9症例のうち4症例が消化管の障害だった。もう1例は消化管障害あるいは失血のどちらかとして加えられた。
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22歳のモーガン種が軽度の疝痛を示し、骨盤曲の便秘を触知する症例では、ほとんどの獣医師がすぐには静脈輸液をせず、水分の経腸投与(しばしば流動パラフィン)、電解質を入れたり入れなかったり、を選んだ。
便秘がひどければ等張の多電解質液の静脈内投与を行う。
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USAの馬専門医たちは、結腸便秘の第一選択は経腸投与(水、電解質、流パラ、etc.)だと考えているようだ。
便秘の経腸投与については以前に書いた。
硫酸ナトリウム500gを3?の水に溶かして・・・というのとは違う。
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下痢をしている6日齢の子馬については多くがさらなる情報が必要とした。
このような症例では下痢による重症度と体液喪失は実にさまざまだからである。
回答者の大半が等張の多電解質液を選んだが、塩化ナトリウム液(等張あるいは高張)を選んだ回答者も多かった。
この日齢の子馬では、重度の下痢と脱水により、予想できない重度の電解質異常に陥ることは珍しくない。
例えば、低ナトリウム血症、低クロール血症であり、食塩水の投与が必要と考える者もいるだろう。
多くにとっては、正常な血漿に近い等張多電解質液は電解質の異常をよりゆっくりと補正する点で優れていると考えられている。
低ナトリウム血症、低クロール血症のどちらもあまり速く補正しすぎることは、多くの動物で有害であると報告されている。
このような症例では、輸液による蘇生はまず体液を補充し、それから電解質の補正を目的とする。
そのうち検査結果が利用できるようになる。
この進め方が多くが等張の多電解質液を選択したことに反映されている。
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私は下痢の重篤度から輸液の必要性、必要量、そして使う輸液剤を選択すれば良いと思う。
乳を順調に飲んでいるなら輸液は必要ないかもしれない。
しかし、脱水が強いなら、少なくとも排尿が認められるまで脱水を改善しなければならない。
下痢の回数と性状は、これからの欠乏量を予測するためにも重要だろう。
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水下痢を頻回に飛ばす4歳のクウォーターホース、沈鬱、おそらく8%の脱水、粘膜充血、心拍数80回/分。
回答者は高張食塩水(1-2?)を投与してから等張液を投与する者と、すぐに等張電解質液の急速投与をする者が、ほとんど同数であった。
このような症例での初期治療の目的は組織灌流を維持するための循環血液量の再生であり、どちらのアプローチも受け入れられる。
電解質異常の補正は次の治療過程に回せる。比較的少量の高張食塩水を投与し、低ナトリウム血症をあまりに急速に補正するべきではない。
この症例での大量の体液喪失は500kgの馬では40?と推測される。
さらに投与される量は、引き続く喪失と維持に必要とされる量である。
推奨する方法は、等張電解質液20?を2-4時間で急速投与し、その後、1時間に3-4?を投与する。
ポリミキシンBを抗エンドトキシン治療として最初の輸液に加える。
カルシウム(23%グルコン酸カルシウムとして)と塩化カリウム(20mEq/L)を追加の輸液剤に加える。
ヘタスターチを挙げた人もいた。推測される(おそらく)低蛋白血症があるので、最初の電解質液と一緒に投与する。
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突然の水様性下痢の症例は、生産地でも年に数頭発症がある。
往診車に積んでいるだけの補液をしておいて、二次診療施設に搬入すれば血液検査と大量輸液が可能になる。
その判断ができないまま死んでいる馬もいる。
蠕動が止まってしまい、腹囲膨満し、激しい疝痛を示す症例の予後は良くない。
8%の脱水でさえ、欠乏量だけで40?だ。
下痢が続くならこれからの予想喪失量と、これからの半日、あるいは1日の維持量も考えなければならない。
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(長くなったので、つづく)
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今日は、午前中2歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
午後は、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
その前に、高齢馬の鼠径ヘルニアの連絡。
来院して、ざっと診察して、厳しいことはわかっているが、手術することにした。
術前PCV74%。
何%の脱水だろう?
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きのうも、今日も、とうちゃん忙しくて
夕方のさんぽはナシだった
オラ、やけおこして木でも
かじってやる!