馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

Equine Surgery 5th ed.

2018-11-11 | 図書室

Equine Surgery 第5版が届いた。

Equine Surgery, 5e
Jorg A. Auer Dr Med Vet MS,John A. Stick DVM
Saunders

ずっと黒い本だったのだが、装訂が変わった。

表紙は、馬の親子のブロンズ像。

なんと、Auer先生の初作品だそうだ。

よく見ると、下手だ;笑

子馬に比べて親馬がちいさすぎる。

親馬の顔が子馬の顔とつくり分けられていない。成馬はもっと鼻が長い。

馬の目が違う。人っぽい。

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内容は・・・・

新しい著者が増えてかなり変更されている。

CTやMRIも含めて画像が増えた。

画像診断の章もある。

神経系の手術が加えられた。

馬外科医も脳や脊椎を扱うようになるのか?

著者は女性が増えたな~

                -

馬外科医のこころがけが書かれている。

 

必要なレベルの教育と訓練を修得しろ

その手術のための論理的なプランを立てろ、そしてプランBを持て

手に入る文献と技術を調べろ

解剖と生理学を理解せよ

必要なら解剖体で練習しろ

チェックリストを創れ

他者の助け、あるいはディスカッションを求めよ

自分の結果を総括しろ

Halstedの原則を完遂せよ

受け入れる心を持ち、謙虚であれ

忘れるな、それはチームの頑張りだ

                 

 

 

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日本の運命について語ろう

2018-02-23 | 図書室

書店で買って、休みの日の昼寝のお供に読んだ。

日本の「運命」について語ろう (幻冬舎文庫)
浅田 次郎
幻冬舎

私にとって浅田次郎氏は歴史作家ではないのだけど、その浅田次郎氏が歴史について語った講演録をまとめた本。

語り口調で書かれているので、とても読みやすい。

「なぜ歴史を学ぶのか」に始まって、

祖父・父から聞いた話と家族の体験を含めた「父の時代・祖父の時代」。

「蒼穹の昴」をはじめとする中国ものの背景の解説となる「中国大陸の近代史」。

「壬生義士伝」ほかの幕末ものの背景としての「明治維新がめざした未来とは」。

そして、参勤交代を描いた「一路」にまつわる「参勤交代から覗く『江戸時代のかたち』」。

で、あとがき「書くことと語ること」。

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なかなか面白かった。

ただの史実を語るのではなく、そのことを将来に生かそうと語るのはなかなか難しいことだし、

近代史を、さまざまなものを評価しながら語ることも難しいことだ。

しかし、氏の庶民感覚を根底においた歴史考察の大半は、現在に生きるわれわれが持っておくべき歴史認識のように思う。

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かつて自衛隊員であった氏の、戦争と軍に関する考察は興味深い。

第二次世界大戦終盤の北方領土でのソビエト連邦との闘いの様子は本当か?

歴史物のドラマや小説でよく取り上げられてきた歴史の本筋から離れた史実も興味深い。

参勤交代は、江戸時代の経済と交通の発達を支えた一大公共事業だったんだね~

幕府と諸般の力関係で止めてしまったが、やめたら世の中の景気がどうなるか考えなかったのか?

それで浮いた費用を諸藩が何に使うか考えなかったのか?

いずれ、氏が本業で書いたそれらの小説も読んでみたくなった。

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今週、診療はslow。

それでも間違いなく、日は長くなり、仔馬は生まれている。

そのうちrushが来るだろう。

どうせなら、雪とけろ。

 

 

 

 

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獣医さんのイタい恋

2017-08-30 | 図書室

これは読まねばなるまい、と思って新刊書をamazonで注文して読んだ。

獣医さんのイタい恋
清水 秀茂
文芸社

とても面白かった。

小説としては、ちょっとアラが見える部分もあるし、タイトルもどうかとは思うが、一般の小説としてもよくできていると思う。

著者は現役の獣医さんだそうだ。

経験豊富な腕のよい獣医さんでもあるのが、診療の細部の表現などからわかる。

そんな獣医さんが書きながら、恋愛小説になっているのが面白い。

イタい話になっているのだけれど、主人公を応援してやりたい気持ちになった。

そう思わせたら、この小説は成功じゃないか。

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業界の人は身につまされる話や登場人物のキャラクターが面白いし、

