午前中、種子骨炎と繋靱帯炎の2歳馬の手術。
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昼、難産が来る、とのこと。
いつもは1時間かかるところを35分で飛ばしてきた。アブナイ。
ひどい失位のようなのですぐに全身麻酔して後肢を吊上げる。
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頭頂部から来ている。
下顎にワイヤーをかけて、ひっぱってもらいながら頭頂部を押して直す。
子馬の口粘膜が見えるようになった。
チアノーゼだが、ピンク気がある。生きてるか?
胎盤(脈絡膜・尿膜)がまとわりついている。
早期胎盤剥離だったのかも。予定日3日前。
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屈曲した両腕節に触る。
中手骨に産科チェーンをかけて引っ張ってもらう。
それで、蹄に手が届くようになって、今度は繋に産科チェーンをかける。
腕節を押し込みながら繋のチェーンを引っ張ってもらって蹄が出た。
反対肢は若い獣医さんに同じようにやってもらう。
が、途中で胎仔の自発呼吸が始まった。
これは、さっさと出してやらなければならない。
また私に交替してもらって、残りの肢も整復した。
子馬は下胎向になっているので、両前肢を捻って押し込みながら直す。
あとは、引っ張るだけ。
すんなり出た。
臍帯がつながった状態でストップ。
臍帯は拍動している。
臍動脈だけ鉗子でクランプしてしばらく待つ。
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母馬の麻酔覚醒起立の用意をしてやらなければならない。
母馬を反転させるとき臍帯が切れた。
それなら、子馬は引き離した方が良い。
胎盤は縛って短くまとめておいて、直腸検査手袋に入れて、さらに短く縛り付ける。
ぶらさがっていると、後肢にからみつくし、滑るので覚醒起立の邪魔になるのだ。
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子馬は、気管挿管して酸素吸入したが、そのうち活発に転がり回るようになった。
腕節の拘縮があるが、中程度。
これなら治る希望はあるかも。
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この夜は地元獣医師会の新年総会だった。
獣医師会は、地元の町村獣医会、地区の獣医師会、北海道獣医師会、日本獣医師会、と階層構造になっていて、
実際の、狂犬病予防接種や、牛のワクチン接種(防疫事業)は地元獣医師会が実働している。
しかし、イヌの頭数は減っているし、小動物医院での接種が増えている。
集合注射での獣医師会の役割は減っている。
防疫事業での牛のワクチン接種は、料金が安く設定されていて接種に回る開業獣医さんから悲鳴が出ている。
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他の地区で一次診療に回っている開業獣医さんに診療の様子を講演してもらった。
以前からお願いしていたが、コロナ禍で総会が開けず、のびのびになっていた。
若いときからあちこちで仕事され、キャリアアップしながら、真摯に診療に取り組んでこられた様子がよくわかった。
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珍しくヤマガラ。
胸のオレンジが好ましい。