プレート固定を教えに行くと、
「最初のプレートスクリューはどこへ入れますか?」
「プレートのどこから固定していきますか?」
と訊かれる。
成書、手引き書にはどう書かれているか?
これは AO principle of Equine Osteosynthesis からの図と文。
プレートを骨の表面に合わせて整形 contour したら、骨折面からだいたい1cmのところの骨に3.2mmドリルで貫通させる。
骨折部に近い方から留めていきましょう、ということだ。
もうひとつは、この””approximately 1 cm " というのが気になった。
古典的なDCPを使う場合、プレートの中央部のscrew hole の間隔は 1 cm より少し広い。
まあ”” approximately " だから良いのかもしれない。
しかし、DCPの中央部のscrew hole の間隔はもう少し広い。
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ただ、理想的、というか、原則的かつ典型的な完全な横骨折などというのは現実にはほぼありえない。
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こちらはもっと古いDenny のEquine Fracture Repair から。
右側の文章、2段落目、
骨折部から1cmのところに、3.2mmドリルで両皮質(こちら側と対側皮質)を貫く。
とある。
この本でも、「骨折部から1cmのところに」とある。
左図は良心的。
左のscrewを骨折部から1cmのところに入れると、2本目の右screwは1cm以上骨折部から離れる。
骨折部にcompression が働いて1mmの幅もないとすると、1.4cm離れることになるだろう。
さて最新のLCPだとどうか?
中央を挟んだ2つのscrew hole の compression 位置にscrew を入れるなら、やはりその間隔は中央から1cmより遠い。
だから、LCPを使うとしても、もし単純な横骨折だとしても骨折線から1cmというのは骨折部に近すぎるかも?
と私は思う。
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・基本は骨折部に近いところから
・骨折部から1(+0.2)cm のところに最初のscrew
というのが基本。と確認しておこう。
長くなるので、続く、かも。
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植えてから7年。
今年は、キタコブシの樹が初めて咲いた、と言えるほど花をつけた。
倉庫のナンバープレートは Oklahoma State University Veterinary Medicine のもの。
あれから24年。
直線で最短な骨折線とはなかなか出会えなくて螺旋だったり複雑だったり、海綿骨だったりするのでしょう。マテリアルもどんどん進化した四半世紀だったのではないでしょうか?
なんであれ基本とその理由は大事ですね。
庭にあっては地味はお花なのでしょうけれど、時間をかけてしっかり根を張って次世代へ繋ぐべくたくさんの花、魅了されます。
そして、人整形外科や小動物整形外科で言われていることと、馬整形外科で言われていることは異なっていたりします。
牛用には馬整形外科の知見に沿うべきだと思うのです。
樹は長生きするでしょうから。できれば大木になっていただきたい;笑
変位がひどい場合などは、片方に数本打ち込んで、てこにして戻すという事も先生はされますか?
整復できたら、キルシュナーワイヤーで仮止めしておいて、ゆっくりプレートを当てていく、というのはヒト整形では普通にやるそうです。
まだまだテクニック修練の余地がありそうですよね。
>>ムカシュさん... への返信
先生、ご返答ありがとうございます。
非常に少ない経験ではありますが、整復時に骨折端を併せるのが非常に難しいと感じる事があり、そのようにしてしまった事がありましたので質問させて頂きました。そうすることもあるとお聞きして安心しました。ありがとうございます。
こうやれば治せるよ、となるまで情報公開、情報交換が必要だと思います。