業界外の人には、牛の臨床の世界が覗けて面白いと思う。

多くの方に読んでいただきたい。

続編を書いて欲しいな。

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きょうは、鼠径部陰睾の去勢。

2歳馬の下顎切歯がめくれた症例。乳歯を取った。

1歳馬の腰痿のX線撮影。

午後、

側頭骨舌骨関節症の喉嚢内視鏡検査とX線撮影。

この1年で9症例目。

来週、手術することにした。

1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

きょうは、私は執刀なし。

とても楽だった;高笑

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神様たちの遊ぶ庭

2017-08-28 | 図書室

北海道の新得町トムラウシに1年間山村留学した家族の生活について書いたエッセイ。

紹介をみて、読んでみたい、と数年前から思っていた。

新刊の単行本は高いし、そのうち図書館で読めるかな・・と思っていたら、文庫本が出たので思い切って(笑)amazonで取り寄せた。

神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫)
宮下 奈都
光文社

文庫本が好きなのさ。

安い。

どこへでも持っていける。

寝転んで読める。

所蔵に場所をとらない。

今のところ、裸眼で読めるし;笑

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この本はとても面白かった。

長編エッセイというよりは、日記風。

子供3人を抱えての、僻地への山村留学(家族ぐるみでも留学って呼ぶのか?短期移住だろう)はドラマではあるけど、

そのこと自体以外に大きなドラマは起きない。

トムラウシには筆者は登らないし、クマにも遭わない。

それじゃあ退屈という人には向かないかもしれないが、子供たちとのやりとりが愉快だし、

筆者の感性や価値感が素敵だ。

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北海道好きで、職を棄てて家族を引き連れて(それも長男は受験生)トムラウシへ移住してしまう”夫”が不思議で興味が湧く。

世間離れしている、と書かれているが、そんなもんじゃ済まなさそうだ。

カラスを知らなかったみたいだし;笑

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私も、「風景がきれいな所で暮らしたい、というのがあったんですか?」と訊かれたことがある。

意識したことはなかったが、それはたしかにあったかもしれない。

海や、あるいは山が見えるとか、ときどき美しい朝陽か夕陽が見えるとか、大きな樹が身近に生えているとか・・・・

そんなことに価値を認めない人も多いかもしれないが、そうでない人も多いのだろう。

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次に読む本も買ってあったのだが、読み終わったこの本をまた読み直した。

「羊と鋼の森」で本屋大賞を受賞し、注目されている小説家宮下奈都さんなのだが、先に出たエッセイ「はじめからその話をすればよかった」

も読んでみることにした。

”夫”がどんな人か少し書かれているようなので、楽しみ;笑

はじめからその話をすればよかった (実業之日本社文庫)
宮下 奈都
実業之日本社

 

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春の雪、そして準急患、愛馬物語

2017-03-08 | 図書室

20cmほどかな、雪が積もった。

朝、6時半から除雪。

重い雪ではなかったが、すぐ湿り気を帯びて重くなる。

アスファルトにも張り付いていた。

8時、山の向こうから陽が射し始めると一気に融け出した。

春の太陽の恵み。

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午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

午後も飛節OCDの予定だったが、準急患で予定変更してもらった。

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愛馬物語―クラリオンと歩む北の大地
市来 宏
幻冬舎

図書館で見かけて借りてきて読んだ。

高校の先生が乗馬を始め、クラブから出されてしまう馬を引き取って自分で世話をし、

さらには北海道へ半移住して、馬と犬と暮らすエッセイ。

幸せな馬だと思う。

そして、また人も。

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