私が牛の膝の前十字靱帯損傷で記憶があるのは、かつての釧路NOSAIの先生方の手による、この一連の研究発表。
もう40年前の調査で、調査研究の手法も、診療データそのものも、調査研究の結果のまとめ方も、この”論文”のそのものも、”old” ではある。
ただ、あの時代に、乳牛の十字靱帯を診断し、ちゃんと記録を残し、疫学的データから病理解剖まで行った努力と成果はすばらしいものだと思う。
私は大動物臨床獣医師に成り立ての頃、この壮大な調査研究発表を聴いたのでとても印象に残っている。
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牛の前十字靱帯断裂がかなりの症例数があること
診断技術があれば、他の起立不能や跛行と診断できること
突発事故ではなく、損傷の積み重ねで断裂に到ると思われること(発生疫学的にも病理解剖からも)
しかし、加齢以外の発症要因は不明
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というようなことが印象に残った。
乳牛の飼い方は北海道でもこの40年の間に大きく変わってきた。
一戸当たりの飼養頭数は数倍に増え、牛のつなぎ方もスタンチョン(牛の頚を挟む)からフリーストールやスーズバーンの牛舎が増えた。
放牧は・・・・どうなんだろう。減ったのか? 見直され、また少し増えているのか?
前十字靱帯断裂は、単純な突発事故ではないにしても、牛舎の構造や牛の飼い方に大きく影響を受けると推察される。
それと、搾乳月齢に達するまでの育成期の扱いも影響しているかもしれない。
若いときに放牧されて十分に運動した牛は筋肉も骨も良く発達し、運動器が丈夫なのではないだろうか。もちろん靱帯も。
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さて、最近の乳牛の「前十字靱帯断裂」はきちんと診断されて、診療と事故の記録として残されているだろうか?
増えているだろうか? 減っただろうか? 原因が把握され、予防の努力がされ、成果が出ているのだろうか?
40年前の釧路の獣医さんたちの熱意に今も感心し、敬意を表する次第である。
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大きくなりすぎたレンギョウの株を掘りあげて、移植した。
たいして大きい木ではなく、せいぜい小灌木なのだが、腰が痛くなった。
働いていた頃には4月にこんなことしてられなかったのよ。
そもそも4月に植え替えるのが良いかどうかは別にして;笑