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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

妊娠末期の開腹手術

2006-02-28 | 急性腹症

先週「はらいた」で来たのは分娩予定日近くの繁殖雌馬。乳は張って、乳脂がついているが、子宮頚管は緩んではいるものの開いていない。

妊娠末期になると直腸検査しても妊娠子宮以外何も触れない。結局、確信?確定診断を得られないまま開腹手術することになった。

腹囲著しく大。できれば切ったり、縫ったりしたくはない。しかしタイミングを逃すと母子ともに死なせてしまうから。1259_2

開けてみると結腸捻転だった。ただ、こんな場合でも分娩徴候がない限りは帝王切開はしない方が子馬の生存率は良いと思っている。

手術翌日、自然?分娩が始まった。お母さんは腹帯をして、点滴を受けながらお産することになったが、安産だった。 Dscn6268

今日は会議の途中で「はらいた」の連絡が入って呼び戻された。車の中で弁当食べながら帰って、そのまま夕方まで手術。

助けられるものは全部助けたい。誰か私に力を!!


Bone Cystは増えているか?

2006-02-27 | 関節鏡手術

P2270001 雪が横に降っていた。すっかり溶けていた雪の上に風で飛ばされてきた雪が吹きだまった。

 これが北海道の春一番なんだろうか。

 一度になくなってもらわないと、氷の上では馬もころんでしまう。まして麻酔から醒めたばかりの馬ではなおのこと・・

Fbonecystxray 今日は大腿骨内顆のbone cystの関節鏡手術(Xrayは別症例)。最近どうも増えているような気がする。以前でも跛行が治まらなければ膝関節の撮影が行われていたので、Xray撮影で発見される症例が増えているだけではないように思う。

 この体重を支える部位にできるのがほとんどなので、負重や運動負荷が要因になっているのだろう。しかし、馬の体重や運動量がそれほど増えているとは思えない。

 本当に以前にくらべて発症率が増えているとしたら、その要因は血統的な背景だろうか、あるいは栄養給与(飼養管理)の問題だろうか。

 手術の画像が手元にないので、手術方法についてはまた今度・・・・・

 


立位での球節の関節鏡手術

2006-02-26 | 関節鏡手術

Nbc_3 写真はフィラデルフィア大学獣医教育病院の絵葉書から。

球節背側の関節鏡手術のためには、肢を負重させ球節を伸展させることが望ましい。そのことが立位で関節鏡手術を行うひとつの理由らしい。

しかし、鎮静しているとはいえ馬の前で膝まづいて手術することになる。馬が動けば器具を壊しかねないし、暴れだしたら・・・・・

やってみるつもりはないが興味深い写真だ。


はじめに

2006-02-26 | 想い出

Photo_2 獣医師になってもう20年が過ぎた。

3-40年臨床獣医師として働けるとして、もう折り返しをすぎてしまった。

早かったような気もするし、長かったような気もする。

まだまだ修行の日々は続く。

大動物臨床獣医師はメジャーな職業ではないし、まして馬にかかわる人は少ないけれど、何かの縁のきっかけになればと思います。

コメント歓迎します。