馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

夏の1日

2014-07-30 | 日常

今日は、

朝、相棒と散歩に出たら当番チームは開腹手術中。

完全徹夜になったようで、お疲れ様。

朝は、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

次いで、下顎切歯骨骨折の育成馬。

午後は、私は会議。

手術室では腕節の関節鏡手術。

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夜になってまた疝痛馬の来院。

実習生や研修獣医師が来ていて大活躍。

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P7286483これもVeterinary Recordの広告。

Archaelogist

ワンコは考古学者

「彼らの仕事は特別な存在であること。 

彼らを守るのは(彼らがそうあるように保つのは)私たちの仕事。」

というわけで、イヌ用駆虫剤のコマーシャル。

ちょっとわかりにくいね。

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P7116396今日は暑かった。

ちょっとは夏も味わわないとね。


飛節の腫瘤

2014-07-29 | その他外科

P7286476 当歳馬の飛節の外側にできたコブ。

柔らかくて、波動感がある。

内部に液体が入っているようだ。

しかし、熱感、圧痛、跛行、圧痕がつく水腫感はないので、膿瘍ではなさそうだ。

関節そのものとは離れているようだ。

長趾伸筋腱や外側趾伸筋腱との関係が気になるが、この状態だといずれにしても手術しなければならない。

X線撮影して骨や骨膜の状態を観たり、

造影して腱鞘とのつながりを調べたり、P7286477

超音波で内部の状態を観るのも良いが・・・・・

いずれにしても切らなければならない。

吸入麻酔して、

手術台で左横臥にして、

腫瘤の上を切開し、

袋状の組織を周囲から剥がす。

途中で穴が開いてしまったが、

袋状の構造物を残さずに取り出せた。

P7286481内部にはオレンジ色の滑液と、

フィブリンの塊と、得体の知れない粒が入っていた。

粒はおそらく老廃物が固まったものなのだろう。

死腔が大きくなったので、内部をできるだけ貼り付けるように縫合した。

皮膚はステント縫合した。

どうしてこんなものができたのかはわからない。

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P7246462そろそろ盛夏。

今年のこのあたりは酷暑にはならずに済むのかもしれない。

朝は肌寒いくらいで、

日中も爽やかな夏の日だった。

暑中お見舞い申し上げます。


Born to play

2014-07-28 | 日常

P7286482Veterinary Record に載っていた消炎鎮痛解熱剤メロキシカムの広告。

遊ぶために生まれてきた!

って感じかな。

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犬だけではなく、猫にも使ってもらいたいようだ。

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馬への投与量の100分の1ほどだろうに。

まあ、頭数が100倍以上いるか・・・・・

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サッカーボールが古風だけど、W杯を意識しているのかもしれない。

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P7286484P7286485


腕節の腫瘤

2014-07-26 | その他外科

P72464562歳の腕節の外側にコブができて徐々に大きくなったとのこと。

痛みも、熱感も、跛行もないが、これ以上大きくなるとやっかいなので取って欲しいとの依頼。

部位からして総指伸腱よりは外側のようだ。

外側指伸腱には関係しているかもしれない。

超音波検査では、実質感がある塊で、周囲にはわずかに液がある。

X線撮影では、骨膜反応もなし。

何だ?

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触ってみて、これならイケルなと思った。

皮膚にはくっついていなくて可動性がある。

塊は、下の組織ともくっついていなさそうだ。

総指伸腱も、外側伸腱も、近位と遠位で異常ないことが確認できた。

橈骨手根関節にも異常はない。

P7246458で、吸入麻酔下右横臥で、皮膚切開し、

周辺組織から鈍性に剥がしながら摘出した。

なんとなく鞘状組織に包まれていてわずかに液が溜まっていた。

裏側も骨にも関節にもつながっていなかった。

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P7246460なぜこんなものができて徐々に大きくなってしまうのかわからない。

両性の腫瘍だという表現もどうも違うような気がする。

病理組織検査に出すことにしたが、

さて、どんな結果が返ってきますことやら。

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P7266474サクラマス、

私が3枚におろしました。

いや、包丁がメスほどきれなかったもので・・・・

手術も料理も、

熟練と、道具がだいじ。

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札幌競馬場、行ってみたいね~

スーパームーン、おめでとう!!


重輓馬のTieback

2014-07-26 | 呼吸器外科

きのうは、午前中、日本装蹄師会の教育生16名が見学研修。

18歳から32歳だそうだ。

1年間とは言え、その密度の濃い教育期間をうらやましく思う。

獣医学教育は6年間だが、とてもその密度はないだろう。

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P7256471
午後は重輓馬の喉頭形成術 Tieback 。

手術台には載らないので、倒馬室で手術した。

5m×5mで設計した倒馬室が狭く感じる。

軽種馬とは別な動物だと思っていたほうが良いかもしれない。

大きさは倍ちがう。

手術もかなりやりにくい。

皮膚は分厚いし、

脂肪は多いし、

大きい分、手術部位も深くて遠いし、

軟骨の形状や厚さや硬さも軽種馬とは違う。

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なにせ重いので、圧迫による筋障害にも気をつけなければならない。

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P7256469とうちゃん、おつかれ~

オラがナメテやるよ