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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

冬の1日 感染性腱鞘炎、耳瘻管摘出、便秘疝、EE、飛節OCD、骨盤骨折

2024-02-08 | 日常

2歳馬の感染性腱鞘炎。needle to needle で腱鞘洗浄。

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2歳馬の耳瘻管。

たいていは膿性の粘液が出る、ということで当歳時に手術するが、この馬は肉芽様の塊ができている。

左耳は角化した管状物が突き出している。

まあ、耳瘻症に間違いないのだろう。

静脈全身麻酔下で摘出した。

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「あがり馬」の疝痛が来院。

結腸便秘のようだ。腹囲も背部側が膨満している。

痛みをコントロールしながら下剤で治療するのがbestだろう。

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午後は、現役競走馬のEE。

EEのまま競走は好成績だったらしい。

しかし、喉なりする。

治しておかないと、喉頭蓋が萎縮してしまうリスクもある。

Laserで切開した。

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飛節OCDの関節鏡手術。

そこへ併行させるつもりの2歳馬の寛跛行症例。

私はそちらへ対応・・・・・


仕事復帰

2024-02-07 | 日常

仕事復帰して、

朝一、1歳馬の副鼻腔蓄膿。顔が変形している。こういう副鼻腔蓄膿は副鼻腔内部も変形している。

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繁殖牝馬の疝痛の来院。20歳で、リードホースとして活用されている馬。

リードホースとしてとても優秀なのだそうだ。

予想どおり有茎脂肪腫による空腸の絞扼だった。

空腸端端吻合できた。

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午後1時の予定の手術は2時半にずらしてもらった。

2歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

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併行して眼球結膜?にできた腫瘍の摘出手術。

外見上からは扁平上皮癌 SCC じゃない。

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急患で、2歳馬の上顎切歯骨骨折。

右上顎第二切歯と第三切歯がめくれてしまった。

歯肉もひどく裂けているし、乳歯なのでとってしまっても問題ないし、早く治る。

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バタバタ忙しかったが、おっさん4名が出勤していたので余裕で対応できた。

わたし、病み上がりなんですけど;笑

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夜、9歳繁殖牝馬の網嚢孔ヘルニア。

これも端端吻合できたそうだ。 

 


COVID19 体験記

2024-02-02 | 日常

28日に那須から帰ってきた。

さすがにちょっと疲れているのかな、とは思ったが体調は悪くなかった。

29日は回復休みをもらっていた。朝、床屋へ行ったら、くしゃみが1回出た。

昼、薪割をしたが不調。腰が痛く、元気がない。

午後、倦怠感があるので熱を測ってみたら36.5℃。私には微熱だ。

普通の風邪にしては、呼吸器症状、鼻水や喉の痛みがない。

そのわりに、倦怠感と筋肉と関節のだるさがある。

これはインフルだな。

熱は37.5、38.2と上がった。

私は11月にコロナ(7回目)も、インフルもワクチンを接種している。

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30日、病院の発熱外来へ行って、インフルとコロナの検査をしてもらったら、なんとインフル陰性、コロナ陽性。

この頃、熱は37℃前後に下がっていた。

お医者さまに頼んでコロナ用の抗ウィルス薬パキロビッドを処方してもらう。

最初は、「漢方薬をだしましょうか」ということだった。

私は西洋医学の信者で、西洋獣医学の実践者だ。

東洋医学に頼りたくて病院を受診しているわけじゃない。

私は、喘息と心臓血管病があるし、普通の風邪でもひどく呼吸が悪くなったことがある。

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午前中は37℃前後に解熱していたので、このまま治まるのかと思ったら午後は嘔吐。

食べてないので吐く物もないのだけど、これはパキロビッドが胃に悪いのかもしれない。

パキロビッドは、リトナビル100mg1錠とニルマトレルビル150mg2錠を併せて飲むことになっている。

飲み合わせ注意の薬がいくつかあって、降圧剤やコレステロールを下げる薬の作用を増強してしまうらしい。

熱も夕方には38.4℃に上がった。

38.5℃以上になったら飲むように、解熱剤アセトアミノフェン錠500mgも処方されている。

飲めば一時的に症状は楽になるかもしれないが、免疫は落ちるだろうから、飲まない

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31日朝、37.0℃。熱が下がっていると体も楽。

食欲はないが、まったく食べられないわけではない。

わずかに食べれば十分だ。無理に食べても負担になるだけ。どうせ寝てるだけなんだし。

ポカリスエットとお茶は少しずつ飲む。ときどき排尿がある程度の水分補給は大事。

昼からは、36℃台なかば。私にとっては微熱。

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1日朝、36.3℃。「平熱」だけど私にはどうか・・・

食欲はないが、食べられないこともない。

29日午後に発症して、3日目。ほぼ寛解だが、ウィルスはまだ排出しているのかもしれない。

発症5日目まで、かつ症状軽快から24時間以上は外出を控えることが推奨される。ということだそうだ。

一律に外出の自粛を要請するものではない、ともなっている。

たまたま連休をとっていたので、あと3日間休むことにする。

家の中でも、2階に閉じこもる。部屋を出るとき、トイレや洗面所へ行ったら手指消毒を繰り返す。

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2日朝35.6℃。

これが平熱。

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ブログを辿ってみれば私は2007年3月にインフルに罹っている。

