犬の前十字靱帯断裂に対して行われている代表的な外科手術方法はTPLO
Tibial Plateau Levelling Osteotomy
”脛骨高平部水平化骨切り術” とでも訳されるのだろうか、今はTPLOと呼ばれるようだ。
Cranial Cruciate Ligament Rupture and TPLO for Dogs and Cats
この動画が説明してくれているように、前十字靱帯が切れることで、脛骨に対して大腿骨が尾側へ滑り落ちがちになるのを、脛骨高平部の傾きを無くすことで滑り落ちないようにし、安定化させる。
1993年に考案された外科手術方法で、この30年あまりで急速に普及した。
大動物獣医師であった私から見ると、かなり大がかりな手術で、それなりのリスクも伴うと思うのだが、現在ではとても術後成績は良いらしい。
専用の器材の開発や、特化した講習会・実習の開催、小動物外科専門医の教育・育成態勢の充実、そして小動物の飼主が経済的負担をいとわないこと、などが背景にあるのだろうと思う。
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片脚が前十字靱帯断裂と診断されたワンコ。
ン十万の手術費をかけて経過は良好。
突発事故ではなく、背景に発症要因があるので「反対脚もなるかもしれませんよ」と言われていたが、
案の定、後日反対脚も発症してまた手術。
経過は良かったけど、治療費は ン十万✖2 になった。という喜ばしい?話も聞く。
愛犬が脚をひきずって辛そうにしていたら、治す方法があるなら治してやりたいと思うのが(ワンコの)飼主だ。
獣医学の進歩は動物を飼う人の気持ちに支えられている。
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新高塚小屋の前でテント泊して、翌朝はゆっくり出発した。
1時間あまり下って・・・

縄文杉
「会いに行く」と表現されることもある巨木。
樹齢は見当もつかないらしい。
大枝が折れてしまって「かつての迫力はない」と言う島のお年寄りもいたが、
木、樹、という観念や概念からはみ出すのは間違いない。
屋久島は花崗岩でできた山岳地帯で、土壌に栄養も保水性もない。
本来、針葉樹である杉の寿命はさほど長くないが、屋久島の杉は成長が遅く、年輪が密で、硬くて丈夫。
そのため樹齢が1000年を越える巨木になっている屋久杉が存在するのだそうだ。
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整備された木道が多いトレッキング道を下る。
これも有名なウィルソン株。

豊臣秀吉の命で切り倒されたのではないか、と言われているが・・・真偽のほどはどうなんだろう。
切り口がハート型に写るので「映える」らしいが、冠動脈が傷ついている私のハートには切れ込みが入る;笑
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さらに下ってトロッコ道に出た

かつて木材の運搬に使われたトロッコ軌道。
現在はトイレの排泄物、登山道の整備資材、怪我人の運搬にだけ使われている。
観光客を次から次へ運ぶほどの運送能力はないのだろう。
トレッキング客には各自で歩いてもらった方が多くの人が通過できるということなのだと思う。
3時間ほどかかりますけど・・・・・
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このトロッコ道もまた屋久島の名所のひとつではないか。
歩けるうちに、ぜひ!!