掃除するにも、注意力ほかのセンスと、体力と、気力が要る。
仕事納めでも衰えを感じた1年だった;笑。
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娘がクリスマス過ぎて帰ってきたので、クリスマス過ぎのクリスマスケーキ。
でも、取りにいってからデコレーションを仕上げるこだわりの店。
プロだね。
きのう午前中に空腸盲腸吻合を受けた馬は、術前に13リットルの胃液を捨て、術中に30リットルの小腸内容を捨てたので、術後の脱水が予想された。
それで輸液スピードを上げていた。
夜8時に「伏臥して呼吸が苦しそう」とのことで診察。
それまでの術後8時間で20リットルの輸液を行った。
さらに次の20リットルを用意して付け替えた。
疝痛はないが、消炎効果、抗エンドトキシン効果を期待してフルニキシン・メグルミンも投与した。
しかし、口粘膜は紅潮で斑(まだら)。良い状態ではない。
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午前2時半に「発汗し、苦しそう」とのことで呼ばれた。
心拍は104、口粘膜は赤灰色で、「これは厳しいな」と思った。
痛がっているというよりは苦しい感じ。
メデトミジンとベトルファノールを投与して鎮静した。
胃カテーテルを入れるが、ガスも液も回収できない。
術後40リットルの輸液を入れ終え、次の20リットルバッグを吊る。
ショック状態なので、循環血液量を増やす目的で高張食塩液1リットルを急速投与した。
投与中に馬は苦しがった。
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朝5時、馬はぐるぐる歩き回って輸液チューブが捻れて輸液が止まった。
解こうとしている間に様子がおかしくなり、危ないので馬から離れるように指示した。
馬はそのまま倒れて、しばらくもがいて死んだ。
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剖検では胃破裂が確認された。胃にはまだ固形物が残っていた。
小腸は全体に色調がひどく悪かった。
術後イレウスから胃破裂したのだろうが、いつ胃破裂したかはわからない。
もっと輸液していれば、とか、
もっと早くに胃カテーテルをいれれば、とかも思うが、あの小腸の様子では厳しかっただろう。
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朝、6時過ぎに疝痛馬の診療依頼。
あわただしく受け入れ準備しておいて、朝食を食べに帰る。
7時過ぎに馬が来たが、まだ痛い。
PCV44%、乳酸値1.8mmol/l。
朝4時には疝痛だったというので、もう3時間以上経っている。
開腹手術する。
小腸の一部が腹腔奥に入り込んでいた。
もみほぐし引き抜いた。
その上位の小腸はひどく膨満していた。
切開して内容を20リットル近く捨てた。
成馬の小腸閉塞は一人では扱えない、ときのう書いたが・・・・ひとりでやる。
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閉腹のときに、ウニュウニュと出てきて邪魔になる腸管を押さえておくのに使う。
ある程度閉腹したら、ワイヤーを引張って抜く。
正式名称はviscera retainer (臓器保持器)だが、通称fish。
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さあ、これで年内の手術はfinishとしようじゃないか!
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無影灯をきれいに拭く。
今年の血しぶき、今年のうちに ♪♪
学会、休み、会議、と続いて、ひさびさの執刀手術。
それも今年の締めくくりとあって、気合を入れて!と出勤したら、当番チームが開腹手術を始めるところだった。
繁殖雌馬の小腸捻転。
それで午前中の予定手術は結局、年明けへ延期。
疝痛馬は重症だった。
直径10cmを超えた、長さ10m以上にわたる腸管をひとりでは扱いきれない。
内容を捨てて、
纏絡を解いて、
切除する部分を決めて、
血管を結紮して、
腸間膜を切断して、
腸管を吻合しなければならない。
・愛護的に
・内容が漏れないように
・しかし狭窄させないように
・汚さずに
・血行が確保されるように
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術前に胃液が13リットル抜けたそうだ。
術中に小腸内容を30リットル捨てた。
腸間膜が破れて腹腔内に相当出血していた。(そのせいでPCVの上昇が抑えられていたのだろう)
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急に寒くなった。
入院厩舎はストーブをつけて暖かくし、輸液も温めておいた。
さて・・・・・
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とうちゃんは血圧高くなる
practice ってどういう概念か?
AAEP American Association of Equine Practitioners は、「アメリカ馬臨床獣医師会」と訳すのが良いと思う。
ここでいうpractice は臨床、つまり実践だ。
Let's practice ! さあ、練習しましょう!
この場合のpractice は練習だ。
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練習と実践という、背反する概念を表すのに使われるのでとても把握しにくい。
どうも語源は「行う」という言葉から来ているらしい。
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さて、来年の全国公営競馬獣医師協会の研修では、2/8は骨折内固定のpracticeをやります。
講義は最小限にしてpracticeします。
内容は、
中手骨外顆骨折のスクリュー固定
第一指骨縦骨折のスクリュー固定
尺骨骨折のプレート固定
近位指節間関節の関節固定
下顎骨折のプレート固定
切歯骨骨折のワイヤー固定
子牛の脛骨、橈骨、大腿骨、上腕骨骨折のプレート固定
をpracticeします。
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ほんとにpracticeしなければいけなくなる立場なので、practiceしておきたい人もいれば、
practiceした経験があるだけで、practiceの中で遭遇したときに二次診療施設へ送るのに役立つというpractitionerもいるでしょう。
それぞれの立場とレベルにあわせてpracticeしてもらえば良いと思います。
翌2/9も引き続きpracticeしてもらえます。
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その中でpracticalな講義も少しだけしたいと考えています。
と思ったあなたは遅れてる。
という話もしたいと準備しています。
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牛の獣医さんには、子牛の骨折プレート固定をpracticeしてもらう機会にしましょう。
たぶん日本ではそんな機会は他にないでしょう。
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どうしてなんだかわからない。
外を眺めながら走るのが好きなのか?
すわり心地、寝心地が好いからか?
とうちゃんと長い時間いられるからか?
毎日家にいるのは退屈だからか?
なぜだ?!