それから、馬の業界ではウマインフルエンザの流行があり、

世間では、ヒト新型インフルエンザの騒動があり、

2019年からCOVID19(SARS-CoV-2)が世界を混乱させ、多くの犠牲者を出した。

2007年の3月に私がインフルに罹ったとき、地元では流行していなかった・・・

今から思うと、疫病に対してのんびりした時代だった。

 

 


謹賀新年2024 正月の鍛錬

2024-01-06 | 日常

年末からゆっくり過ごさせてもらった。

太く、短く、捻れた「そば」を食べに行き、大晦日は温泉へ入り、

初詣に出かけ、

恒例のスキー&スノボツアーにも行くことができた。

誰もへばったり、脚が痛いと泣き言を言わなくなった。

子ども達もそれぞれ仕事をするようになり、体力がついたのかと思ったら、

父さんがスノボになって、以前のように上級者コースばかり滑らなくなったせいだ、とのこと。

そうか、私が衰えたのか・・・

まあ、それも受け入れてまた1年がんばりましょう。

今年もどうぞよろしくお願いします。

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元日から震災、なんということだ。

被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

飛行機の事故もひどいものだ。

亡くなられた海上保安官、ご家族にお悔やみ申し上げます。

JAL機の乗員の対応、旅客の皆さんの秩序を守った行動は悲劇の中で賞賛に値する。

獣医さんとしては、預けられていたペットだけは命あるものとして助ける努力をして欲しかった。

 

 

 

 


人が動物と生きること 動物園のライオンと野良犬と乗馬そして競走馬と

2023-11-12 | 日常

札幌市円山動物園がライオンを避妊手術して、雄と雌を一緒に飼おうとしたら、反対意見が寄せられ、考え直すことにした、との報道

ライオンの雄は、去勢してしまうとタテガミが抜けて見た目も中性化してしまうので、おそらく計画された避妊手術とは精管結紮(パイプカット)なのだろうと思う。

雌は、卵巣割去する計画だったのだろうか?

家畜を去勢したり、卵巣割去するのは、人が昔からやってきたことだし、現在でもペットでも行われている。

それを可哀相とか、避妊そのものに反対するのは、無知なのか、無邪気なのか、あるいは宗教上の理由なんだろうか??

144件のうち59件が疑問や反対を示す意見で、それを受けて計画を検討しなおすというから動物園の運営も難しいものだ。

そして、信念や自信がないのだろう。

市民の開かれた動物園、広く寄付も募りたい、という難しさなのかな。

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全国で野生動物が住宅地や市街に現れて騒動を起こしている。

今や農村にも放し飼いにされている犬や野良犬が居なくなったせいだ、と聞いて「さもありなん」と思った。

人里に飼われていたり、人の周りで暮らしていた犬は、野生動物を追い払う役割を果たしてくれていたのだ。

私の家の周りにもエゾシカがたむろしていたこともあった。

リンゴの樹やオンコがひどく齧られたこともある。

相棒のゴールデンレトリーヴァーDukeは、うちを守ってくれてもいたのだろう。

室内犬、小型犬ではどうもならん。

このエゾマツはシカに齧られたか、雄ジカが角を擦り付けたらしい。

この庭をシカが徘徊しているとは驚き。

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後膝の手術をする予定だった1歳馬が前日に肘部を外傷。

来院しても怪我をした肢は負重できない、とのこと。

X線撮影したら尺骨頭のひどい骨折。

上腕三頭筋付着部が全部引きちぎられたように割れて引き離されている。

とても競走馬には成れない。

あきらめる。

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午後は、4歳馬の去勢。

乗馬にしてもらえるのだそうだ。

立ち上がり、噛み付き、扱いにくい馬だそうだ。

心落ち着き、幸せな毎日を送ってもらいたい。

その日々を余生と呼ぶのは乗馬に失礼だろう。

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現役競走馬の後肢趾腱鞘炎。

超音波では浅屈腱のひどい変性が見つかった。

もう競走はできないだろう。

繁殖供用に耐えられるか?

それもまた命に関わることだ。