今回は、Equine Internal Medicineからの翻訳・要約。
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顆粒膜細胞腫GTCTはたいていは片側の卵巣に起こり、ゆっくりと大きくなる。
妊娠中にできることもある。
初回発情で見つけたら、卵巣を摘出すればその繁殖シーズン遅くになって交配できるようになるかもしれない。
これは仔馬を産む時季と、対側の卵巣での卵胞の抑制の程度にかかっている。
外科的にGTCT卵巣を摘出しても、交配できるようになるのに6-8ヶ月かかると考えておいた方が良い。
(引用終わり)
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卵巣が異常に大きいからといって、GTCTだと決めてか
からない方が良い。
左は摘出した卵巣。
割ったのが右。
卵巣が血腫化している。
今は超音波診断装置が普及しているので、GTCT卵巣なら多胞性、いわゆる蜂の巣状の構造が確認できる。はず。
しかし、必ず多胞性とは限らないらしい。
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ホルモン測定では前回書いたようにインヒビン測定がもっとも診断力があるようだ。しかし、それも100%ではない。
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左のように巨大化していると手術そのものがたいへんだ。
血行の盛んな大きな組織の摘出手術は危険を伴う。
海外の外科医でも7回結紮する。と言っている人がいた。
確実に結紮止血できれば7回も縛る必要はない。
しかし、痛い目にあっているから警戒に警戒を重ねるのだ。
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手術部位もケン部切開で行われることが多いようだが、
下ケン部、膝ヒダの内側で切開するのが好きだとする外科医もいるようだ。
馬のケン部は狭いので大きく切り広げるが難しいのだ(右)。
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繁殖シーズンはGTCT卵巣も大きくなるし、非繁殖シーズンには小さくなるかもしれない。という情報もある。
しかし、摘出しても正常な発情が来るまで半年以上かかるということなので・・・・・・あまり待っていると次の繁殖シーズンに発情が来るのも遅れてしまうかもしれない。
GTCTが疑われたら、超音波画像診断とインヒビンほかのホルモン測定で診断して、摘出手術が問題なくできる大きさなら繁殖シーズン中でも摘出手術して、次の繁殖シーズンには受胎できるようにする。というのが今のところ最良な選択だろうか。
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二十軒道路の桜も咲き始めた。ようだ。
明日からガソリンが値上がりするようだ。
花見にも、自家用車の給油にも、行く暇はない(笑)。